ストーンズへの敬愛が伝わる
Title:NEW STONE AGE
Musician:ドン・マツオ
ズボンズのドン・マツオによる2枚目のソロアルバム。なのですが、今回は、ズボンズのメンバーもレコーディングに参加。さながら、ズボンズの新作ともいえるような作品になっています。
じゃあ、そこで、ズボンズのソロとの違いは何か、ということが問題になります。
それはやはり、ドン・マツオの個性が、より強くあらわれている、という点でしょう。
それはなにか、と問われると、間違いなく、
ストーンズへの愛情・・・ということになりそうです。
まず、タイトルからして、「NEW STONE AGE」・・・そのままですし、一番端的にあらわれたのが、その名も「Bill Wyman We Miss You」。
91年に脱退した、ストーンズのオリジナルメンバー、ビル・ワイマンへの愛情を、ポエトリーリーディングという形で淡々と綴った作品をつくりあげています。
他も、全体的に、ストーンズ風といったらいいでしょうか、ブルージーな雰囲気のロックンロールが多く収録されています。また、Muddy Watersの「Mannish Boy」のカバーに挑戦するなど、こちらは完全にブルース。さらにこのカバーもストーンズによるカバーもおなじみのナンバーなだけに、選曲にもストーンズへの愛情を感じられます。
一方、「Chibi No Sad Boy」では、カントリー風のサウンドを入れたり、インプロビゼーション風のアレンジを入れてみたりと、こちらも60年代後半のロックへの愛情を感じさせるナンバーになっています。
まさにストーンズを筆頭とする、60年代の、古き良きロックの時代への敬愛が、色濃く感じられるアルバムでした。
その分、ズボンズらしいファンキーな要素はちょっと薄いのですが、申し分ないロックンロールのグルーヴを奏でているバンドサウンドが実に魅力的。ブルージーなギターが、絶妙な哀愁を漂わせ、渋みのあるロックンロールナンバーを聴かせてくれています。
ドン・マツオのやりたいことを存分に自由にやっているだけあって、文句なしの傑作。ズボンズのファンのみならず、ロックンロールが好きなら、絶対に楽しめる内容になっています。お勧めです。
評価:★★★★★
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