カバーは絶品。されど・・・。
Title:Interactive
Musician:SALT&SUGAR
SING LIKE TALINGの佐藤竹善と、サルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスなどで活躍していた塩谷哲によるユニット。「さとう」と「塩」なので、SALT&SUGARだそうです(笑)。
活動歴は既に10年以上なのですが、オリジナルアルバムとしては2枚目となる作品になります。先日出かけた「情熱大陸」のライブでのステージが素晴らしかったので、このアルバムも楽しみにしていました。
今回の作品は、前半3曲がオリジナル、後半7曲がカバーとなる作品になっています。
まず、後半のカバーに関しては、絶品の一言。佐藤竹善の爽快で聴かせるボーカルに、塩谷哲の軽快なピアノのリズムのからみが実に見事。時にはしんみりと聴かせ、時には楽しく歌い上げる。ジャズやクラシックの要素も加味したカバーは、原曲の雰囲気を大きく逸脱するものではありませんが、「大人によるカバー」とでもいうべきでしょうか、どの曲も上質なポップソングに仕上がっています。
個人的には特に、軽快なピアノのリズムが楽しめる「チェリー」のカバーがよかったかなぁ。原曲の持つ「楽しい」という要素が、より強まっていたカバーになっていました。
ただ一方、前半のオリジナル曲に関しては、いまひとつだったなぁ・・・。
いや、決して駄作ではないですよ。「ココロ スタート」は軽快なシティーポップ、「軌跡」は爽やかなポップチューン、どちらも魅力的な大人向けのポップチューンに仕上げています。
でも、その後に続くカバーの名曲に比べるといまひとつ。また、彼ららしい音楽性の幅広さもあまり感じられない「普通の」ポップチューンという印象をぬぐえませんでした。
彼らは2人とも、作家としても演奏家、ボーカリストとしても優れているミュージシャンばかりなのでちょっと残念。惜しいアルバムだったと思います。カバーは文句なしに絶品なんですけどね。
評価:★★★★
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