タイトルの含蓄がまたおもしろい
Title:まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。
Musician:te'
最近、徐々に話題となっているインストロックバンドの最新作。
楽曲は、重いドラムスと、激しいギターのカッティングがメインとなっており、エモやグランジロック、シューゲイザーあたりの影響を強く感じます。
まあ、いわゆる「オルタナティヴ・ロック」と大きく括られそうなロックの要素をまとめて飲み込んだ感じのロックサウンドを奏でるバンド。そういう意味では、独自の世界観を展開する、というよりも、むしろ王道のロック路線を感じるようなバンドでした。
それだけに、この手のロックが好きな人には、すんなりと腑に落ちるサウンドだったと思います。
それでも、ギターのアルペジオが印象的な9曲目や、フィードバックノイズを全面に押し出し、特にシューゲイザー色を強く感じた10曲目、そして、激しいドラムスやギターを奏でて、一気にアルバムを終息させる12曲目など、それなりに色彩豊か。最後まで飽きることなくリスナーを楽しませてくれます。
また、やはりおもしろいのは、そのタイトルなんですよね。
えっと・・・正直、そこで奏でる「音」と、どうダイレクトに結びつくのかは、不明な曲も多いです(^^;;
でも、そのタイトルは、非常におもしろく、ウィットにとんでいて、皮肉まじりなのがとてもおもしろいんです。
例えば
「いつも好転する未来を望み、しかし時節の変化は『恐』れている。」
たしかに、この手の人は多いですよね(笑)。って自分もそうかもしれないですが(^^;;
また、
「人は他人の不幸には十分耐えられるだけの強さを『持』っている。」
なんかもすごい皮肉的(苦笑)。そして、特に
「理は公平な判断を望み、怒りは判断が公平に見える事を『望』む。」
なんかは、「ああ、そうだよなぁ、確かに」と思ってしまいました。
このタイトルは、ベースのmasaが考えているらしいのですが、彼の書く「歌詞」なんかもおもしろいかもしれないなぁ(ただ、これだけ短いフレーズだから、おもしろいのかもしれませんが)。
ともかく。
インストロックバンドということで、ちょっとなじみにくい印象を受ける方も多いかもしれませんが、オルタナ系ロックバンドが好きな方なら、すんなりと楽しめる1枚だと思います。まあ、新鮮味という意味では「インストである」以外に、その要素が薄いのが、少々マイナスポイントではあるんですけどね・・・。
評価:★★★★
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