少年と少女の物語
Title:Hymn To The Immortal Wind
Musician:MONO
どこか物悲しいジャケット写真も印象的な今回の作品は、「不死の風への賛歌」(Hymn To The Immortal Wind)という、本作のために書き下ろされた物語に基づく、コンセプチュアルな作品。ひとりの少年と少女の生と死、魂の永遠性をめぐる作品で、ブックレットにその作品が掲載されています。
今回は、その世界観を表現するためにオーケストラサウンドを導入しており、いつもの作品以上に荘厳で、そして雄大な作風に表現されています。
また、美しいストリングスやピアノの音色が奏でられる一方、楽曲全体としては、どこか物悲しさが表現されており、どこまでも美しい雰囲気がアルバム全体を支配しています。幻想的かつ神秘的なこの雰囲気は、独特の世界を作り出しており、リスナーをその世界に引きずり込ませる魅力を漂わせています。
ただ、その一方で、どこか限界も感じさせる作品だったのも事実で・・・
ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、ただ音数を増やして盛り上げていこう、というパターンがアルバム全体に散見され、ちょっとワンパターンだったかな、ということも感じました。
また、このタイプのサウンドも今となっては決して珍しいわけではなく、新鮮味という意味では、いまひとつ物足りなさを感じられたのも事実。
いいアルバムだと思います。ただ一方で、彼らの限界・・・というよりも、既にこのジャンルって、やりつくされて、パターンが出尽くしちゃったのかなぁ・・・なんてことも感じてしまった作品でした。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント