振り向かず、前へ前へ?
Title:DON'T LOOK BACK
Musician:FIREBALL
ベスト盤のリリースをはさみ、約2年ぶりとなるニューアルバム。
ベスト盤の後の新譜というと、「ベスト盤でいままでの活動に一区切りをつけたあとの、最初の一歩」ということになるのでしょう。そのアルバムのタイトルが「DON'T LOOK BACK」。まさに後ろを振り向かず、次のステップへと進もうとする、彼らの意気込みを感じられるタイトルといるでしょう。
その第一歩となるアルバムなのですが・・・どうも、全体的にポップで聴きやすくなった印象を受けます。ま、それ自体は、彼らにとってプラスかマイナスが一概に決められない部分ではあると思いますが、以前の彼らに感じられた、グイグイとリスナーに攻め込むような勢いが、薄くなったなぁ、という感じがしてしまいました。
例えば、「More Than Word」のようなメロウなナンバー、聴かせるチューンも多く、全体的に軽く、ポップな印象を受けます。
また、「In Da Club」のように、打ち込みを全面に押し出し、レゲエの要素というよりも、むしろテクノの要素を強く感じられる作品も多く、ここらへんも、少々打ち込みのリズムの気持ちよさに、頼り気味なのかなぁ、なんてことも感じてしまいました。
・・・というか、まあね、1曲1曲はそんなに悪いわけじゃないし、前にあげた曲も、ポップながらも気持ちよいナンバーを素直に楽しめたのは事実なんですよね。
ただ、全体的にどうも軽さが目立っちゃうんですよね。以前のFIREBALLって、もっとゴリゴリのハードで、リスナーの耳を圧倒するようなサウンドが目立っていたのですが、こういっちゃなんですが、丸く収まってしまっているなぁ・・・なんてことを感じてしまいました。
「DON'T LOOK BACK」、そのタイトルの通り、彼らは後ろは振り向いていないのかもしれません。ただ、その目は前を向いているのか、というと、それも微妙な感じがします。次の一歩に進みだして欲しいのですが。ここで踏みとどまってはほしくないなぁ。
評価:★★★
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