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2009年11月 3日 (火)

実はとてもポップ??

Title:Warp20[Chosen]

Warp20[Chosen](チョーズン)

いわゆる「テクノ3大レーベル」として知名度の高いWARPレコード。個人的に、おそらく唯一、レーベル買いをしてしまうレーベルです。まあ、それだけ有名だってことですね。かつ、非常に個性的なミュージシャンを数多くかかえているレーベルだったりします。

今回、レーベル創設20周年を記念してリリースされた2枚組のベストアルバム。AutechreやAphex Twin、SquarepusherにBoards Of Canadaといった、WARPを代表するミュージシャンの曲がズラリと並んでいます。

Disc1は、オフィシャルサイト上で行われた人気投票をもとに決定された作品で、Disc2は、WARP主宰Steve Beckettにより選曲された作品が収録されています。

Disc1の方は、思った以上に聴きやすいですね~。WARPといえば、実験的なエレクトロニカ作品をリリースするミュージシャンが多い・・・というイメージで、Autechreをはじめ、初めて聴く方には、強烈なインパクトのあるミュージシャンが多いのですが、ここに並んだ作品を聴くと、やはりポップで聴きやすい作品に人気が集まるのかなぁ、とも思ってしまいます・・・まあ、私自身の耳が慣れてきただけ、かもしれないのですが。

一方で、Disc2の方は、Steve Beckett選曲ということもあるのでしょうか、比較的実験的。Disc1に比べると、癖のある作風の曲が多かったような印象を受けました。ある意味、WARPレコードとしての目指す道が示されている、ということなのでしょうか?常に新しいスタイルを求めていく・・・これが、このレーベルの大きな魅力なのかもしれません。

ただ、この2枚のディスクを聴いてあらためて感じたのは、「実験的」みたいな枠組みで語られることの多いWARPですが、実はその根底にしっかりとしたメロディーが流れていて、とてもポップにまとまっているんだなぁ、ということに気がつきました。

Jamie Lidellの「Daddy's Car」など、かなりポップなメロが楽しめますし、特にBoards of Canadaの「Amo Bishop Roden」やXeper(Black Dog Productions)の「Carceres Ex Novum」のメロにはどこか哀愁すら感じられ、日本人好みかも。

ぱっと聴いた感じ、不思議なリズムや様々な音に隠れがちなのですが、その後ろでしっかりと鳴っているポップなメロディーこそがWARPの魅力なのかなぁ・・・なんてことを考えたりもしました。

個人的には、Autechreの「Gantz Graf」やBattlesの「Race:Out」が特によかったかな?Autechreの個性は、このアルバムでも際立っていますね。不条理な音が、どこかメロディアスで癖になりそうです。Battlesは、低音のストリングスに重いドラムスという幕開けから、やがて明るいギターが鳴り響き、風景が開けていく、という展開がたまりません。

もちろん、それ以外の曲も個性な曲揃い。テクノ、エレクトロニカ好きには、是非とも聴いて欲しい(・・・というか、もう聴いているか(^^;;)アルバムです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BRASS KNUCKLES/NELLY

Brass Knuckles

かなりマッチョなジャケ写ですが・・・(^^;;

ジャケ写のイメージ通り、ヘヴィーな曲もあれば、メロウなチューンもあり、バリエーションが豊富なアルバム。いろいろな層にアピールできる曲があり、いい意味で、売れそうだなぁ、という感想を持ちました。

評価:★★★★

PAPER TRAIL/T.I.

Paper Trail

マイヤヒー~~!

・・・にはちょっとビックリしました(笑)。いや、「Live Your Life」に、日本でも大きな話題となった「恋のマイヤヒ」がサンプリングされていたって話なんですけどね(^^;;ちなみにこの曲、邦題は「マイヤヒ・ライフ」なのね・・・。

基本的にヘヴィーな曲が多かった一方、後半には聴かせる曲も。特に「You Ain't Missin' Nothing」では、悲しげなトラックに、淡々としたラップがとても印象的。その実力を存分に味わえる1枚でした。

評価:★★★★★

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