とっちらかし
Title:I Think We're Gonna Need A Bigger Boat
Musician:THE BPA
「THE BPAとはブライトン・ポート・オーソリティーの略。 25年前から断続的にレコーディングを続けながらも、これまで決して完成することなく、いつしかマスターテープが紛失。 関係者の記憶からも消え去っていた幻のセッションが、2007年9月、世紀の大発見と称賛された伝説のマスターテープ発見に伴い復活! 現代のマスタリング技術の進化により、奇跡的にTHE BPAの楽曲が聴けるようになったのである。 THE BPAにノーマン・クックが関わっていることは間違いないが、本人はその関係性について多くを語ろうとしていない。」
(公式サイトより)
だそうです(^^;;
ご存知、Fatboy Slimことノーマン・クックのソロプロジェクト。男女が全裸で踊りまくる、インパクトのあるPVをごらんになった方も多いのではないでしょうか?
ま、ノーマン・クックが自分のやりたいように、やりたい音楽をやりまくったアルバム。
それだけに、アルバム全編にわたって、クラブ系のダンスミュージックをベースにしながらも、実に様々な作風の曲が展開されています。
1曲目から、Iggy Popが参加して話題となった「He's Frank(Slight Return)」は、イギーの渋い歌声が響く、メロディアスなナンバー。その後も、ちょっとラテンの要素を入れた「Should I Stay Or Should I Brow」、「Electric Love」はその名の通り、エレクトロの、特にエレクトロニカの要素も感じますし、「Seattle」はかわいらしいガールズポップチューン。「Spade」は、Duffyやエイミー・ワインハウスあたりの路線を狙ったようなソウルで、しかし一転「Superman」はいまどきの丹精な男性ボーカルが印象的な、クラブ系R&Bチューン・・・と実に様々。
そしてそのどれも、本格的に何かのジャンルに挑戦したわけではなく、いわばつまみ食い(笑)。様々な音楽を食い散らかして、とっちらかしにしたまま去っていったような、そんなアルバムかもしれません。
そういう訳で、全体的に統一感もないし、アルバムの出来としても傑作・・・といえるほどの内容ではありません。ただ、素直に音楽を楽しんでいるなぁ、という楽しさを感じられるアルバムだったと思います。
これが2作3作続くとなると・・・と思ってしまうのですが、まあ、これはこれで、とても楽しい1枚でした。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
Detours/SHERYL CROW
なんというか、安定感があるよね、本当に。爽快なロック+カントリー+ポップなナンバーの連続。カントリーって、日本だとどうも受けが悪いんですが、彼女の場合、それ以上にポップな要素が強くて、すんなりと受け入れられます。素直に楽しめるポップスロックな1枚です。
評価:★★★★
SLEEP THROUGH THE STATIC/JACK JOHNSON
素直に楽しめる、といったらこっちもだよなぁ。相変わらずのサーフソングはいままでと同様。とても爽やかなメロディーが、アルバム全編にあふれています。
評価:★★★★
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