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2009年10月27日 (火)

「歌謡ロック」は魅力的だが。

Title:CARNIVAL
Musician:椿屋四重奏

CARNIVAL

椿屋四重奏って、このアルバムもそうなんですが、アルバムを聴いている最中は、その魅力的なメロディーを楽しめるのですが、聴き終わった後の印象が薄いんですよね・・・。

メロディーにしても、歌詞にしても、魅力的な要素が多く、実力のあるバンドだなぁ、ということはわかります。

メロディーは、いい意味での「歌謡ロック」。Wikipediaによると、ボーカルの中田裕二は、影響の受けた歌手として、チャゲアスやら安全地帯やら、ストレートなJ-POP系のミュージシャンをあげているそうです。確かにチャゲアスや安全地帯のような、60年代フォークやその後の歌謡曲が、ロックとごっちゃになったような「歌謡ロック」テイストのメロディーが、楽曲になんともいえない哀愁を与えています。

またバンドサウンドも、基本的にストレートなギターロックながらも、「スピード」みたいに、歪んだ怪しげなギターリフを聴かせてきたり、「CRAZY ABOUT YOU」ではジャズの要素を入れてきたりと、それなりに一筋縄ではいかない要素を加えています。

一方歌詞も、どこかエロチックさを漂わせながらも、どこかピュアさを感じるラブソングなど、独特の世界観が魅力的に仕上がっています。

ただ、彼らの実力を、こうやって説明できても、いまひとつインパクトが薄いんですよね・・・

メロディーにしても歌詞にしても、ひとつリスナーの心をグッとつかむようなポイントがない、とでも言うべきでしょうか。

メロディーも「歌謡ロック」とはいえ、チャゲアスや安全地帯のように、一度聴いたら思わず口ずさんでしまうようなフレーズはありません。

歌詞にしても、抽象的な世界観がメインなだけに、軽く聴いていても思わず耳をそばだてて聴き入るようなインパクトのある歌詞がありません。

結局、そんな要素が相まって、聴いている最中はその世界を楽しむことが出来るのですが、聴き終わった後、いまひとつ印象に残らない、そんなアルバムになってしまっていました。

冒頭にも書いたとおり、実力があるバンドだとは思うんですよ。ライブとかもおもしろそうだとは思います。ただ、メロディーにしても歌詞にしてもバンドサウンドにしても、もうひとひねり欲しいというか・・・いろいろな意味で惜しいバンドだと思います。そろそろ、文句なしの傑作を聴きたいところなのですが。

評価:★★★

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