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2009年7月 3日 (金)

哀愁あるメロが魅力的

Title:West Ryder Pauper Lunatic Asylum
Musician:KASABIAN

West Ryder Pauper Lunatic Asylum

イギリス出身の5人組バンド。イギリスでは高い人気を誇り、このアルバムも、全英チャートで1位を記録するなど大ヒットとなっています。

日本でも、フジやサマソニに出演するなど、それなりに人気のバンドなんですが、個人的に、もっと日本で人気が出ていいバンドだと思うんですよね。

というのも、彼らの書くメロディーラインが、実に歌謡曲的。日本人受けしそうなメロディーを書いてくるんですよ。

基本的に、マイナーコードをメインとした、哀愁あるメロディーライン。どこかウェットで影を感じるメロディーは、いかにもイギリスのロックバンドという印象を受ける一方で、日本人受けもしそうだなぁ、と感じてしまいました。

そんなメロディーを、サイケやガレージサウンドなどで味付けした今回のアルバム。ちょっと変わったタイトルは、イギリスの精神病院の名前から取ったらしいのですが、怪しげな雰囲気が全編に漂う、癖になりそうな感じのする作品でした。

ただ、一方で、今回の作品、「VLAD THE IMPALER」のようなダンサナブルな作品もあったのですが、ビートの強い踊れるようなエレクトロ作品が減ってしまったのが残念。

また、似たタイプのマイナーコードの作品がメインだったからでしょうか、ちょっと最後の方は飽きもきてしまいました。

いや、楽曲のバリエーション、ということでいえば本作、かなりバラエティー豊富だったんですよ。

ガレージパンク風の作品や、ダンサナブルな作品、アコースティックギターで哀愁たっぷりに聴かせる「THICK AS THIEVES」や、中近東風の音を取り入れた、エキゾチックな「WEST RYDER SILVER BULLET」など、楽曲のバリエーションに関しては、以前のアルバムより増えた印象があります。

それにも関わらず、アルバム全体としては、少々物足りなさを感じるのは・・・メロディーがちょっとワンパターンなのと、アップテンポでダンサナブルな、インパクトのある作品が減ってしまったから、なのかなぁ・・・。

ただ、そこらへんを差し引いても、日本でもっと注目を集めていいバンドだと思うんですけどね。UKギターロックが好きなら、とりあえず聴いてみたいバンドだと思います。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

HERE I STAND/USHER

Here I Stand

メロウで聴かせるメロディーに、ラップなども織り込んで・・・と、今風のR&B。王道といえば王道ですが、素直に楽しむことの出来るアルバムでした。

評価:★★★★

The Odd Couple/Gnarls Barkley

今風のクラブ系サウンドと、80年代すら彷彿させるような、ポップなメロディーライン・・・確かに、売れそうなタイプの音を出しているなぁ、とは思います。気持ちよく聴ける半面、驚きとか、新鮮さみたいなのはうすかったかも。

評価:★★★★

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