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2009年6月 8日 (月)

裏バンドブーム?

Title:バンドブームとかそのころロック!

バンドブームとかそのころロック!

先日まで紹介してきた「ザ・ベストテン」のコンピレーション。そんな歌謡曲全盛期が終わると、次に登場してきたのがいわゆるバンドブームでした。

ただ、私自身、「ザ・ベストテン」と同様、バンドブームに関しても、リアルタイムで聴いていたか、といわれると微妙な世代。同じ世代でも人によってはバンドブームの真っ最中に、ポップソングを聴き始めたという方もいるでしょう。私自身、かつてはまっていたLINDBERGも、広い意味で、バンドブームの最末期に出てきたバンド、という見方も出来るかもしれません。でも、「イカ天」やら「ホコ天」やらが話題になったころは、もう物心がついていたとはいえ、その手のロックバンドは、ほとんど聴いていませんでした。

そういう意味では、「ザ・ベストテン」の時と同様、あくまでも後付の知識での「感想」ということになるのですが・・・

この作品は、筋肉少女帯の大槻ケンジが選曲した、バンドブームの頃に活躍したバンドのオムニバスアルバム。

なので、「バンドブームのバンド」といっても、BOOWYやブルーハーツのように、バンドブームの中心にいたバンドは収録されず、完全にインディー系のバンドを中心としたセレクションとなっています。

バンドブームっていうと、私が音楽を聴き始めた90年代後半の頃って、どちらかというとすぎさったブームで、評価が低かったように思います。また、現在でも、バンドブームでデビューした個々のバンドの評価は高くても、バンドブームという言葉は、文脈の中で、否定的な意味合いでつかわれることが多いように感じます。

でも、バンドブームは玉石混合で、リアルタイムではつまんないバンドもたくさん出ていたんだろうなぁ、と思いつつも、このアルバムに収録されているバンドは、めちゃくちゃカッコいいバンドばかりなんですよね。バンドブームって、実は日本のロックシーンが、もっとも勢いあった時代なんじゃないのか?なんてことすら思ったりしてしまいます。

実際、バンドの音楽性のバリエーションも豊富。有頂天のようなニューウェーブ、筋肉少女帯のようなハードコア、Jitterin' JinnのようなスカパンクにLA-PPISHのようなレゲエ、FLYING KIDSようなソウル・・・その後のビーイングブームやら小室系ブーム、あるいはその後の青春パンク系のブームなんかより、よっぽど面白くて、かつ、後の世代に影響を与えているバンドがたくさん誕生しています。

どのバンドも発想も自由だし、楽曲も実にユニーク。実に個性的です。そのあまりの個性の強さゆえ、たまをはじめとして一部、誤解を受けてしまったバンドも多いのですが、そういう面も含めて、いままでのヒットシーンにはおさまりきらないミュージシャンが多かったんだなぁ、ということを感じさせます。

別にこの時代が今のシーンに比べて単純に素晴らしい・・・という安直な懐古趣味に走るつもりはありません。ただ、この過剰な個性は、ともすれば似たようなスタイルで、似たジャンルの曲が多い最近のバンドにも見習って欲しいなぁ・・・とも思います。

というか、日本に限らず、無難にまとまっているミュージシャンが最近は多すぎるような感じもしますしね。ビジュアル系ですら、この時期に比べると、メイクはかなりおとなしくなっちゃってるし。

これは完全な推測にすぎないのですが、レコードの売上が伸び悩んでいる現在、ここに登場しているような、過剰に個性的なバンドを受け入れる余裕が、今のシーンにはないってことなのかなぁ。

ともかく。

ちょっとつらつらと思うことを書き並べただけの感想になってしまったのですが。

今聴いてもユニークで、かつカッコいいバンドが多く収録されているアルバム。バンドブームの・・・というよりも、バンドブームを裏側から支えたようなバンドの名曲が収録されたコンピ。リアルタイムでファンだった方はもちろん、あの頃のバンドといえば、BOOWYやブルハしか聴いていなかったような方や、私みたいにバンドブームをリアルで経験していない方にも是非聴いて欲しい、絶好のオムニバスアルバムだと思います。

評価:★★★★★

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コメント

最近こういう形のコンピレーションアルバム多いですね。最近自分がきいた中でお勧めは「地球バラード」ですね。
なにせ収録曲がJAM(イエモン)、悲しみの果て(エレカシ)、世界を止めて(コレクターズ)、ストレンジカメレオン(pillows)、息子(奥田民生)etcであり、96年ころより邦楽を聞いてきたものとしては非常に懐かしい思い出深い曲が集まっています。
もしよければ、聞いてみていただければと思います

投稿: ポラリス | 2009年6月 9日 (火) 00時24分

>ポラリスさん
多いですね、コンピレーション。玉石混合という感じですが、新しい曲にも出会える機会が増えるのがうれしいです。
「地球バラード」、選曲がおもしろそうですね~。機会があれば、是非聴いてみたいです!

投稿: ゆういち | 2009年6月11日 (木) 00時48分

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