これぞスカパラ
Title:PARADISE BLUE
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ
ベスト盤発売後、初のオリジナルとなった前作「Perfect Future」では、原点回帰をはかった彼ら。そしてそれに続くのが本作。やはり前作と同様、原点回帰を志向した作品となっており、「これぞ、スカパラ」というべき、彼ららしい王道を歩む1枚になっていました。
1曲目「Routine Melodies」は、ゆっくりのんびりした横ノリのスカチューンは、まるで準備運動のよう。その後は一気にスパーク。「Paradise Blue」「疾風の剣-Lightning Sword-」はいずれも疾走感あふれるナンバーながら、渋さを感じさせるメロディーラインに、どこか怪しげな香りが・・・。スカパラらしい、大人のダンスチューンとなっています。
その後も、彼らのサウンドが入り乱れて、狂乱ともいえる騒ぎを作り出している「Like Jazz On Fire-灼熱のジャズの如く-」に、西部劇の舞台を思い起こさせるような、しぶーいナンバー「さよならワルツ-Farewell Waltz-」、そしてジャズの要素を取り入れた「Already Stead-すでにステディ-」など、キャッチーなポップソングはありませんが、ダンサナブルで、しかし大人の渋みをあわせもったナンバーが続きます。
ラストはスティールパンの音色が美しい、のんびりテンポの「Sugar Fountain-楽園の泉にて-」で締めくくり。ラストを締めくくるチルアウトナンバーって感じでしょうか?アルバム1枚を通じて、ライブを意識しているのでしょうか、そのままライブで踊りまくりたいような曲が並んでいました。
スカパラのスタンダードともいえるスカのダンスチューンの連続に、心躍る作品でした。
しかし、王道とはいっても決してマンネリじゃないんですよね。それって、上にも書いたように、同じスカといっても、その多彩なバリエーションや、楽曲の中に確かに感じるポップなメロディーラインが、楽曲を決してマンネリにさせない大きな要因でしょうか。加えて、結成から既に20年以上が経っているにも関わらず、いまだに新人バンドのような勢いを、彼らの楽曲からは感じられるのが、決してマンネリに陥らない大きな要因でしょう。
スカパラの確かな実力と、そしてその勢いを感じられる名盤です。
評価:★★★★★
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