デビュー10周年。でもまだ23歳(^^;;
Title:BEST of CRYSTAL KAY
Musician:Crystal Kay
デビュー10周年を記念してリリースされたベストアルバム。でも、デビュー10年といっても、彼女の場合、デビューした歳が13歳だったので、まだ23歳です(^^;;若いなぁ~(←オヤジ的発言)。
さて、彼女の10年に及んだミュージシャンとしての活動をまとめて聴くことが出来る今回のアルバム。まず、彼女の大きな魅力として感じられるのは、その受け入れる音楽性の広さ、包容力でしょう。
一応、R&Bという枠組みで語られることの多い彼女ですが、単純にR&Bの一言で言えないのが彼女の音楽。デビュー曲「Eternal Merodies」は、菅野よう子作曲(!)による作品で、ブラックミュージックというよりは、和風の色合いが感じられるバラードナンバーになっています。
同じく「帰り道」なども和風の色合いの強いナンバーになっていますし、「涙のさきに」はロックテイストの感じられるナンバー。また、R&B風のナンバーにしても、HIP HOPを入れてきたり、歌い上げるソウルフルなナンバーだったり、シンプルなピアノバラードだったり。また「恋におちたら」のような、むしろ歌謡曲のテイストの強いナンバーもあります。
しかし、どの曲もちゃんとCrystal Kayのナンバーになっているのは、やはり彼女のボーカルの力による部分が大きいのでしょう。決して圧倒する歌唱力や、一度聴いたら忘れられない声を持っているわけではありません。シンプルながらも十分な力強さを持ち、かつ、クリアな彼女の歌声は、多くのリスナーの心を奪います。
R&Bというジャンルにこだわらず、多くの音楽ファンに聴いて欲しいベスト盤です。お気に入りのポップソングがひとつは見つかりそうな、そんな作品だと思います。
・・・・・・・
とまあ、Crystal Kayの楽曲に名曲が多いのは間違いないと思うのですが・・・。ここ最近、少々人気が下降気味な彼女。ただ、その理由も正直なところ、わかっちゃうんですよね(^^;;
確かに彼女の曲は名曲揃いなのは間違いない一方、ある種シンプルで、癖のない彼女のボーカルだからこそ、「売れる」というのを意図してか、突き抜けたような傑作がないというか、優等生的な無難な楽曲が多いのも事実。楽曲を提供する作家陣の選択がいまひとつ、なのかもしれないのですが、もうちょっと遊びや余裕みたいなものを楽曲から感じたいなぁ~なんてことも思ってしまいました。
ちなみに、初回盤には、未発表曲が収録されたレア音源集が収録。中田ヤスタカプロデュースの曲なんかも入って話題を呼んでいるのですが、中田ヤスタカプロデュースの「Step by Step」は、フツーのテクノポップ風チューンという感じでいまひとつ面白味がありません(・・・つーか、事前の情報がなければ中田ヤスタカプロデュースと気がつかないかも。彼も、プロデューサーとしては最近、いまひとつ突きぬけきれてないような・・・)。ただ、3曲目「Private Dancer」は、ビートの強いリズミカルなテクノチューンの名曲。こちらは、かなりの出来の良さでお勧めです。
評価:★★★★★
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コメント
お久しぶりです、こんばんは。
>突き抜けたような傑作がないというか、優等生的な無難な楽曲が多いのも事実
この部分非常におしゃっている事が分かります。針の振れ方が中途半端というか・・・。
アルバム単位で突き抜けた作品と、ポップスで上手い事
無難にまとめちゃった作品があるのが、非常にいちファ
ンとしては困り者というか・・・。
プレミアムディスクは「Private Dancer」と4曲目の
「Helpless Night」が良かったと。「Helpless Night」はKAT-TUNの赤西君みたいなんですが、名前
は言われなければ分からないぐらいに歌が上手かった
事に驚いてしまいました。
投稿: cozey | 2009年9月27日 (日) 01時55分
>cozeyさん
そうなんですよね~。もうちょっと思い切り振り切ったアルバムや曲があってもおもしろいと思うんですけどね~。
「Private Dancer」はよかったですよね!「Helpless Night」もなかなかよかったです。
投稿: ゆういち | 2009年10月 1日 (木) 00時39分