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2009年6月13日 (土)

ユーモアの中に、チクリと皮肉を

Title:11
Musician:スチャダラパー

11

スチャダラパーのオリジナルとしては、約2年半ぶりとなる新作。

スチャダラ、といえばポップでダンサナブルなラップが魅力的なユニット・・・という感覚でこの作品を聴くと、今回のアルバム、特に前半に関しては比較的ハードな内容。軽快でポップで・・・というイメージとはちょっと異なった印象を受けました。

後半になると、木村カエラをボーカルに迎えた、ポップでロック風のアレンジが魅力的な「Hey!Hey!Alright」や、「Good Old Future」など、ポップな作品も多いのですが、ここらへんの作品にしても、強いビートが特徴的で、決して耳障りがよくて軽快で、という訳ではありません。

また、今回のアルバム、現代社会に対する皮肉をチクリ、歌詞に含ませた作品が目立ちました。

「エコ」を唱えながらも、経済活動を推進する企業を痛烈に皮肉った「Antenna of the Empire」や、規制の中、思考停止に陥りがちな社会に警鐘を鳴らす「ベカラズ」など・・・

・・・って書くと、かなり堅そうな印象を受けるのですが、彼らはこの内容を、決して大上段から歌い上げているわけではありません。

あくまでもユーモアたっぷりの歌詞の中、強烈な毒のような社会風刺をチラリと入れる、それが彼らのやり方。これらの曲に関しても、そんなユーモラスな作風に仕上がっています。

まあ、ただユーモアたっぷりといっても、今回の作品、あくまでも比較論なのですが、スチャダラの作品としては、少々ハードな側面が出ていたかな、という印象を受けました。

もちろん、ウィットの富んだ社会風刺を繰り広げる歌詞といい、ポップなメロディーといい、彼らの魅力もしっかりつまった作品。アレンジの面でも歌詞の面でも、スチャダラパーの主張が、より前に出てきたアルバムだと思います。

評価:★★★★

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アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、ジョーと申します。
いつも楽しく拝見しています。

旧サイトの掲示板に書き込みをさせて
いただきました。

(こちらのブログへの書き込みでよろしければ、今後はこちらに書き込みますね。)

これからも、楽しい音楽レビューを楽しみにしています☆

投稿: ジョー | 2009年6月14日 (日) 14時31分

>ジョーさん
はじめまして!書き込みありがとうございます。旧サイトの掲示板にも後でレスしておきますね~。また、是非遊びに来てください!これからもよろしくお願いします!

投稿: ゆういち | 2009年6月17日 (水) 00時30分

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