でしゃばりすぎず、引っ込みすぎず
Title:m-flo inside-WORKS BEST III-
Musician:m-flo
m-floが、他のミュージシャンたちの作品に、フューチャリングなどの形で参加したり、楽曲を提供したりした楽曲を集めた、アナザーワークベスト。「III」にはなっていますが、LISA在籍時の「ソトシゴト」もあるので、正式には、「第4弾」ということになります。
今回も、Crystal Kayや加藤ミリヤ、melody.などといった以前の作品にも参加しているミュージシャンたちや、LISAの作品も収録されている他、注目は、The Ting Tingsや、T-PAINというミュージシャンたちと組んだ作品も収録されていること。どちらも、日本盤においてのゲスト参加で、決して「世界に進出!」というわけではありませんが、海外勢とのコラボは、やはり、曲の幅も広がりおもしろいなぁ、と思ってしまいます。
そんな海外勢の参加もあって、ちょっと気になっていた「I」「II」の頃の、参加ミュージシャンが仲間内がほとんど、という閉鎖性が、比較的薄れたかな?ということを感じます。
海外勢以外にも、RYUKYUDISKOと組んだディスコチューン、Soweluと組んだデジロックチューンなど、ソウル、HIP HOPに留まらない曲調が魅力的です。
個人的には、もっとバリバリのロック勢とか、意外なポップスミュージシャンとも組んでよ、とも思うのですが・・・m-floの「顔の広さ」を、本作からは感じることが出来ました。
で、こういうベストであらためて感じるのですが・・・
彼らがいろいろなミュージシャンの楽曲に参加できるのは、彼らの「でしゃばりすぎず、引っ込みすぎず」のスタンスがちょうどいいんだなぁ、と思います。
なんというか・・・彼らが参加している曲って、決して完全な「m-flo色」に染まることはないんですよね。例えばレイハラカミなんか、どんな曲に参加しても、レイハラカミ色に染まってしまうのですが、それとは対照的といったところでしょうか(いや、その人の色に染まっちゃうというのもまた魅力なんですが)。
かといって、個性がないか、と言われるとそうではなく。特にverbalのラップなんかはちょっと聴けばすぐわかるような個性がある声をしています。プラス。適度に「今風」なサウンドを、ちょうどいい塩梅で加えてきて、かつ、しっかりとポップにしあげる・・・ここらへんのバランス感覚が、特に「あまり自分の個性を殺されたくないけど、今風のサウンドも加えたい」という、売れ筋のミュージシャンたちに受け入れられやすいのではないでしょうか。
ちなみにこのアルバム、2枚組になっていて、2枚目は、彼らの過去のヒット曲を、クラブでのDJプレイ風にまとめたDJ Mix盤。過去のヒット曲を概観できる作品。こちらは・・・本当に「ちょっとだけ」何曲も入った構成になっているので、部屋のBGM向けかな?
評価:★★★★★
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