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2009年10月15日 (木)

骨太なバンドサウンドが気持ちいい

Title:DO NOT KILL'EM
Musician:FOE

DO NOT KILL’EM

アイゴンこと曾田茂一率いるスリーピースロックバンドの、3年ぶりとなるニューアルバム。

まず、このアルバムをプレイヤーにかけると、1曲目でガツンと来ます。

ゴツゴツのハードでヘヴィーなギターサウンドに、打ち込みのリズミカルなリズムが重なる「PYRAMID OF THE QUEEEN!!!」は、ゴリゴリのハードロックながらも、テンポよいリズムをのせることにより楽曲をポップにまとめあげています。

この、ヘヴィーなロックンロールをベースにしながらも、ポップにまとめあげている、というのは、このアルバムを象徴するスタイル、といえるかもしれません。

前半は、ヘヴィーなギターリフを中心に、バンドサウンドを聴かせるハードロックテイストのナンバーが続きます。一方で、「GO WEST」「DANCE,DANCE,DANCE」など、メロディーは実にポップ。ヘヴィーなサウンドとポップなメロディーのバランスがとても面白い楽曲になっています。

一方、後半は、オルタナ系のギターロックの影響が強いナンバーが続きます。ポップなメロディーと相まって、イメージ的にはthe pillowsあたりに近い雰囲気も感じました。特に「TO BE ALONE」などはコーラスラインがとても美しいポップスナンバー。また、ミディアムバラードの「RERA TO IU NANO HANA」は、微妙な展開が聴いていて癖になるような、不思議な感じのナンバーです。

で。このアルバムに関して一番感じたのは、どの曲も、妙にリスナーの壺をついてくるようなサウンドやメロディーを書いてくるんですよね。

最近、曾田茂一は、木村カエラへの楽曲提供や、映画音楽への参加など、積極的な活動が目立ちますが、その中で、ポップの壺をつく方法を手に入れたのかなぁ、なんてことを漠然と考えたりしました。

それほどこのアルバム、気持ちいいんです。ゴリゴリのヘヴィーなギターに、美メロともいえるポップなメロディーライン。絶妙にベタといえばベタなのですが、それを微妙にはずすような要素も随所にちりばめられていて、アイゴンの実力をあらためて感じさせます。

ギターロック好きには文句なしにお勧め。ロックのダイナミズムとポップスの楽しさを同時に味わえる作品でした。

評価:★★★★★

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