かわいらしくて聴きやすい
Title:お国めぐり 其の二
Musician:うめ吉
純然たる俗曲師として活動するかたわら、民謡や昔の歌謡曲を三味線片手に歌ったCDを数多くリリースし、若い世代にも高い支持を受けているうめ吉・・・彼女については、ずっと以前から気になってはいたのですが、CDを聴く機会がなかなかなく、このたび、ようやくはじめて、彼女のアルバムを聴いてみました。
今回のアルバムは、タイトル通り、日本各地(+ハワイも)の民謡を歌ったアルバム。各地の民謡で、日本全国を旅する、そんなコンセプトのアルバムになっています。
澄み切ったキュートなボーカルがとてもかわいらしく、こぶしもしっかりと利かせながらも、必要以上にくどくならず、すっきりと、いい意味でポップにまとめています。
民謡というと、どうしても「おじさん、おばさんが、必要以上にこぶしを利かせて、声を張り上げて歌う」というイメージが強いのですが(笑)、そんな中、彼女のかわいらしくポップな歌い方は、ちょっと民謡のイメージがかわるような、そして、若い世代でも馴染みやすいような内容になっています。
ただ、例えばソウル・フラワー・モノノケ・サミットなどが民謡を、もっとロック風にカバーしているのと比べると、シンプルで、基のイメージもいかした仕上がりになっていて、そういう意味での新鮮味みたいなものは少々薄めかも。ただ逆に、それだけに民謡の持つ本来の「味」みたいな部分もしっかり生かせていたのかなぁ、なんてことも思いました。
本当の意味での「日本人の原点の音楽」ともいえるこれらの曲。これを機に、あらためて民謡の世界に触れるのも楽しいかもしれないですね。ポップスとして、抵抗なく聴けるアルバムでした。
評価:★★★★
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