メタル+ポップ
Title:球体
Musician:ムック
いままでの作品の中で、一番軽く、ポップに感じられた作品・・・かも。
なんて言っているのとは矛盾するかもしれないのですが、一方で、メタルテイストも強く感じられた作品。「咆哮」といい、いかにもメタルっぽい、早弾きのギターイントロが印象的な「レミング」といい、ハードコアテイストが印象的だったここ数作に対して、メタル路線がより強調された作風になっていました。
一方で、メロディーを主眼においたポップな楽曲も多い印象を受けました。前述の「レミング」も、メタル風のアレンジながらも、ポップなメロディーラインが特徴的でしたし、テンポのよい「オズ」のような、楽曲もあるかと思えば、物悲しいメロが印象的な「浮游」や、和風な雰囲気のメロを奏でる「hanabi」など、メロディーをしっかりと聴かせる楽曲も目立ちました。
メタル風のアレンジに、打ち込みのリズムを取り入れ、ハードコアテイストに仕上げた「ハイドアンドシーク」みたいなおもしろい曲もあったのですが・・・アルバム全体としては、ポップで聴きやすい半面、ある意味誤解をおそれずに言えば、「フツー」のビジュアル系バンドっぽい内容だったかも。
・・・という言い方をすると偏見のあるような言い方かもしれないのですが(^^;;いろいろなタイプの音楽性を取り入れた結果、全体としては少々薄味になってしまったような感じもしました。
とはいえ、メロディーをしっかり聴かせてくれて、全体的にポップにまとめたおかげで、比較的広いリスナー層も取り込める内容になっていたと思います。ただ・・・個人的にはもっとムックとしての個性がゴリゴリと出ているような作風の方がおもしろかったかも。悪いアルバムじゃないけど・・・というなんか煮え切らないような感想が残ってしまう作品でした。
評価:★★★
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