バラエティー富んだ作風
Title:CHRONICLE
Musician:フジファブリック
ついに、このアルバムで初のベスト10ヒットを記録したフジファブリック。
いつも1つのアルバムに、様々なタイプの楽曲を聴かせ、バラエティーに富んだ作風が魅力的なのですが、このアルバムに関しても、次から次へと繰り出される楽曲の数々に、彼らの持つ引き出しの多さを実感させられます。
基本的に、ギターロックがメインなのですが、テクノポップ風の「Sugar!!」、ハードロック風のギターリフが全開する「Monster」、フィードバックノイズをたっぷり聴かせる「Anthem」、ピアノバラードの「ないものねだり」など、次から次へと新しい作風の楽曲が展開してゆき、リスナーを飽きさせません。
もちろん、メロディーもポップでメロディアス。アレンジふくめて、とても楽しい雰囲気の楽曲が、多くのリスナーを惹きつける要因でしょう。
ただ・・・これは前作でも感じたのですが、今回の作品も、少々、このアレンジのバリエーションのユニークさに、頼りすぎているアルバム構成なのが気になりました。
というのは、アレンジのユニークさに比べると、メロディーのインパクト不足がやや気にかかるんですよね。アレンジの方に耳がとられて、いまひとつ、メロディーが後に残りませんでした。
また、歌詞も、別れた彼女への、ちょっと情けなくも素直な心境を描いた「同じ月」や、好きな相手への妄想全開、エロティックな歌詞の「Merry-Go-Round」のような、等身大の野郎の本音を描いた歌詞が魅力的ではあるのですが、こちらも、少々インパクト不足。もうちょっとドラマ性があったり、ドキッとするような言葉が出てこればおもしろいと思うのですが・・・。
実力はあるバンドだと思います。ポップな内容は、広い層に薦められるアルバムだと思います。ただ、そろそろ次のレベルに進んでほしいなぁ、と思ってしまいました。実力があると思うだけに、なおさら・・・。
評価:★★★★
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