ジョイントアルバム・・・なんだよなぁ?
Title:the CHEMISTRY joint album
Musician:CHEMISTRY
CHEMISTRYって、テレビ番組から産まれた企画モノ的ユニット、というイメージが強いですよね。でも、そういう「企画モノ」出身の割りには(出身だからこそ?)、以前から、数多くのミュージシャンたちと積極的にコラボレーションを行っていた印象があります。デビューアルバムでもDABOとコラボレートしていましたしね。
そして、このアルバムは、そんな他のミュージシャンとのコラボレーションや、他のミュージシャンたちのカバーを収録した、企画盤。
こういう、いろいろなミュージシャンたちのコラボレーションって、とても素晴らしいことだと思います。
特に、他のジャンルとのミュージシャンとのコラボは、自身の音楽性をさらに広めますし、なにより、新たな音楽同士の融合は、全く新たな音楽を生み出す可能性もあるわけです。
しかし、少々辛口で言わせてもらうと、このアルバム、そんなコラボレーションの妙が、いまひとつ発揮されていなかったような印象を受けました。
特に前半。1曲目は布袋寅泰とのコラボによる「SUPERSTAR」・・・・なのですが、打ち込みがメインのサウンドになっていて、布袋のギターがあまり生かされていませんでした。
また、ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロと、バイオリニスト宮本笑里とのコラボ「ALIVE」にしても、打ち込みメインのアレンジが目立ってしまい、肝心のウクレレとバイオリンが脇にひっこんでしまっていました。
その他の楽曲にしても・・・あらためて聴くとどうも、CHEMISTRYのボーカルって、他の人の個性を塗りつぶしてしまうような面があるんですよね。一本調子に歌い上げる歌い方のため、曲の雰囲気によってボーカルの色合いが変化せず、そのため、コラボレーションした相手の個性が、いまひとつ生かされていないような印象を受けました。
楽曲自体は決して悪くはないと思います。また、CHEMISTRYのボーカルも「一本調子」とはいえ、十分歌唱力はあり、聴いていて十分楽しめます。ただ、コラボという目的の中では、いまひとつといわざるを得ません。
CHEMISTRYのコラボなのですが、あえてCHEMISTRYを後ろにひかせたほうが、コラボとして光ったんじゃないかなぁ。試みはいいだけに、ちょっと残念な印象を受ける作品でした。
評価:★★★
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