ウォール街を襲撃する時にふさわしい曲
Title:Street Sweeper Social Club
Musican:Street Sweeper Social Club
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが、ザ・クープのブーツ・ライリーと結成した新バンド、Street Sweeper Social Club。この作品は、そのデビューアルバムです。
ヘヴィーでファンキーなギターリフに、ラップが載るというスタイルは、レイジとほぼ同様。ボーカルのブーツ・ライリーが黒人なこともあって、ブラックミュージックの匂いはより感じるものの、レイジのスタイルを踏襲しているように感じました。
ただ、そんな中で気になったのが、ボーカルの弱さ。私たちみたいに歌詞の内容がわからない人が聴いても、ザック・デ・ラ・ロッチャのボーカルは怒りのエネルギーを感じ、心に響くものがありました。しかし、残念ながらブーツ・ライリーのボーカルには、そのような怒りのパワーをあまり感じられません。もっとも、ザックみたいに怒りのエネルギーを前面には押し出さない、というのがひょっとしたら彼らの意図なのかもしれませんが・・・。
また、全体的にミディアムテンポのナンバーが多かったのも特徴的でした。
このアルバムに関してトム・モレロは「失業者がウォール街を襲撃する時にipodで聞くにふさわしい曲」とコメントしているそうです。そういうコメントからすると、リスナーを煽るような作風を想像するかもしれません。しかし、実際はその逆でした。
このコメントは純粋に歌詞の内容についてコメントしたのかもしれません。ただ、このアルバムを聴いて、失業者がウォール街を襲撃したとすると、それは、誰かに煽られて襲撃したわけではなく、自らの意思で、強烈な怒りを胸に襲撃した、ということ。本当にそうなった場合は、金儲け資本主義の世の中が、本当に変わるのかも・・・そんなことも考えてしまいました・・・考えすぎかな?
アルバムとしては、悪いアルバムではないのですが、正直、ちょっと地味だったかも。トム・モレロのギターについては文句なしだったのですが・・・全体的にパワーが弱かった感が否めませんでした。やはりレイジを本格的に復活、と思ってしまうなぁ・・・。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
YEAR OF THE GENTLEMAN/Ne-Yo
1曲目「Closer」は、テンポのよい爽やかなチューン。一時期、ラジオでも流れまくっていたのでおなじみですね。他も、メロウで爽やかなR&Bチューンが続き、日本でも十分ヒットしそうなポップなナンバーの連続。素直に聴いていて気持ちいい作品でした。
評価:★★★★
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