新しいビジネスモデルなのか?
Title:NINJA 2009 Tour Sampler
Musician:JANE'S ADDICTION,NINE INCH NAILS,STREET SWEEPER
先日のコラムでも紹介した、フリーダウンロードのアルバム。3ミュージシャンによるライブツアーに先駆けてリリースされたオムニバスアルバムで、NINE INCH NAILSの2曲は新曲。さらにSTREET SWEEPERは、あのRAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロの新バンドということでも大きな話題となっています。
私は、このサンプラーのフリーダウンロードから、以前、ネット上で大きな話題となった、↓の記事を思い出しました。
大手レコード会社はいずれ降伏する, しかし2011年までは悪あがきする
この中で、今後、CDなどの音源については「彼らレコード会社は、これからは録音された音楽が、マーケティングの素材や契機にすぎないことも理解している。」と指摘し、将来的なビジネスモデルは「すべてのアーチストが音楽に関する‘360契約’を結び、レコード会社は、アーチストのすべての収益源…ファンサイト、コンサート、さまざまな商品、広告出演、などなど…からマージンを得ることになる。」と指摘しています。
この考え方については賛否もあるでしょう。ファンサイトやグッズなどの収益が、音楽業界のビジネスモデルの主軸になるのが、はたして「音楽業界」として健全なスタイルなのかは疑問もあるかと思いますし、また、実際、将来のビジネスモデルがこの指摘の通りとなるかは、現段階で不確実です。
ただ、今回のフリーダウンロードは、いわば、「NINJA Tour」に対する宣伝。つまり、NINの新曲2曲は、「マーケティングの素材」として私たちに提供されたことになります。
そうなると、今回のフリーダウンロードは、上記のコラムで指摘された、ミュージシャンの新曲が、ツアーだったり、ファンサイトへの勧誘だったりの、「宣伝材料」となるとするビジネスモデルを具現化してしまっているのかなぁ、なんてことを思ってしまいました。
さて、そのフリーダウンロードのサンプラー。NINE INCH NAILSの曲については、比較的、ストレートなヘヴィーロック。決して小難しくなく、メロディアスでポップな楽曲になっていて、聴きやすい内容になっています。
STREET SWEEPERについても、比較的シンプルなミクスチャーロック。歌詞も知りたいところで、英語がわからない身がもどかしいのですが(笑)、ヘヴィーなギターリフと、歌詞をしっかりと聴かせようとするラップのからみが、決して新しいスタイルではないものの、リスナーの耳にしっかりとメッセージが届く、聴かせるラップメタルの曲になっています。
JANE'S ADDICTIONは・・・今回、はじめてその音源を聴いたのですが、シンプルなハードロックナンバー。ストレートなロックといった感じで、難しいこと抜きに楽しめそうな印象を受けました。
6曲ということで、ボリュームはあっという間なのですが、中身は充実の1枚。また、こういうスタイルに、将来的な新曲提供のビジネスモデルを感じました。まだダウンロードできるみたいなので、みなさん、是非一度、ダウンロードして聴いてみてください。
ダウンロードサイトは↓
http://www.ninja2009.com/
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2009年」カテゴリの記事
- 今の時代の音(2009.12.11)
- ジャズとロックの狭間で??(2009.12.08)
- 衝撃、走る!(2009.11.28)
- あのWARPのミュージシャンなれど(2009.11.23)
- 偉大なるエンターテイナー(2009.11.19)
コメント