ジャズの要素も見え隠れ
Title:TOUCH
Musician:土岐麻子
「見え隠れ」って、3曲目はビル・エヴァンスのあまりにも有名なジャズナンバーのカバーなだけに、全然隠れていないんですけどね(笑)。
ただ、「Waltz For Debby」のカバーは、コマーシャルソングとしても流れていただけに、新作は、かなりジャズテイストの強いナンバーになるのかな?と思っていたのですが、ジャズ、というよりもシティーポップという色合いの強い作品になっていました。
「SUPERSTAR」や「smilin'」など、特にシティーポップという雰囲気の強い作品。一方で、「FOOLS FALL IN LOVE」ではキリンジの堀込泰行を迎え、昔のテクノポップ風味なユニークなアレンジを加えつつ、キリンジっぽい雰囲気もかもしつつ、堀込とのデゥオで聴かせるポップソングに仕上げています。
一方、「Waltz For Debby」はいわずもがな、「How Beautiful」でもちょっとジャジーなピアノを加えるなど、ジャズの要素も随所に感じられます。ただ、ジャズの要素はあくまでもちょっとした隠し味程度。アルバム全体としてはさわやかなポップアルバムに仕上がっていました。
基本的に前作も、シティーポップにジャズの要素を加えた路線だったし、土岐麻子としてのスタイルをほぼ確立したかな?という印象を受けました。決して派手ではないものの、しっかりと心に響くポップの佳作といったところでしょうか。大人のポップを聴きたい方にはお勧めです。
評価:★★★★★
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