消費期限付きの復活!
Title:10
Musician:cali≠gari
様々な音楽をごっちゃにした、ユニークな音楽性と、独特な世界観で一部で絶大な人気を誇ったビジュアル系バンドcali≠gari。ビジュアル系が再度ブームとなる中、2003年に無期限の活動休止を宣言。しかし、それから6年が経ち、2009年、「消費期限付き」という名目で活動再開!そして、6年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。
活動休止前にリリースされたアルバム「8」は、ニューウェーヴの影響を強く受けたアルバムでしたが、今回の作品も、80年代ニューウェーヴやエレクトロサウンドを多く取り入れた作品になっています。
特にあいさつ代わりの1曲目「ママゴトセンター」の冒頭から、今風のエレクトロサウンドからスタート。その後、ギターロックのスタイルに入るという構成は、ある種、今回のアルバムを象徴するような内容、と言えるかもしれません。
その後も、エレクトロサウンドとギターサウンドを重ねてダンスソングに仕上げた「ハラショー!めくるめく倒錯」や、ヘヴィーロック風のギターに、電子音やアコギのからみがおもしろい「混沌の猿」など、ギターロックサウンドにエレクトロサウンドを融合させたような作風が続きます。
それらの「音」は、決して真新しくはありません。むしろ、ここ最近、既にやりつくされた、という感も否めません。ただ、その上で、これらの楽曲にはどこかユーモラスな部分を感じます。
得てして、様々な音楽性を取り込んだアルバム、というのは頭でっかちになりがちなのですが、そこらへんはさすがといった感じでしょうか?力が抜けてユーモアセンスもたくさん。どこか斜めからの視点を含みつつ、音を楽しんでいるのは相変わらずだなぁ。
ただ、「シャ・ナ・ナ」や「スクールゾーン」みたいな、まんま80年代のビートロック風の作品は、個人的にはちょっといただけなかったかも・・・。
ここ最近、再びビジュアル系というジャンルが注目を集める中での彼らの復活というのはうれしいニュース。本当は、「消費期限付き」じゃなくて、もっともっと新作を聴きたいなぁ。
評価:★★★★
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