今を輝く
Title:FLASH BEST
Musician:capsule
Perfumeでの活躍は言わずもがな。今を輝く中田ヤスタカのユニット、capsule初のベストアルバムです。
収録曲は、半分「黒歴史」扱いされている(^^;;最初期の作品は除き、CMソングともなって、capsuleを知らない方でもメロディーは聴いたことありそうな「レトロメモリー」をはさみ、前半は、ヘヴィーでテンポのよいリズムを楽しめるバキバキのインストメインのチューン。後半は、渋谷系の影響色濃い、メロディー主体のポップチューンが並ぶ構成になっています。
前半に関しては文句なし!「JUMPER」や「グライダー」といったビートの強いナンバーは、ロックリスナーでも楽しめそうな、迫力があるナンバー。知らず知らずのうちに身体が動き出してしまうような、ダンスチューンの連続です。
ただ、後半の渋谷系に影響を受けたようなナンバーは、個人的には、ちょっといただけないなぁ、と思います。つーか、完全に「なんちゃって小西康陽」なんですよね(^^;;遅れてきた渋谷系といった感じで、さほど個性も感じられません。
確かに、ポップなメロディーは十分にインパクトがあって、楽しめるナンバーばかり。そういう意味では、中田ヤスタカの実力は感じさせます(まあ、私自身も、だからこそ、「いまひとつ・・・」と思いながらも、アルバム毎にチェックはしてきたわけで・・・)。しかし、ここ最近のナンバーに比べたら、物足りなさは否めません。
で、今回のベスト盤を聴いて感じたのは、中田ヤスタカの魅力は、そのメロディーセンスなんだなぁ、ということでした。
これは、いつの時期の楽曲を通じても同じなのですが、彼の楽曲はとてもメロディアス。しっかりとリスナーの壺についてくるような曲を書いてきます。インストのテクノ系ナンバーにしても、そのリズムの裏には、しっかりとしたポップなメロディーが流れています。
一方で、彼って、決して時代の先端を行くような、斬新な音を出している、とも思わないんですよね。
だからこそ、なんちゃって渋谷系の作品に関しては、「音」で勝負できる小西康陽とかと比べちゃうと、少々物足りなさも感じるなかなぁ・・・。
ともかく、そこらへんを差し引いても、capsuleの入門編としてはしっかりと魅力を伝えられるベスト盤だったと思います。少々旬は過ぎてしまったかな?でも、今を輝く中田ヤスタカの魅力を知るには十分の1枚でしょう。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント