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2009年10月16日 (金)

斉藤和義、復活!

Title:月が昇れば
Musician:斉藤和義

月が昇れば

斉藤和義は、ここ数作、どうもいまひとつピンと来ないアルバムが続いていました。正直、もう終わっちゃったのかなぁ、なんてことすら考えてもいたのですが(失礼!)、2年のインターバルを置いてリリースされたニューアルバム、斉藤和義完全復活!とも言える、久々の傑作に仕上がっていました。

特に前半は飛ばしまくっています。

アップテンポで陽気なロックナンバー「COME ON!」からスタート。彼らしい表現でありふれた表題のテーマを歌う「LOVE&PEACE」と、アップテンポなナンバーの連続で、リスナーをグイグイひきつけてきます。

その後も、テクノ風の打ち込みサウンドやミニマルなピアノを取り入れたユニークな「後悔シャッフル」、CMソングとしてすっかりおなじみの「やぁ 無情」、わがままな女性に怒りをぶつける歌詞がユニークな「Bitch!」など、様々な作風に、ユーモアセンスたくさんの楽曲の連続に、リスナーを全く飽きさせません。

今回のアルバムで、なんといっても聴かせどころは「Phoenix」でしょう。忌野清志郎に捧げたこのナンバーは、分厚いサウンドに哀愁たっぷりのメロディーが印象的なナンバーなのですが、なんといっても歌詞が印象に残ります。

「いつかきっとまた会える 目を閉じれば夢の中で
そうさまるで不死鳥フェニックス どこまでも飛ぶ火の鳥」

(「Phoenix」より 作詞 斉藤和義)

・・・清志郎のことをそう語るこの作品は、清志郎への愛情がいっぱいつまった歌詞が続きます。最後の最後、「国立の空」で締めくくるこの曲は、聴く者の涙すら誘います。

そんな聴かせどころたっぷりのこのアルバム。また、もうひとつ感じたのですが、どれか1つの曲がずば抜けている・・・ということのないアルバムだなぁ、ということでした。

逆に言えば、どの曲もそれぞれが個性を持って、アルバムを支えているんですよね。捨て曲がないというか、どの曲を除いてもこのアルバムは成り立たないというか、そんなことを感じるアルバムでした。

ここ最近、いまひとつ勢いに乏しかったせっちゃんですが、間違いなくこの作品で完全に勢いを取り戻しましたね。これからがますます楽しみになってくる傑作でした。

評価:★★★★★

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