漫画のイメージにもピッタリ
Title:魔界遊戯~for the movie~
Musician:デトロイト・メタル・シティ
ちょっと「いまさら」の感はありますが・・・。
いまだに高い人気を誇る漫画「デトロイト・メタル・シティ」。昨年8月には実写映画化され、漫画の中でも登場するデトロイト・メタル・シティの「歌詞」に、実際のメロディーがつき、「デトロイト・メタル・シティ」名義でリリースされました。
シングル単位では聴いていたのですが、このたび、いまさらながらアルバムの方も聴いてみました。
いやはや、これはまた、よく出来ているなぁ~(笑)。
私自身、メタルはあまり聴かないし、デスメタルは全く聴きません。各種レビューサイトなどで、「これは決してデスメタルではない」という評をよく見かけていたので、このアルバムを聴くにあたって、You Tubeなどでデスメタルを聴いてみたのですが、確かに、本当のデスメタルと比べると、このアルバムの楽曲はあまりにポップすぎます(笑)。
ただ、もっとも、この漫画及び映画が意図する支持層は、コアなデスメタル愛好家ではありません。メタルを普段聴かない層にとっては、ちょうど「デスメタル」と聴いてイメージするような、かつ、普通にすんなり受け入れられるような、このアルバムで聴けるような「メタル風」の楽曲は、ほどよいバランスが取れている楽曲と言えるかもしれません。
もっとも、後半の楽曲に関しては、いわゆるデス声を強調した作風も多く、メタルを普段聴かないようなリスナー層にとっては、かなりヘヴィーな印象を受ける曲も多いのも事実。正直、「なんちゃってメタル」とはいえ、メタルに関して忌避感がある人にとっては、ちょっと厳しい内容かもしれません。
しかし、漫画で登場する歌詞の内容をそのまま曲にしちゃったこのアルバム。原作がもともとギャグマンガなだけに、このアルバムも、かなり笑えるような部分もチラホラ見受けられる内容になっています。
特に笑えるのは「メス豚交響曲」。テンポのよい、4つ打ちの打ち込みサウンドを入れてきた楽曲なのですが、テンポよく
「下半身さえあればいい」
という、漫画そのままのフレーズが繰り返されるシュールで、かつかなり笑える楽曲に仕上がっています。
確かに、映画のための企画盤であり、決して正統派のメタルではありませんが、漫画及び映画のイメージにピッタリくるような作品だったのは間違いないと思います。
ま、これが最初で最後だとは思うのですが、かなり楽しめた作品でした。前提として、漫画を読んでいる必要があると思うのですが・・・漫画のファンなら、チェックしてみて間違いない作品かと思います。
評価:★★★★
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