あたたかさが伝わってきます
Title:あいのわ
Musician:ハナレグミ
本当にあたたかい音楽だよなぁ、と思います、ハナレグミの曲って。
アコースティックベースのアレンジに、ポップなメロディー。ソウルやブルースなどの影響も感じる、横ノリのまったりとしたリズムもまた、心に染み入るようなやさしさを感じさせます。
決して派手じゃないけど、しっかりと心に残るメロディーを書いてくるのも、彼の実力ですよね。
あと、歌詞が妙にユニークで、そしてあたたかさを感じるんですよ。
まあ、男女の本音を、デュエット形式で綴った「・・・がしかしの女」あたりはストレートなのですが、「大安」や「あいまいにあまい愛のまにまに」なんかは、歌詞の内容というよりも、言葉の音感をユニークに利用して、ほんわかとした温かいイメージを作り出しています。ここらへんの言語感覚、独創的だなぁ~。
もっとも、彼の音楽の魅力は、温かさだけではありません。「・・・がしかしの女」や「あいまいにあまい愛のまにまに」は、本格的なリズム&ブルース風。カーティス・メイフィールドの名曲「PEOPLE GET READY」を、一部和訳して、自分なりに解釈しているカバーも見事。また、スチャダラパーのBOSEと、ヒューマンビートボックスのAFRAをゲストに迎えた「Peace Tree」では、ラップやヒューマンビートボックスのリズムを取り入れ、その音楽性を広げています。
毎回、アルバムをリリースするたびに傑作を出しつづける彼ですが、この作品についても文句なしの傑作だと思います。ただ、正直、前作「hana-uta」や、前々作「帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。」に比べると、少々インパクト不足かな?ま、もっとも贅沢な要求なのですが。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
CRYSTALISMO/orange pekoe
以前、強く感じられたスノッブ臭は比較的薄れて、素直に楽しめるようになってきた反面、よくも悪くも無難なオーガニックソウル風のポップチューンにまとまってきた感じ。ポップソングとしては、素直に聴きやすい内容だとは思うのですが、癖が薄まってしまったかな?
評価:★★★★
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