意外性は少ないけど
Title:m-flo TRIBUTE~maison de m-flo~
10周年を記念してリリースされた、m-floへのトリビュートアルバム。
参加した面子を見た時、いかにも「今、売出し中のR&B系シンガーを並べました」という印象を受けて、少々ひいてしまいました。
そういう意味で、ほとんど期待していないかったのですが・・・・・・
思ったより、いい。
正直、アレンジもボーカルも思った以上にシンプル。アレンジは、「come again」や「Planet Shining」など、今はやりのエレクトロ風にアレンジされていたのですが、全体的なイメージはさほど変わりありません。そういう意味では、原曲のイメージを超えられていないですし、「カラオケ大会」と揶揄されるのもわからなくはないです。
まあ、逆に、ヘタに手を加えなかったため、逆にm-floの曲の良さが素直に出ていたかなぁ、という印象を受けました。
その中でも、西野カナの「Yours only...」や、清水翔太の「let go」はなかなかよかったかな?西野カナは、楽曲自体の良さに助けられた部分も多いけど、それなりに感情を加え、かつ、この手のシンガーにありがちな感情過多にならずに、しっかりと聴かせてくれます。清水翔太も、もともと女性シンガーの作品を、男性が歌うことによって、曲に新鮮味を感じておもしろかったです。
ただ一方、参加したシンガーがほとんどR&B系。そういう意味では意外性はありませんでしたし、ジャンルを問わずコラボレートしているm-floの音楽活動からすると、ちょっと参加ミュージシャンのジャンルの狭さは残念でした。
一応misonoが「Simple&Lovely」をヘヴィーロック風にアレンジしていて、お姉さんが歌った曲を妹がトリビュートというユニークさとあわせて、なかなかおもしろい試みながらも、ちょっと力量不足。物足りなさが否めませんでした。
もっと実力派のロックや他ジャンルのミュージシャンによる、原曲を大胆にリアレンジしたカバーも聴きたかったなぁ。まあ、もちろん、そういう試みは時として大失敗しちゃうもので、そういう意味では、無難にまとめあげたこのトリビュート、悪くはないとは思うのですが・・・。
そういう訳で、参加ミュージシャンなどでちょっと敬遠しているファンの方は、聴いてみても悪くはないかも。ただ、作品として少々意外性に欠けるし、絶賛はできない、そんなトリビュート盤でした。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント
参加アーティストを見て引いた一人です。
個人的には「lovesシリーズ」に的を絞って、今まで共演したアーティスト達が、別の曲のリアレンジでカバーしてほしかったんですが・・・。
こうまで似通ったアーティストが固まると、もっと意外性のあるアーティストの参加を望んでしまいますね。
「思ったよりいい」のはやっぱり楽曲の力もあるんでしょうね。
投稿: 亮 | 2009年10月19日 (月) 00時35分
>亮さん
そうなんですよね~。もっと意外性のあるミュージシャンにも参加してほしかったのですが・・・。
でも、それでもそれなりに楽しめるのは、やはり曲の良さですよね。違う意味でm-floの実力がわかる作品でした。
投稿: ゆういち | 2009年10月21日 (水) 00時47分