ポップだけど、奥は深そう
Title:フォグランプ
Musician:OGRE YOU ASSHOLE
前作「しらないあいずしらせる子」ではじめて出逢って以来、個人的にかなり注目している新人バンド。それから約1年ぶりとなるニューアルバム。地元名古屋のバンドということもあってか、名古屋のタワレコではかなり大々的に展開しており、確実にその注目度を増しているみたいです。
今回の作品も、わずか8曲入りながらも、OGRE YOU ASSHOLEらしさがつまったアルバムに仕上がっています。
ポップでありながらも、どこか歪んだメロディーが魅力的な「クラッカー」。タイトル曲「フォグランプ」は、メロディアスでリズムも軽快ながら、リズムが微妙に変化して、不思議な雰囲気を醸し出しています。ラストの「ワイパー」も、メロディーを聴かせながらも、どこかサイケ風のアレンジをからませてきています。
歌詞の世界も、前作同様、寓話的で、どこか幻想的な不思議な世界観はそのまんま。ただ、歌詞に関しては、正直前作の方が、聴いていて素直に耳に入ってきたかも。もうちょっとインパクトのあるフレーズは欲しかったかな?
ボーカル出戸学の甲高い声もまた、OGREの魅力に一役買っています。しっかり耳に入ってくるインパクトを持ちながらも、無機質な雰囲気が、楽曲に不気味な雰囲気を与えている部分、このバンドのひとつの要になっているのではないでしょうか?個人的には、ちょっと中村一義に似ているような印象も。
メロディーにしてもバンドサウンドにしても、一度聴いた感じだとガツンと来るような強いインパクトを持っている訳じゃないんだけど、2度3度聴くうちに、その深みにズブズブとはまりこんでしまう、そんな不思議な魅力を持ったバンドです。
ただ一方で、前作もそうなのですが、本作もまだまだ伸びしろの部分を感じます。それだけに、まだまだこれからとんでもない傑作を作ってくれそうな予感も。ちょっと奇妙なOGRE YOU ASSHOLEという名前、今のうちから覚えておいた方がいいと思いますよ。お勧めです。
評価:★★★★★
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