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2009年4月30日 (木)

やはりまだ・・・

Title:supercell
Musician:supercell feat.初音ミク

supercell (通常盤)

個人的には、ニコニコ動画での投稿だとか、同人音楽とか、従来のスタイルとは違う、「素人」がネットとか「おたく文化」の中から音楽を生み出してくる流れに対して、楽曲の良し悪し、好みの問題は別として、とても興味を持っています。こういう「新しい文化」から、いままでにないタイプの音楽って生まれてくると思うんですよね。

で、またネット上で話題の「初音ミク」をつかったアルバムがヒットを飛ばしたので聴いてみたわけです。

それでこのアルバムに対するamazonなどでの評価で、「歌詞が平凡で・・・」というのがあるのですが・・・

歌詞が平凡かどうか以前に、歌詞が聞き取れません(苦笑)。

初音ミクのボーカルが、あまりに人工ボイス風そのまんまで、歌が聞き取りにくいんですけど・・・(^^;;

この「初音ミク」というソフト自体は触ったことないので、詳しい構造とかわからないのですが、ここらへんはわざと「人工っぽい」エフェクトにしているんでしょうか?

ただ、以前に聴いたlivetuneは、どちらかというとテクノ系のアレンジがメインで、「楽器の一部」としてボーカルを使っていた印象があったのに対して、こちらは、完全に歌メインで、メインボーカルとして初音ミクを使っています。

そうすると、完全に感情の欠落した人工ボイスを、アルバム1枚聴くのって、ちょっと辛いんですよね。「初音ミク」という技術や、それをめぐる動きに、最初から「好意」を持っているリスナー層ならともかく、それ以外のリスナー層が受け入れるのは、少々厳しい部分があるのではないでしょうか。

楽曲の方は、少々オーバーエフェクト気味なのが気にかかるものの、しっかりとしたアレンジで、骨格のあるサウンドとメロディーを聴かせてくれます。

ある意味「王道」ともいえるスタイルで、イメージとしては、「プロの作曲家が楽曲を提供した、アイドルが歌う一昔前のアニメソング」ってイメージかな。いや、悪い意味じゃなくて、素直に良く出来ている曲だな、という印象を受けます。

ただ一方で、せっかく「同人音楽」やら「ネット発」やら、既存のレコード会社などのシステムにまったくとらわれないミュージシャンなのに、斬新さみたいなのに乏しく、むしろ、既存の「王道」的な楽曲づくりをしているのは、ちょっと残念な感じがしました。

少々厳しい言い方をしてしまうと、よく出来た楽曲だとは思うけど、「初音ミク」という枠組みをはずしたら、「よくあるポップソング」の域を出ないなぁ、という印象。また「初音ミク」にしても、歌メインにしてしまうと、まだまだ厳しい部分があるなぁ、という感想も抱いてしまいました。

いわゆる「名作」ではないけど、今後のポピュラー音楽史的に「意味のある作品」になる可能性のある1枚だと思います。今後、もっともっとおもしろいアルバムが、このシーンからあらわれるのを期待したいところです。

評価:★★★

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