哀愁あるメロが魅力的
Title:West Ryder Pauper Lunatic Asylum
Musician:KASABIAN
イギリス出身の5人組バンド。イギリスでは高い人気を誇り、このアルバムも、全英チャートで1位を記録するなど大ヒットとなっています。
日本でも、フジやサマソニに出演するなど、それなりに人気のバンドなんですが、個人的に、もっと日本で人気が出ていいバンドだと思うんですよね。
というのも、彼らの書くメロディーラインが、実に歌謡曲的。日本人受けしそうなメロディーを書いてくるんですよ。
基本的に、マイナーコードをメインとした、哀愁あるメロディーライン。どこかウェットで影を感じるメロディーは、いかにもイギリスのロックバンドという印象を受ける一方で、日本人受けもしそうだなぁ、と感じてしまいました。
そんなメロディーを、サイケやガレージサウンドなどで味付けした今回のアルバム。ちょっと変わったタイトルは、イギリスの精神病院の名前から取ったらしいのですが、怪しげな雰囲気が全編に漂う、癖になりそうな感じのする作品でした。
ただ、一方で、今回の作品、「VLAD THE IMPALER」のようなダンサナブルな作品もあったのですが、ビートの強い踊れるようなエレクトロ作品が減ってしまったのが残念。
また、似たタイプのマイナーコードの作品がメインだったからでしょうか、ちょっと最後の方は飽きもきてしまいました。
いや、楽曲のバリエーション、ということでいえば本作、かなりバラエティー豊富だったんですよ。
ガレージパンク風の作品や、ダンサナブルな作品、アコースティックギターで哀愁たっぷりに聴かせる「THICK AS THIEVES」や、中近東風の音を取り入れた、エキゾチックな「WEST RYDER SILVER BULLET」など、楽曲のバリエーションに関しては、以前のアルバムより増えた印象があります。
それにも関わらず、アルバム全体としては、少々物足りなさを感じるのは・・・メロディーがちょっとワンパターンなのと、アップテンポでダンサナブルな、インパクトのある作品が減ってしまったから、なのかなぁ・・・。
ただ、そこらへんを差し引いても、日本でもっと注目を集めていいバンドだと思うんですけどね。UKギターロックが好きなら、とりあえず聴いてみたいバンドだと思います。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
HERE I STAND/USHER
メロウで聴かせるメロディーに、ラップなども織り込んで・・・と、今風のR&B。王道といえば王道ですが、素直に楽しむことの出来るアルバムでした。
評価:★★★★
The Odd Couple/Gnarls Barkley
今風のクラブ系サウンドと、80年代すら彷彿させるような、ポップなメロディーライン・・・確かに、売れそうなタイプの音を出しているなぁ、とは思います。気持ちよく聴ける半面、驚きとか、新鮮さみたいなのはうすかったかも。
評価:★★★★
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