むしろプロ作家向き?
Title:ベスト
Musician:スネオヘアー
おそらくその名前は、一度聴いたら忘れられないと思います。スネオヘアー。本名渡辺健二。もちろん名前の由来は、あの国民的漫画の、有名脇役のあの独特な髪型から。デビュー当初のアルバムも、どこか少年向け漫画の主人公を思い出すようなキャラクターが前面に描かれた、ユーモラスなものでした↓
ただ、こういうユーモラスな部分と異なり、楽曲は正統派のオルタナ系ギターロック。歌詞にしてもユーモアな部分はあまり感じられず、ちょっと文学的で、ちょっと叙情的な部分もあるラブソングに仕上がっています。
そういう名前やPVなどで感じるユーモアさと、至って正統派な楽曲とのギャップがおもしろい、という見方も出来ないことはないのですが・・・・・・。
しかし、今回発売されたベストアルバム。彼の過去の作品を通して聴くと、すごく地味だなぁ、ということを感じました。
楽曲としては、メロディーにしても歌詞にしても、しっかりと作りこまれた曲が多く、メロディーラインにしても、派手ではないものの耳に残ります。売り方によっては、十分ヒットポテンシャルのある曲ばかりです。
しかし、どうも垢抜けた部分がないというか、インパクトがないというか。ちょっと地味な風貌の彼自身も含めて、(ファンには申し訳ないのですが)少々華がないんですよね(^^;;
それだけに、このインパクトとユーモアにあふれる名前とともに、もっと楽曲にユーモアセンスを入れればいいのに、と素人考えで思うのですが、楽曲はストレートなポップナンバーばかり。このある種、曲に対する生真面目さが、いまひとつヒットを産み出せない要因のような印象を受けます。
楽曲の出来自体は素晴らしいので、彼の場合、自身が歌うよりも、もっと華のあるシンガーに歌ってもらう方がいいと思うんです。彼みたいなタイプのミュージシャンは、むしろ他のシンガーに曲を提供する作家向けのミュージシャンだと思うんですよね。
実際、彼も既にYUKIや新垣結衣などに曲は提供しているみたいなのですが・・・もっといろんなシンガーに、例えばジャニーズ系あたりにも提供すれば、スネオヘアーの素晴らしい楽曲がもっともっと世に広まると思うんだけどなぁ。ちょっと今のままでは惜しいような、そんな印象を受けたベストアルバムでした。
評価:★★★★
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