ポップに振り切った作品
Title:Force
Musician:iLL
iLLの最新作は、完全にポップに振り切った作品。はっきりいってしまえば、かなり「ベタ」で「わかりやすい」作品が並んでいます。スーパーカーも、新しい音に挑戦しながらも、ベースにあくまでもポップスさが流れていた点が魅力的でしたが、このアルバムは、そんな「ポップスさ」の部分をより強調した作品、といったところでしょうか。
結構、各種レビューやアマゾンでの感想を見ると評価は高いみたいなのですが・・・
うーん、本作もいまひとつピンと来なかったなぁ・・・というのが正直な感想。
確かに要所要所におもしろいポイントはあって、ナカコーの実力はうかがえるんですよ。
前半のベタなギターロックながらもスペーシーにまとめあげて空間の広さを感じさせるのもおもしろいし、「Radio Radio」みたいな、ベタな80年代風テクノポップを、今風のフィルターに通しているのも楽しくてユニークだし、(一応)シークレットトラックの「Piano」みたいに、ミニマルなピアノに静かな歌をのせている曲も、クリアな音の世界がとても魅力的だし・・・。
どうしてだろう・・・と思いながら何度か聴いてみたのですが・・・。
少々頭でっかちのところがあるのかなぁ。スパカ時代はもっと無邪気に、音楽を楽しんでいた感もあったのですが。あと、スパカ時代だとミキちゃんの歌声が、ちょうどバランスよく曲の中にマッチしていて、ポップス感を出していたのかもしれないですね。
あと、スパカ時代の傑作アルバムの感激を期待しちゃうから、ちょっと物足りなく感じてしまうのかも。もっとも、スパカの頃も、「傑作だとは思うけど、手放しに絶賛するのは何か物足りない」という作品も多かったのですが(笑)。
というわけで、次回作こそ傑作を期待しています。もっとも、このアルバムもいいアルバムだとは思うので、聴いて損のないアルバムだと思います。素直に楽しめるアルバムだと思いますよ。
評価:★★★★
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コメント
あの~この作品はベタではないんですけど・・・
前作はギターロックというオーソドックスなアプローチだったから
ポップで“ベタ”な作品だったわけで
今回は様々なアプローチや要素を含んだ一般的に受け入れ難い音楽を
誰でも聴ける様にポップで分かりやすくした音楽なのでベタではないんだけど・・・
一般的なポップスと同じ感覚で語られても・・・
何がベタで新しいか分かってないでしょ?
そんでもってポップ音楽っていうものが理解出来てないよね?
分かりやすい=ベタではないよ。
はっきりいって単純に視野が狭すぎ。
一つの角度でしか判断できてないよ。
作品の感想は自由に持ったらいいけど
不特定多数が見れるブログという環境で
人の作ったモノに対して意見するなら
せめてもうちょっと調べたりして書いたら?
個人的主観・・・という前に根本的に作品の意図が分かって無さ過ぎる。
知ったかぶりも程ほどに!!
投稿: とい | 2009年10月 5日 (月) 18時04分
>といさん
はっきり言って貴方の文章は第三者の私から見ても不快です。もう少しものの言い方があるのではないでしょうか。
それと
「一般的に受け入れがたい音を聴きやすくした」
それも要するに貴方の主観ですよね。
アートワークに目がとまってこの記事を開きました。
これ、まんまピンク・フロイドですよね(笑)。
ひょっとしてあのアルバムとも似通ってる部分があるのでしょうか。だとしたら少し興味を引くのですが…。
投稿: 庭坂 | 2009年10月 5日 (月) 18時33分
↑
個人的主観ではなく本人談です。
ジャケもピンクフロイドをあえて意識してます。
http://www.bounce.com/interview/article.php/5444
人が一生懸命作った作品に対して中途半端な知識で
間違った解釈をして上から目線で語っていることには
不快に思わないのでしょうか?
それが分からないらしいのであえて
不快に思われるように書きました。
投稿: とい | 2009年10月 5日 (月) 19時33分
本人談ですか。それは失礼しました。
しかし、仮にゆういちさんが上から目線で書かれてるように思われたとしても、わざと不快に思われるように書いたところで貴方も同じようなものですがね。
そもそも音楽レビューってのは上から目線じゃなきゃどうも賞賛ばかりが目に付くようになる。
一生懸命作ったのはどのアーティストも同じでしょう。ゆういちさんもそれを認めたうえであえて評価を下しているのだと思われます。
そんなに気を使う必要なく自分が思ったことを書けばいいだけだと思いますが。
投稿: 庭坂 | 2009年10月 5日 (月) 20時53分
>といさん
「上から目線」で不快にさせたのならすいません。
ただ、私自身、このサイトは、自分がアルバムを聴いて感じたことを、そのまま書いたサイトにすぎません。
確かに私自身、そんなに深く音楽論に詳しい訳ではありませんが、あくまでも聴いて感じたことを書くのがこのサイトのポリシーだと思っています。
その点はご了承ください。
>庭坂さん
フォローありがとうございました。
>一生懸命作ったのはどのアーティストも同じでしょう。
私もそういう考えに基づいて感想を書いています。
そういう意味では、どんなミュージシャンにも、自分にない才能を持っているという意味では一定の敬意をはらって感想を書いているのですが・・・。
もうちょっと文章を書くのも精進しなくてはいけませんね。どうもすいません。
投稿: ゆういち | 2009年10月 5日 (月) 21時19分
はじめまして(^^)
自分は、音楽にしろ映画にしろ自分が体感したものを他人がどう感じたのか興味があるからレビューを読むのが好きなんですが。なので本人のありのままの感想なり考察を文章化してもらうのが一番助かるんですよ。それが大前提で「全然分かってないな~」とか「全く同感だ」とかはその次の事です。別に正しい解釈(?)を求めてレビューを読んでるわけじゃないですからね。
今回の「Force」評、いい意味で空気を読んでないレビューだな~と思いました。あえてケチをつけるような作品じゃないけど、もどかしさは残るんでしょうね。
それと論旨とはズレますがCDなんて聴く環境によって極端に印象が変わるものだから個人的主観になるのも仕方ないと思います。
投稿: 味山 | 2009年10月 7日 (水) 00時06分
>味山さん
はじめまして~。書き込みありがとうございます。
>いい意味で空気を読んでないレビューだな~と思いました。あえてケチをつけるような作品じゃないけど、もどかしさは残るんでしょうね。
どうもありがとうございます。そうなんですよ。ケチつけるつもりはないけど、何度聴いても、どうもピンと来ない部分があって・・・(^^;;
やはりあくまでも個人の感想サイトである以上、思ったままを書いていきたいなぁ、と思います。
結果、内容が的外れの時もご容赦を・・・m(_ _)m
どうもフォローありがとうございました。
投稿: ゆういち | 2009年10月 7日 (水) 00時56分
ぼくは単純にゆういちさんのレビュー結構好きですよw
僕はナカコーの声がすごく好きなので聞いていて気持ちいんですけど、確かにiLLはなんか物足りなさというか、何回も聞く気にならないんですよね。。。
スーパーカーとの違いといえばミキちゃん歌声もそうですけど、個人的にはいしわたり淳治の洗練しきれてないけどなんか味わいのある詩の存在が結構大きいです。
彼のヘタうま(?)なギターも好きでした(笑)
投稿: ちゃめ | 2009年10月13日 (火) 14時40分
>ちゃめさん
どうもありがとうございます~。そう言っていただけると、すごくうれしいです!
そうなんですよね・・・なんか物足りなさを感じちゃうんですよね。
>詩の存在
ああ、確かにそれもあるかも。そう考えると、スーパーカーって、絶妙なバランスで成り立っていた素晴らしいバンドだったんだなぁ~。
投稿: ゆういち | 2009年10月14日 (水) 00時16分