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2009年5月11日 (月)

少年と少女の物語

Title:Hymn To The Immortal Wind
Musician:MONO

Hymn To The Immortal Wind

どこか物悲しいジャケット写真も印象的な今回の作品は、「不死の風への賛歌」(Hymn To The Immortal Wind)という、本作のために書き下ろされた物語に基づく、コンセプチュアルな作品。ひとりの少年と少女の生と死、魂の永遠性をめぐる作品で、ブックレットにその作品が掲載されています。

今回は、その世界観を表現するためにオーケストラサウンドを導入しており、いつもの作品以上に荘厳で、そして雄大な作風に表現されています。

また、美しいストリングスやピアノの音色が奏でられる一方、楽曲全体としては、どこか物悲しさが表現されており、どこまでも美しい雰囲気がアルバム全体を支配しています。幻想的かつ神秘的なこの雰囲気は、独特の世界を作り出しており、リスナーをその世界に引きずり込ませる魅力を漂わせています。

ただ、その一方で、どこか限界も感じさせる作品だったのも事実で・・・

ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、ただ音数を増やして盛り上げていこう、というパターンがアルバム全体に散見され、ちょっとワンパターンだったかな、ということも感じました。

また、このタイプのサウンドも今となっては決して珍しいわけではなく、新鮮味という意味では、いまひとつ物足りなさを感じられたのも事実。

いいアルバムだと思います。ただ一方で、彼らの限界・・・というよりも、既にこのジャンルって、やりつくされて、パターンが出尽くしちゃったのかなぁ・・・なんてことも感じてしまった作品でした。

評価:★★★★

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