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2009年7月12日 (日)

椎名林檎らしさが満開!

Title:三文ゴシップ
Musician:椎名林檎

三文ゴシップ

ついに、待望の椎名林檎ソロアルバムが発売されました!

オリジナルとしては、なんと6年ぶりとなるニューアルバム。もちろん、その間も東京事変としての活動もありましたし、企画盤や未発表音源集も発売されていました。

しかし、純然たるオリジナルアルバムとなった本作は、ファンにとって待ちに待った作品といえるでしょう。

そして、それに応えるかのごとく、今回の作品、実に「椎名林檎らしさ」が貫かれたアルバムとなっています。

全体的に、歌謡曲風のどこかウェットなメロディーに、ジャジーなアレンジを施した内容。堅い言葉をちりばめつつ、どこか妖しげな色っぽさを感じさせる歌詞も、待ちに待ったファンの期待に、十分応えているといっていいかもしれません。

ただ、ある意味、行くところまで行ってしまった前作「加爾基 精液 栗ノ花」と比べると、その内容は、かなりポップに仕上がっています。

アレンジも、それほど奇をてらったようなアレンジは少なく、ミュージカル風の「都合のいい身体」や、ニューオリンズジャズ風の「二人ぼっち時間」、エレクトロサウンドを導入したパンキッシュな「尖った手口」など、いずれもポップにまとめあげています。

また、歌詞も、文学的な雰囲気の歌詞は以前と同じとはいえ、狙ったような難しい表現や、インパクトある表現は少なく、彼女の作品にしては比較的平易。ま、ここらへんに関しては賛否ありそうですが・・・。

ジャンルも、以前よりロックのテイストが減って、ジャズやソウルといったブラックミュージックからの影響がより鮮明になった感があります。ここらへん、ロックは、バンドとして、東京事変で演りたい、というのがあるのかもしれません。

待ちに待ったニューアルバム・・・にも関わらず、その第1声が、Mummy-Dのラップからはじまるあたりのユーモアセンスも感じられます。東京事変としての活動を経て、いい意味で、肩の力が抜けたように感じました。

あえてちょっと気になった点をいえば、ちょっとオーバーアレンジ気味だったのでは?もうちょっと音数を絞ってもよかったような印象も受けました。

しかし、アルバム自体は、待ちに待ったファンも納得できる名盤に仕上がっていたと思います。今後は、椎名林檎としてコンスタントに活動を続けていくのか、それとも東京事変と平行するのか??どちらにしても、これからも刺激的な作品をたくさんつくってくれそう・・・これからの活動もとても楽しみです!

評価:★★★★★

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