やっぱりLISAが好き(?)
Title:MF10 -10th ANNIVERSARY BEST-
Musician:m-flo
タイトル通り、デビュー10周年を迎えた、m-floのオールタイムベストアルバム。2枚組のCDは、1枚がLISA在籍時の作品が、もう1枚は、いろいろなシンガーをゲストで迎えた、いわゆるlovesプロジェクトの曲が収録されています。
なんか、先日発売されたトリビュートアルバムでも感じたのですが、m-floの一番の良さは、やはりそのメロディーラインなんだよなぁ・・・ということを、あらためて感じました。
正直、m-floの曲って、決して突出して個性的、という訳じゃないんですよね。lovesプロジェクトで、R&B以外のシンガーと組んだ曲を除いては、(デビュー当初こそ、一歩先を行くイメージがありましたが)たくさんのR&Bシンガーがデビューし、ヒットを飛ばす今では、「よくあるR&Bチューンのひとつ」になってしまいます。
しかしそれでも気がつけば、m-floのメロディーってしっかりと耳についているんです。決して派手なサビがあるわけでもないし、特徴的な歌詞を書いているわけでもありません。なのにしっかりと耳に残るフックの効いたメロディーを書いている。それが彼らの大きな魅力のひとつでしょう。
で、もうひとつ。こうやってオールタイムベストを聴いて強く感じたこと、それは
やはりボーカルはLISAがいいなぁ~ということ。
lovesプロジェクトになってから、特定のボーカリストがいないのって、m-floのイメージが薄くなっちゃうんですよ。上にも書いた通り、突出して個性的なメロやアレンジをするユニットではないだけに、特に。
それに、やっぱLISAは上手いよ、ボーカリストとして。何より、高音部を魅力的に聴かせながらも、しっかり低音部でのアピールできるという音程の幅広さが素晴らしい。高音部を魅力的に出せるシンガーはいくらでもいるけど、低音部でアピールできるシンガーって最近、少ないんですよね。
lovesプロジェクトでも、安室ちゃんやCrystal Kay、野宮真貴などはもちろん素晴らしいボーカルを聴かせてくれるのですが、そういった曲って結局、m-floとしての個性よりも、それぞれのシンガーの個性が前に出ちゃうんです。
で、具体的な名前をあげて申し訳ないのですが、melody.とか日之内エミだとLISAに比べると力不足。これならLISAの方がよっぽどいいのに・・・と思ってしまいます。
和田アキコみたいな別の畑のシンガーと組む場合は、LISAがコーラスにまわればいいだけで・・・lovesプロジェクトが終わった今、次に活動を再開する時は、是非ともLISAに戻ってきて欲しいなぁ~。
さて、m-floのもうひとつの大きな魅力というのは、クラブシーンなどではやっているサウンドをポップにまとめて、半歩先を行くような音楽を広い層に楽しませてくれる、という点でしょう。
大ヒットした「come again」あたりが顕著できたが、こういう時代の一歩・・・ではなく半歩だけ先を行くような先駆性が彼らの大きな魅力でした。
ただ、ここらへんの先駆性が、どうも最近の作品からはあまり感じられないような気がするんですよね。このアルバムで収録されている新曲「SOUND BOY THRILLER」は、ちょっと今風のエレクトロチューンかな?という印象も受ける一方、次の一歩を模索して、迷走気味なのかなぁ、という印象も受けてしまいます。
実際、Wikipediaによると、現在、事実上活動休止状態なのは、時代の先を走るのに疲れたから・・・という記述があります。そういう意味で、ベスト盤以降の彼らの活動、どうなるのか・・・注目していきたいところです。
個人的には、やはりLISAにボーカリストとして戻ってきてほしいんですけどね~やはり。
評価:★★★★★
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コメント
lovesシリーズは"あくまでm-floは裏方"っていう印象ですね。ゲストボーカルを上手く引き立てた作品は結構あって、それはそれで楽しめました。
ただm-floっていうとやっぱりLISAですよね。
嫌味のない澄んだ高音部分。セクシーで存在感があって・・・。比較的シンプルなアレンジでもLISAのボーカルがあるだけで凄く締まりますよね。
だからこうして小出しで新曲が出るたびに焦れったくなります(笑)
余談ですが、久々にこのアルバムでcome again聴きましたが、本当に色あせないし、今のシーンと比べても全然古臭くないですよね。
これが先駆性ってヤツでしょうか。
投稿: 亮 | 2009年11月 6日 (金) 01時04分
>亮さん
どうなんですよね。やはりm-floといえば、いまでもLISAの存在は大きかったなぁ、と思います。新曲もLISAボーカルだったのですが、やはり相性は抜群だなぁ、と思いました。
come againは、今聴いても新鮮味を感じますよね。あの時、時代の半歩先を行っている・・・と思っていたのですが、今でも古さを感じないのはちょっとビックリです。
投稿: ゆういち | 2009年11月10日 (火) 00時27分