そっと背中を押してくれるような
Title:FIRST
Musician:トータス松本
いままで、カバーアルバムとしてはソロアルバムをリリースしていましたが、オリジナルとしては初となる、トータス松本のソロアルバムです。
楽曲の方向性としては、基本的にはウルフルズと同じく、ソウルをベースとしたポップス。ただ、よりロック色やファンク色が強く、バンドサウンドで盛り上がったウルフルズと比べると、ロックやファンク色は薄め。アコースティックなポップ色の強い音楽を聴かせてくれます。
そして、特にこのアルバムで感じたのは、歌詞の暖かさでした。
今回のアルバム、主に歌われている内容はふたつ。ひとつはラブソング。そしてもうひとつが、人生の応援歌でした。
ただ、人生の応援歌といっても、ただ単純に「頑張れ」を繰りかえすような内容ではありません。「どこかで愛が待っている」と歌う「エビデイ」にしても、「うつむかないで」とはげます「いつもの笑顔で」にしても、そっと背中を押してくれるような、優しさを感じる応援歌になっています。
特に特徴的なのが、彼が応援歌を届けている相手が、日々の生活に疲れたり、失敗してしまったりした人たちということ。どこか「弱者」に厳しいここ最近の風潮の中、彼の歌声はそんな人たちの心にしっかりと届くのではないでしょうか?
正直、全16曲というのはちょっとボリューム過多な部分があり、中盤、少々だれてしまった部分もあります。そういう意味では、もうちょっと曲数を絞ったほうが、傑作が産まれたのでは、とも思いました。
ともかく。このいろいろと辛いニュースの多い今の世の中で、しっかりと心に響いてくる、そんなアルバムでした。・・・・・・ただ、やはりウルフルズ、復活してほしいなぁ・・・。
評価:★★★★
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