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2009年7月11日 (土)

底に流れるメロディー

Title:Beacons Of Ancestorship
Musician:TORTOISE

Beacons Of Ancestorship

一時期、音楽誌などをにぎわせていた「シカゴ音響派」というカテゴリー。最近は、すっかり聞かれなくなってしまいましたね・・・(^^;;

その「シカゴ音響派」の第一人者として活動していたバンド、TORTOISEが、5年ぶりとなる新作をリリースしました!かなり久しぶりの作品なのですが、その実力はいまだに衰えないですね。期待通りの傑作を聴かせてくれました。

そんな久しぶりとなる彼らの新譜。CDをプレイヤーに入れて流れてくる音を聴いて、まず、とてもポップで聴きやすいなぁ、という感想を抱きました。

1曲目「HIGH CLASS SLIM CAME FLOATIN' IN」は、シンセとドラムで軽快なテンポを作り出しており、続く「PREPARE YOUR COFFIN」もテンポのよい作品。決してわかりやすいメロディーラインが目立つわけではないのですが、ポップで聴きやすい作品が続いていました。

その後も、パーカッションのリズムが心地よい「GIGANTES」など、リズムが楽しい曲が続き、中盤は、哀愁のあるメロディーが流れる「THE FALL OF SEVEN DIAMONDS PLUS ONE」「MINORS」など、どこか物悲しさを感じる曲が続きます。

エレクトロサウンドを取り入れた「DE CHELLY」などバリエーションの豊富さは相変わらずながらも、今回の作品は、以前の「シカゴ音響派」というジャンルからイメージされる難解な要素は薄く、ポップな印象を受けるアルバムに仕上がっていました。

でも、ポップとはいっても、決してベタなメロディーラインを聴かせてくれているわけではありません。なんでだろう?と思ったのですが、確かにわかりやすいメロディーはないんですよね。しかし、リズムやサウンドなどの底辺には、しっかりとメロディーが流れているんですよ。決して表に出てこないものの、よくよく聴くとしっかりと楽曲の底に流れているポップなメロディーが、このアルバムをポピュラリティーあるものとしているのではないでしょうか。

もちろん軽快なドラムスや、ギターの音もまた、そんなポピュラリティーに大きく貢献していました。このアルバム、決して難解ではありません。難しいこと抜きにそのリズムやメロディーを楽しみたい、そんな作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Third/Portishead

Third

こちらはなんか、捉えどころのない作品だなぁ・・・という印象。しっかりとしたメロディーは流れているのですが、どこか不気味な雰囲気に、ジャンルレスな独特のサウンド。癖になる人には癖になりそうなサウンド、といった感じでしょうか。

評価:★★★★

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