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2009年8月 3日 (月)

狂おしき薫り

Title:HOREHOUND
Musician:THE DEAD WEATHER

Horehound

ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトによるソロプロジェクト。ラカンターズとしての活動もあるのに・・・と思ってしまうのですが。

今回は、そのラカンターズからのメンバーも含め、ボーカルにはTHE KILLSのアリソン・モシャート、ギターにQUEENS OF THE STONE AGEのディーン・フェティータを迎え、ジャック自らはドラムスに挑戦するというバンド編成になっています。

基本的に、オールドスタイルのロックンロールといった感じで、特に冒頭「60 Feet Tall」「Hang You from the Heavens」みたいな、ゴリゴリでヘヴィーなギターリフを中心に構成されたバンドサウンドは、ロックが好きなら、鳥肌モノのカッコよさです。

それに、モシャートの高音ボーカルが絶妙にマッチ。「狂おしき薫り」というのは邦題なのですが、この無機質さすら感じるボーカルとバンドサウンドの絡みが、邦題のイメージにピッタリ来ます。

ラスト「Will There Be Enough Water?」のブルージーなギターサウンドまで、古き良きロックンロールの体現者、といった印象を受けるのですが、その一方で「I Cut Like a Buffalo」では、レゲエのリズムを入れてきたり、「Bone House」では、軽く打ち込みのリズムを入れ、テンポよくまとめてきたり、と単なる懐古趣味ではない部分もちらほら。

また、「Treat Me Like Your Mother」では、ヘヴィーなギターリフとラップを絡ませる手法は、どこかRAGE AGAINST THE MACHINEの影響も感じられるなど、古き良きロックンロールを今に甦らせる一方で、今風の解釈もきちんと加えている点、彼らの実力と個性を感じられました。

サイケ風にまとめた「3 Birds」など、どこか怪しげな不気味な雰囲気もアルバム全体に漂っていて、まさに「狂おしき」というイメージもピッタリあてはまる、独特の雰囲気も魅力的。60年代のハードロック好きから、現在のヘヴィーロックリスナーまで楽しめる、ロックのダイナミズムを体現化した、とても魅力的な作品でした。

現在、活動休止中のホワイト・ストライプスですが、ジャック・ホワイトの創作意欲は全く衰えないみたいですね。ホワイト・ストライプスとしての新譜も早く聴きたいのですが・・・そちらはいつになるのかなぁ・・・。

評価:★★★★★

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