間違いなく「好みのタイプ」なのですが・・・。
Title:風味堂4
Musician:風味堂
思いっきりポップなメロディーラインと、ピアノのアレンジ・・・。
個人的にはかなり壺な曲、のはずなんですけどね。KANしかり、Billy Joelしかり。
実際に、今回収録されている曲は、1曲1曲取れば、いい曲が並んでいますし、かつ、バラエティーがあります。
アップテンポのさわやかなポップチューン「Hey,Boys and Girls!」「世界一甘いキスを交わしたら」とリスナーをひきつけますし、ジャズ風の「禁煙宣言」は、ギミックの効いたユニークな歌詞が楽しめます。
ムード歌謡曲風の「昼下がりのBallerine」にカントリーな「退屈な日曜日」。そして、「Bye Bye Goodbye」などは完全にBilly Joelを意識したように感じられますし、テクノポップ風の「未確認飛行物体な少女」あたりはPerfumeすら意識したのでしょうか?
とにかく最初から最後まで様々な曲を織り交ぜ、懐の深さを感じさせるのですが・・・
しかし、どーもいまひとつ、聴いた後の印象が薄いんですよね。
あまりにもいろいろなタイプの曲を詰め込んだ結果、アルバム全体がバラバラ・・・といいたいところなのですが、冒頭のポップなピアノチューンという一本の柱が通っていて、それなりの「統一感」があります。
で、この後に残らなさはなんだろうなぁ・・・と思ったのですが、おそらく彼らには、ともすれば「好き嫌い」がわかれそうな「癖」が足りないんじゃないかなぁ、という結論に達しました。
昨日のBUCK-TICKのレビューでも同じような表現をつかったのですが、ある意味、BUCK-TICKのような、一度聴けば誰でも彼らだとわかるような、ともすれば嫌いな人には受け付けないような「癖」を持っていたほうが、インパクトがあって、逆に高い支持を得られたりするんですよね。
要するに彼らの曲って、ほどよくきれいにまとまりすぎていて、よく出来ているけど、それ以上ではない、という感じになってしまっているんですよね。
ある意味、変な癖がないほうがいい、CMソングなどにはピッタリなのかもしれないのですが・・・やはりもうひとひねりほしいところなんですよね。
冒頭に書いたとおり、基本的に「好みのタイプの音を出すバンド」なだけに、もっとがんばってほしいところなのですが。このまま消えていきそうでもあるんだよなぁ、彼らは(苦笑)。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント