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2009年9月 7日 (月)

アットホーム

Title:3LDK
Musician:BEGIN

3LDK

BEGINといえば沖縄。というイメージが強いですよね。

まあ、彼ら、正真正銘の沖縄県民なので当たり前なのですが・・・。そのため、いままでの彼らのアルバムでも、沖縄というイメージを前に出した曲が何曲かあったような印象を受けます。

しかし、今回のアルバムは、沖縄の印象は、特に音楽的な側面では、少々薄いように感じます。

わずかラスト「イチャリバオハナ」で沖縄民謡の要素が入っている程度でしょうか。

むしろ、今回のアルバムでかなり強く感じられたのがブルースの要素。特に前半、「愛してる」「パナマ帽をかぶって」などではかな~り渋い、ブルージーなギターを聴かせてくれています。

他にも、「パカラ」のようにギターインストの曲が入っていたり、BEGINというミュージシャンは、音楽的な要素でもかなりの本格派なんだぞ、ということをアピールしているような、ミュージシャンBEGINの実力を聴かせてくれるアルバムだったような印象を受けました。

で、アルバムタイトルは「3LDK」。

そんな本格的な音楽の要素とは一転、歌詞の世界は、BEGINらしい、アットホームな世界が繰り広げられていました。

特に、ありふれた恋人との喧嘩の模様を歌った「笑って僕を許して」は、ちょっと切ないけど、とても暖かい歌詞が心に残ります。曲の最後

「トイレから戻ると温かいコーヒーが待っていた」
(「笑って僕を許して」より作詞 上地等)

というオチは、恋人どおしの心のつながりを温かいコーヒーというアイテムで表現しているのがとても印象的です。

他にも、彼ららしい応援歌の「明日の朝には」や、ふるさと沖縄のゴザへの愛情を歌う「KOZA」など、とても温かく、そしてアットホームな雰囲気を感じる曲が、このアルバム全体を貫いています。

本格的な音楽と、逆に全く肩肘のはらない温かい歌詞が、BEGINの良さをとてもよく表現しているアルバムだと思います。聴き終わった後、「いやぁ、なんか、いいなぁ・・・」そんな言葉が自然に出てくるような1枚でした。

評価:★★★★★

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