メロのセンスがもっとよければ・・・
Title:DIM
Musician:the GazettE
最近のビジュアル系って、本当に玉石混合だと思います・・・・・・って偉そうに語れるほど片っ端からは聴いていないけど(^^;;
基本的に、ハードコア、メタルメインで、シーン全体としての音楽的なバリエーションに乏しいのは大きな問題点だとは思うけど、カッコいいバンドサウンドを聴かせるバンドは、例えばDir en greyにしろムックにしろ、ビジュアル系という枠組みを超えて、注目されてもいいバンドも少なくありません。
ただその一方で、80年代のビートロックそのままの、何ら面白みのないバンドも少なくないのですが・・・。
今回、はじめてアルバムを聴いてみたthe GazettEは、そんなシーンの中では、バランスのよいバンドのように感じられました。
ハードコアをベースとしたヘヴィーなサウンドに、緩急つけたサウンド。「HEADACHE MAN」や「OGRE」など、そのバンドサウンドは、ヘヴィーでテンポのよく、素直にカッコよさを感じられる音を出しているように感じました。
一方、「IN THE MIDDLE OF CHAOS」などは、疾走感のあるメロコア風のチューン。こちらはオルタナ系の支持層にも受け入れられそうな、ポップでハードな作風になっていました。
ただ、バンドサウンドについてはカッコよかったのですが、メロディーに関しては、もうひとひねりもふたひねりも欲しかったなぁ。
メロの展開のおもしろさやインパクトよりも、雰囲気を重視したようなメロディーは、「いかにもビジュアル系っぽい」と思ってしまいました。ここらへん、正直、熱烈な固定ファン向きといった感じで、その閉鎖性が気にかかるところです。
鼻にかかったような歌い方も、なぜかビジュアル系共通なんですよね。もっと素直な歌い方をすればいいのに、と思ってしまうのですが・・・なんでだろう?
もっと広く聴かれてもいいようなサウンドを感じさせる半面、閉鎖性も同時に感じさせるようなアルバムとなっていました。ただ、比較的聴きやすい内容ではあるので、興味があれば聴いてみても損のない作品かも。もうちょっとメロディーにインパクトがあれば、もっとおもしろいバンドになると思うんだけどなぁ。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
BAND AGE/SOPHIA
90年代のビジュアル系ブームの数少ない生き残りバンドのひとつ・・・といっても、あきらかに他のビジュアル系とは一線を画していて、そのカテゴリーに入れるのは間違いかもしれませんが。
メロディーのインパクトという点でいえば、やはり上手いなぁ、と思うし、だからこそ、ブームが終わってもしっかり生き残ってきたんでしょう。ただ、ここ最近、完全にマンネリ気味。それなりのメロを書いてくるだけに、最後まで聴けてしまうけど、聴き終わった後、アルバム全体としての印象が薄いんですよね。もうちょっとがんばってほしいなぁ、とは思うのですが・・・。
評価:★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント