聴かせるメロディーの中に、心地よいリズムが。
Title:アロウ
Musician:the ARROWS
どうも、the ARROWSというと、「惜しいミュージシャン」って印象を受けてしまうんですよね。
メロディーラインも悪くない。ダンサナブルなリズムも心地よい。楽曲の隅々にセンスが感じられる。でも、アルバム全体で聴くといまひとつ。
そして、このアルバムも、残念ながら、とても惜しいアルバムになっていました。
インスト風のオープニングチューン「ABCD」に続く「夜明けのRhapsody」は、ボッサ調のリズムが心地よい、ポップチューン。その後も基本的にポップで聴かせるナンバーが続くのですが、その中で特徴的に感じたのは、リズムがとても心地よいなぁ、ということでした。
彼らの奏でるリズムは、テンポのよく、ダンサナブル。そのため、ダンスミュージック風な楽曲を得意としているのですが、その中でも、微妙にテンポをずらし、ちょっとファンク風なリズムや、ラテン風のリズムなどを取り入れたりしていて、それが楽曲にアクセントを与えています。
特に本作の中で特徴的だったのが「W.O.O.D.P.E.C.K.E.R」で、メロディーはミディアムテンポの聴かせるナンバーながらも、バックになっているリズムが、微妙に裏を打っていて、癖になるリズム感を奏でています。
そんな感じで、楽曲の節々にセンスを感じられるバンドなんです。バンドなんですが・・・アルバム全体で聴くと、どうもいまひとつ。
理由は・・・メロディーラインかなぁ、やっぱり(苦笑)。
悪くはないんですよ。ただ、インパクトの面でいまひとつだし、じゃあ、聴いていて後に残るような、絶妙にポップなメロディーを書いているのかというと否。結局「フツーのギターロックバンド」のレベルなんですよね。
そういう意味で、例に漏れず(苦笑)、このアルバムも非常に惜しい作品になっていました。ただ、昔から、この手のバンドって、徐々にフェイドアウトしちゃうんだよなぁ。彼らも、そろそろもっとがんばって傑作をリリースしてほしいところなんですが。
評価:★★★★
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