ライブの魅力をそのままに
Title:エグザイル・オン・メイン・ビーチ
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン
ソウルフラワー約10年ぶりとなるライブアルバム。
ソウルフラワーのライブといえば思いだすのは、2000年のフジロックフェスティバル。大トリのPrimal Screamの後に出てきた彼。メインが終わった後の登場とあって、会場の空気は最初、あまり盛り上がっておらず、私も後ろの方でマッタリとライブを見始めました。
しかし、一度彼らのライブがスタートすると一変。その「日本的ソウル」とでも言うべき、お祭りのリズム。祝祭色豊かな楽曲の連続に、ステージ前に人が徐々に集まり始めます。私も思わずステージ前に参戦。いつの間にか彼らの奏でるリズムにのって踊りまくっていました。
気がつけば、ヘタすればPrimal Screamより会場は盛り上がっていたのでは?この日のステージのことは、いまだに忘れられません。それまでは、さほど彼らについて注目していなかったのですが、その日から、すっかりファンになってしまいました。
そして、このライブアルバム。そんなライブバンド、ソウル・フラワー・ユニオンのライブの魅力がしっかりとつまっています。
前半は「ホライズン・マーチ」などで盛り上げ、聴かせどころは中盤の「満月の夕」。彼らの代表曲のひとつでありバラードの傑作を、感情豊かにしんみりと歌い上げています。
そして、アルバムのクライマックスともいえるのが後半、「風の市」以降でしょう。アップテンポな曲が続く作品群に、ライブの迫力がそのまま伝わってくるよう。気がつけば、聴いているこちらも、身体が自然に動き出しているようなアルバムになっています。
いわばライブの空気感がそのままつまったようなアルバムとでも言うんでしょうか。アルバムの構成も、まるでライブをそのままパッケージしたような内容ですし、演奏のテンションの高さもライブならでは。理想的なライブアルバムだと思います。
また、選曲の方も、ベスト盤的選曲で、(中川敬本人も語っているように)入門盤としてもピッタリの作品になっています。特に、このアルバムに収録されている2000年以降の彼らは、ソウル・フラワー・ユニオンのひとつの全盛期といっていいほどの充実した時期。ポピュラリティーとロック、そしてその他、様々な音楽の要素が幸福な融合を果たした時期。そんな楽曲自体の魅力もまた、このライブアルバムの大きな魅力です。
久々にソウル・フラワー・ユニオンのライブに足を運びたくなったなぁ~。まだ、彼らの魅力に触れたことない方にこそ、是非とも聴いて欲しいライブアルバムです。
評価:★★★★★
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