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2009年3月

2009年3月31日 (火)

時代を感じさせない楽曲と、時代を感じさせるPV

Title:I LOVE UNICORN~FAN BEST
Musician:ユニコーン

I LOVE UNICORN~FAN BEST~

今年、突然の再結成が発表されたユニコーン。ご存知、奥田民生がかつて所属していたバンドで、80年代後半から90年代初頭に絶大な人気を誇り、その後も数多くのミュージシャンたちに影響を与えました。

その彼らがリリースした本作は、ファンによる人気投票に基づく、ファンズベスト。まあ、再結成により、ユニコーンに興味を持った方に向けたベスト盤です。

ファンズベストなだけあって、選曲に関しては文句なし。ユニコーンの代表的な曲がほぼ網羅されていて、かつ、選曲数も多すぎず少なすぎず。曲順も考えられていて、まさに、ユニコーンを知るために聴くべき最初の1枚としては、文句なしの内容だと思います。

しかし、あらためて感じるのですが、彼らの楽曲は、本当に時代を超えた魅力がありますね。

ある種、既に「奥田民生のスタイル」として完成されている「雪が降る町」「すばらしい日々」はもちろんのこと、パンキッシュで勢いを感じる初期の作品にしても、完成された普遍的なメロディーラインをしっかりと持っていて、かつ、それを微妙に崩してくるところがとてもおもしろいんです。

そんな楽曲の数々は、今聴いても、全くその魅力は衰えるところがありません。

で、今回私は、このアルバム、PV目当てに買ったのですが・・・

そんなエバーグリーンな楽曲に比べて、PVは時代を感じますね~(笑)。

ま、メンバーが若いなぁ、という、当たり前の点は置いておいて。

特に初期の作品に関しては、軽くメイクをほどこして、髪をツンツンと立てたスタイルは、今となっては、あまりに時代を感じさせます。

そうかぁ。80年代のバンドって、確かに、軽く「ビジュアル系」入っていたんだよなぁ、どのバンドも(笑)。

彼らの初期のスタイルって、今だったら、ヘタしたらビジュアル系のカテゴライズされそうだよなぁ・・・なんて考えながら見ていました。

一方、後半になるにつれて、急速にシンプルでかつスタイリッシュになってくるんですよね。ここらへんの流れは、まさにバンドブームからそれ以降の日本のバンドのスタイルを象徴している感じがして、興味深かったです。

あ、もちろん肝心のPVの方も、彼ららしいユーモラスあふれるユニークなPVが多くて、こちらも必見。結構、エロいPVもあるので、お楽しみに(笑)。PVは、初回限定なので、まだ入手されていない方は急げ!

評価:★★★★★

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2009年3月30日 (月)

聴かせるメロディーの中に、心地よいリズムが。

Title:アロウ
Musician:the ARROWS

アロイ

どうも、the ARROWSというと、「惜しいミュージシャン」って印象を受けてしまうんですよね。

メロディーラインも悪くない。ダンサナブルなリズムも心地よい。楽曲の隅々にセンスが感じられる。でも、アルバム全体で聴くといまひとつ。

そして、このアルバムも、残念ながら、とても惜しいアルバムになっていました。

インスト風のオープニングチューン「ABCD」に続く「夜明けのRhapsody」は、ボッサ調のリズムが心地よい、ポップチューン。その後も基本的にポップで聴かせるナンバーが続くのですが、その中で特徴的に感じたのは、リズムがとても心地よいなぁ、ということでした。

彼らの奏でるリズムは、テンポのよく、ダンサナブル。そのため、ダンスミュージック風な楽曲を得意としているのですが、その中でも、微妙にテンポをずらし、ちょっとファンク風なリズムや、ラテン風のリズムなどを取り入れたりしていて、それが楽曲にアクセントを与えています。

特に本作の中で特徴的だったのが「W.O.O.D.P.E.C.K.E.R」で、メロディーはミディアムテンポの聴かせるナンバーながらも、バックになっているリズムが、微妙に裏を打っていて、癖になるリズム感を奏でています。

そんな感じで、楽曲の節々にセンスを感じられるバンドなんです。バンドなんですが・・・アルバム全体で聴くと、どうもいまひとつ。

理由は・・・メロディーラインかなぁ、やっぱり(苦笑)。

悪くはないんですよ。ただ、インパクトの面でいまひとつだし、じゃあ、聴いていて後に残るような、絶妙にポップなメロディーを書いているのかというと否。結局「フツーのギターロックバンド」のレベルなんですよね。

そういう意味で、例に漏れず(苦笑)、このアルバムも非常に惜しい作品になっていました。ただ、昔から、この手のバンドって、徐々にフェイドアウトしちゃうんだよなぁ。彼らも、そろそろもっとがんばって傑作をリリースしてほしいところなんですが。

評価:★★★★

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2009年3月29日 (日)

「ニューミュージック」系HIP HOP??

Title:COLORZ
Musician:SoulJa

COLORZ

どーしてもSoulJaというと、あの、青山テルマと組んだ大ヒット曲、というイメージになってしまうんですよね。まあ、仕方ないことなのですが・・・。

その上、「ここにいるよ」のヒットが、その後続く、「女性ボーカルのバラード+薄~いラップ」という、着メロヒットの王道系のフォロワーがあまりに多く出てしまった点。さらに、その後、SoulJaがリリースしたシングルが、ユーミンの「ANNIVERSARY」のカバー(それも、かなり出来の悪い(苦笑))という、話題性ばかりが先走った曲をリリースしちゃった点が、SoulJaというミュージシャンの評価を、著しく低いものにしてしまったような印象を受けます。

でも、このアルバムを聴けば、SoulJaというミュージシャンが、決して薄っぺらい、着メロヒット狙いのミュージシャンじゃない、ということがわかると思うんですけどね。

特に、このアルバムで目立つのが、70年代あたりの、「ニューミュージック」と呼ばれたソフトロックの匂いが漂う楽曲たち。

その話題となったユーミンとのコラボ曲はもちろん、「花、ゆらり」では、高橋幸宏が、アジアン風ポップに楽曲を仕上げ、「Road Movie」では、細野晴臣が、彼らしい、暖かいエレクトロチューンに仕上げています。

もちろん、どちらも鳴っている音は間違いなく今の音なのですが、楽曲から伝わってくる暖かさと、メロディーのポピュラリティーは、かつての「ニューミュージック」の良い部分を、HIP HOPという形で現代によみがえらせています。

他にも、アルバム全体、この暖かいポップなメロディーが根底に流れる楽曲の数々がとても魅力的なアルバムになっていました。

そして、その一方では、ハードコア調の「Da Bounce」や、バリバリのテクノチューン「ZERO」、ボサノバ風の「Hip Nova」など、楽曲のバリエーションも豊富。最後まで聴くものを飽きさせません。

あまりに狙いすぎな「記念日」や、「そばにいるね」をレゲエ風にアレンジした「HURRY HOME(そばにいるね)」など、売りを狙いすぎた曲も多いのが、玉に瑕なのですが、前作同様、SoulJaというミュージシャンの実力をしっかりと伝えているアルバムだと思います。

「ここにいるよ」「そばにいるね」のイメージだけで忌避するとしたら、あまりにもったいない1枚。ユーミン、高橋幸宏、細野晴臣・・・参加しているミュージシャンたちにピンときたら、是非とも聴いて欲しい作品です。

評価:★★★★★

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KANのライブに行ってきました!

KANライブツアー「じゃあ、スイスの首都は?」を見に、Zepp Nagoyaまで行ってきました!

ライブは2年ぶり、ライブハウスも3年ぶり。すっごく久しぶりのライブだったのですが、やぁ~楽しかったぁ!!

もちろん、KANちゃんのライブ自体も最高のライブだったのですが、やはり、生で聴くのって最高ですね!

今回のKANのライブは、比較的、マニアックな「知る人ぞ知る」的なナンバーが多かったのですが、個人的には、「ときどき雲と話をしよう」が聴けたのがうれしかったなぁ。

ライブ、やはり最高に楽しいな!今後は、もっとちょくちょく足を運びたいです。

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2009年3月28日 (土)

美しい音の洪水

Title:Merriweather Post Pavilion
Musician:Animal Collective

Merriweather Post Pavilion

最近、サブカルシーンを中心に、大きな話題を呼んでいるロックバンドの新作。

このアルバムを聴いてみれば、すぐわかると思うのですが、最初から最後まで、甘美な音の洪水にうずもれてしまうアルバムです。

21世紀の「Pet Sounds」・・・といったらちょっとおおげさかもしれません。ただ、楽曲の間がないようにビッシリと埋め尽くされた音の数々。そして、そのひとつひとつの音が組み合わさってできる音の世界の妙。まさに「Pet Sounds」と同じく、音を塗り重ねることにより、奥深くも華やかな音の世界を作り出そうとしています。

そして、そうして作り出される音の世界も実にユニーク。

1曲目「In The Flower」は、鳥のさえずりや虫の鳴き声を思い起こさせるような音が響いてきますし、また、「No More Runnin」も同じく、森の中を歩いているような、木々のざわめきのような音の世界が繰り広げられています。

そうかと思えば「My Girls」「Taste」は、電子音のピコピコとした音が強調され、どこか未来的なイメージを喚起される曲になっていたりしますし、「Daily Routine」はどこか荘厳な、教会音楽チックな響きが楽しめます。

メロディーも、それにあわせてポップでメロディアスな楽曲ばかり。その中でも「Summertime Clothes」はアップテンポで楽しい曲調が楽しめます。しかし、その後ろでなっている音はどこか不協和音的で、ちょっと不思議な感触を楽しめるのも彼らならでは、といったところでしょうか。

一度聴くと、その音の洪水に圧倒されてしまうかもしれません。しかし、一度ドッブリはまってしまうと、その音の世界から抜け出せません。まさに、大きな評判になっているのが納得の傑作。まだまだ聴きこめば聴きこむほど、その世界は広がりそうです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

New Amerykah PartⅠ:4th World War/ERYKAH BADU

第4次世界大戦・・・と名づけられたタイトルや、ジャケット写真から想像して、かなりハードなアルバム、と思いきや、ミディアムテンポなナンバーが中心となった、「聴かせるアルバム」になっています。しかし、その中に感じる、彼女の芯の太さが、楽曲の柱となっていて骨太の楽曲を楽しむことが出来た作品でした。

評価:★★★★★

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2009年3月27日 (金)

2つの人格

Title:Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”
Musician:Tommy February6

Strawberry Cream Soda Pop“Daydream”(DVD付)

Title:Gothic Melting Ice Cream’s Darkness “Nightmare”
Musician:Tommy heavenly6

Gothic Melting Ice Cream’s Darkness“Nightmare”(DVD付)

The brilliant green川瀬智子のソロプロジェクト、Tommy February6とTommy heavenly6。この別人格とされる2つのソロプロジェクトのベストアルバムが同時に発売されました・・・

・・・

って、このキャラ、長く引っ張りすぎ(^^;;

いやね、出始めたころはすごくおもしろかったんですよ。特にトミフェブの方は。ユーロビート風のポップでキラキラとした雰囲気の楽曲に、とことん甘いメロディーライン。楽曲自体は、はっきりいって「チープ」であることを否めなかったのですが、それを差し引いても、思わず口ずさんでしまうメロディーラインと、川瀬智子のかわいらしいボーカルは、多くのリスナーの耳をひきつけました。

実際、この2組のベストアルバムについても、トミフェブの方は素直にポップなアルバムとして楽しめる作品だったと思います。

確かに、デビューアルバムの時ほど、最後まで飽きずに、何も考えずに楽しめる・・・というには、ちょっとこのキャラを長く保たせすぎた感は否めないんですけどね・・・。でも、80年代風の、ポップでキャッチーであることをとにかく主眼に置いた作品は、リスナーの心を素直にキュンとさせてくれる魅力を持っています。

しかし、Tommy heavenly6の方は、ちょっといまひとつ・・・。

川瀬智子の中のダークな側面を強調したキャラであり、ポップ主体のトミフェブに対して、ハードロック基調の楽曲を奏でているのですが・・・

ロック系統を目指すと、結局はブリグリになってしまうんですよね。で、ブリグリから離れようとすると、今度はいまひとつチグハグな感じの曲になってしまうんです。

Tommy heavenly6のキャラクター自体も、いまひとつ練りきれていない面が大きいため、トミフェブと比べて、楽曲とキャラクター性の結びつきもいまひとつ。

楽曲自体はね、ポップで楽しいのはあいかわらずなんですよ。ただ、それだけって感じで、いまひとつ、個性にも面白みにも欠けるんだよなぁ。それなりに良くできているとは思うんですけどね。

ただ、どちらにしても、ちょっとこのキャラでひっぱりすぎな印象は否めず、そろそろどちらもマンネリの感が否めません。そろそろ、次のプロジェクトに進まないと・・・。

評価:
“Daydream”★★★★★
“Nightmare”★★★★

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e-mail from NINE INCH NAILS

Mailfromnin

先日、私が登録しているNINE INCH NAILSのメールマガジンから、おもしろいメールが届きました。

NINE INCH NAILSが、JANE'S ADDICTION、RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロのバンド、STREET SWEEPERSと組んで行う「NINJA TOUR」の宣伝として、6曲入りのサンプラーが無料ダウンロードできることを知らせるメールでした。

NINE INCH NAILSが提供している2曲は、いずれも新曲。ここ最近、フリーダウンロードを積極的に活用している彼ですが、また、こういう試みで、新曲をファンに届けてくれるというのはうれしいですね~。さっそくダウンロードして聴いてみました。感想は後日!

ダウンロードサイトは↓
http://www.ninja2009.com/

↑のサイトに入ると、「E-MAIL」「CONFIRM E-MAIL」という欄があるので、自分のメールアドレスを入れて「SUBMIT」をクリック。ダウンロードサイトを案内するメールが届くので、ダウンロードサイトをクリックすると、TOKENコードを入れるサイトにアクセスするので、指定のTOKENコードを入れた後「SUBMIT」をクリックすると、ダウンロードできるページに入れます。

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2009年3月26日 (木)

あの話題曲も収録

Title:ANSWER
Musician:アンジェラ・アキ

ANSWER<通常盤>

「みんなのうた」で放送され、徐々に話題となり、昨年の「紅白歌合戦」で披露され、大きな評判を呼んだ「手紙~拝啓 十五の君へ~」。この楽曲も収録されたアルバムが、この作品です。

1曲目にこの作品を持ってきて、いきなりアルバムが盛り上がるわけですが、この楽曲に限らず、やはり、しっかりと歌詞を聴かせるナンバーが多いのが、このアルバムの特徴でした。

この「手紙」と同様、歌詞が印象的で、このアルバムの、ある種「軸」となったのが「レクイエム」。10分以上にも及ぶ長いナンバーなのですが、あの世への旅立ちを前に、この世で世話となった人たちに会いに行く物語を、死者の観点で描いた作品。「手紙」と同様、胸をうつ内容になっています。

同じく歌詞が印象的だったのが「黄昏」で、こちらは、恋愛に関して、何度も過ちを犯してしまう女性を描いた内容。DVを思い起こす描写もあり、ドキッとさせられかつ、リアルを感じてしまう作品になっています。

このように、歌詞に関して印象的な内容が多かったこの作品でしたが、一方、歌詞以外の部分にも様々な試みを感じられる内容になっています。

例えば、「Knockin' On Heven's Door」ではボブ・ディラン、「We're All Alone」ではボズ・スギャッグスのナンバーを、それぞれ日本語訳詞でカバー。

他にも、「リフレクション」はレゲエ風のリズムを入れてきたり、ラストの「ファイター」はスケール感のあるナンバーをアルバムをまとめあげてきたりと、様々な顔を持つアルバムになっています。

力強い彼女のボーカルと歌詞の魅力を楽しめる一方、ソングライターとしての彼女の実力も垣間見れた作品でした。

評価:★★★★

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2009年3月25日 (水)

ようやくおとなしいチャートに・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

新譜ラッシュが続いていたヒットチャートでしたが、今週はようやくおとなしいチャートに。シングルは、10曲中初登場5曲というチャートになっています・・・とはいっても、半分は入れ替わっているんだよなぁ。

さて今週の1位は安室奈美恵「WILD」が獲得。1年ぶりのシングルにして、2作連続の1位となりました。最近、再び「第2の全盛期」ともいうべき人気をあげてきている彼女。ただし、本作は、2作連続の1位とはいえ、前作の初動11万5千枚に対して本作は初動7万5千枚と大きくダウン。人気再燃もこの程度なのか?今後の動向も気になります。

以下、次の初登場はちょっとさがって5位。真野恵里菜「乙女の祈り」がランクイン。ハロープロジェクト系のアイドルだそうですが、注目したいのが

作曲が、あのKANちゃんだということ!!

彼女、このシングルの前はインディーズでシングルをリリースしているのですが、インディーデビュー当初から、KANちゃんによる楽曲提供が続いています。今回、ついに初のベスト10ヒットを記録。KANのファンとしては、素直にうれしいかも(笑)。

以下、初登場は6位にサイキックラバー(Project.R)、高取ヒデアキ(Project.R)、串田アキラ「侍戦隊シンケンジャー」が、7位にKREVA「青」が、そして9位にノースリーブス「タネ」がそれぞれランクインしています。

「侍戦隊~」は例の特撮戦隊モノの主題歌ですね。しかし、あまりにマンマな戦隊名だなぁ(笑)。まあ、今回に限った話ではありませんが・・・。

KREVAは、約1年半ぶりのシングル。前作はリカットなので、リカットではなかった前々作「くればいいのに」と比較すると、初動1万9千枚から1万3千枚と減少傾向。ただ、前々作はスピッツ草野正宗をフューチャーした話題作ということを考えれば、まあ、健闘かな?

9位は・・・ノーナリーブスかと思いました(^^;;AKB48の別働ユニットみたいですね。

ちなみに今週は、先週紹介した遊助「ひまわり」が今週も2位をキープ。意外な(?)強さを見せています。羞恥心同様、ロングヒットを記録するのでしょうか??


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートも新譜ラッシュはひと段落・・・といっても、10枚中6枚が初登場ですか・・・。

そんな中、見事1位を獲得したのが、Dreams Come Trueのニューアルバム「DO YOU DREAMS COME TRUE?」でした。土曜日発売という不利な条件ながらも、初動23万枚を記録。前作「AND I LOVE YOU」の初動37万枚には及ばないものの、集計日数を考えると、強さを見せ付けた結果、というところでしょう。

ただ、初回限定盤で、ライブDVDをつけたバージョンと、ベスト盤をつけたバージョンをリリースしているため、その影響も強いのかも。ベスト盤もつけての売上・・・と考えると、ここ最近、再びあがり調子だったドリ人気も、天井をついた、とも見えるかも。

ベスト盤といえば、今週は、他にベスト盤が3枚もランクインしています。

2位のBoA「BEST&USA」、4位HYDE「HYDE」、そして6位ユニコーン「I LOVE UNICORN~FAN BEST~」がその3枚です。

BoAは、2枚目となるベスト盤と、全米デビューアルバムをセットにしたアルバム。日本で大成功しただけに、次はアメリカも・・・ということなのでしょうか?上手くいくかなぁ?

ユニコーンは、活動再開にあわせてリリースされた、ファンのリクエストをもとに選曲されたベスト盤。活動再開後、過去の作品も・・・という方にはちょうどいい1枚かも。

さて、ユニコーンの再結成といえば、同じく、再結成が熱望されているのがJUDY AND MARY。そのジュディマリへのトリビュートアルバム「JUDY AND MARY 15th Anniversary Tribute Album」が9位にランクインです。いきものがかりやPUFFYといった面子から、おもしろいところでは、ミドリや、真心ブラザーズ(YUKIの旦那のいるユニットですな)も参加。なかなか興味深いトリビュートアルバムになっています。

再結成が熱望といえば、ジュディマリとおなじく90年代を代表するバンドTHE YELLOW MONKEY。そのボーカルだった吉井和哉のソロアルバム「VOLT」が7位にランクインしています。約1年半ぶりの新譜。初動売上は前作と同じ4万6千枚と横ばい。完全に固定ファンを確保した状態ですね。

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2009年3月24日 (火)

「宇多田ヒカル」との使い分け

Title:This Is The One
Musician:Utada

This Is The One

Utada名義での2枚目となるアルバム。Utada名義での前作同様、アメリカでの発売を前提とした作品だそうで、5月にはアメリカでも発売を予定しているそうです。

「宇多田ヒカル」名義での前作の感想の時にも書いたのですが、明確に

宇多田ヒカル⇒日本向け
Utada⇒アメリカ向け

を意識したんでしょうね。歌謡曲テイストが強くなっている最近の宇多田ヒカル名義作品とは対照的に、かなり本格的+今風のR&Bテイストあふれる作品となっていました。

また、jpegやらmp3やらMySpaceやら、「今時」のアイテムをたくみに楽曲の中に入れてくるのも彼女らしいなぁ。こういう今時のアイテムをさらりと入れてくるのって、エバーグリーンであるよりも、今、この瞬間だからこそ輝くポップソングを彼女が目指しているということもよくわかります。

さらにアメリカ向きである一方、坂本龍一の「Merry Christmas Mr.Lawrence」のカバーを入れてくるあたりは、日本人であることを意識したカバーなのでしょうか。さらに「Automatic Part II」なんて曲も入っていたりしています。この曲、宇多田ヒカルの自己紹介ともいえる曲。彼女を一躍世に送り出した大ヒット曲「Automatic」の第2弾として、アメリカでも一気にブレイクしたい、そういう気持ちがこめられているのでしょう。彼女らしい、ユーモアセンスのあるタイトルの選び方のような印象を受けました。

さて、そんな宇多田ヒカルらしいユーモアセンスを随所に感じる作品。そのセンスのよいポップセンスも相変わらずで、今、再び勢いにのっている彼女らしい傑作であるのは間違いないと思います。

ただ、一方でこのアルバムがアメリカでも受け入れられるのか、といわれると非常に微妙かなぁ、という感想を抱いてしまいます。

というのも、このアルバム、確かによく出来たアルバムだと思います。しかし、本格的な実力派シンガーが群雄割拠しているアメリカのシーンの中で、(ちょっと言い方は悪いかもしれませんが)得体の知れない東洋人のこのアルバムを、あえて手に取るだけの個性を持っているか、といわれると、微妙といわざるを得ません。

むしろ、宇多田ヒカル名義の作品の方が、適度に入った「和」のテイストが、逆にアメリカでは受けるのではないか?とすら思ってしまいます。

ひょっとしたら、彼女自身、「日本人として」売れることを拒否し、「一人のシンガーとして」売れることを希望するため、あえて「日本人」のテイストを楽曲から排除したのかもしれません。

でも、そうだとすると、現状としてはとても厳しい。結局は、本場のR&Bの延長線上の作品でしかない以上、アメリカでこのアルバムが大ブレイクするのは、厳しいのではないでしょうか。

宇多田ヒカルのアルバムとしては傑作だと思うんですけどね。また、前作同様、「日本でだけ」大ヒットしそうだよなぁ・・・。

評価:★★★★★

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2009年3月23日 (月)

金太郎飴状態(?)

Title:VERY BEST CRUSADERS
Musician:BEAT CRUSADERS

VERY BEST CRUSADERS(DVD付)

メジャーデビュー5周年を記念してリリースされた、メジャー初となるベストアルバム。

どの曲も、似たようなタイプのパワーポップチューン。アレンジも、ベッタリとした、厚いギターサウンドを響かせるバンドサウンドで、特に必要以上に技巧の凝ったものでもありません。

それでも最後まで全く飽きずに聴けることが出来るのは、やはり、そのとことんポップなメロディーライン。そして、最初から最後まで全く変わらない、その勢いのあるサウンド。ということになるのでしょうか。

・・・・・・

うーん、なんてこと、以前からずっと思っていて、いまさらベスト盤で語ることはないんですけどね(^^;;

ディスコチューンの「BANG!BANG!」や、ハードコア路線の「CUM ON FEEL THE NOIZE」、ラップを入れてきた「HEY×2 LOOK×2」など、彼らなりにも「別路線」の楽曲を演っていたりもするのですが、基本はポップでキャッチーなパワーポップ。この路線はいまでもかわりません。

通常盤では、以前発売されたカバーアルバムに収録された、ABBAの「DANCING QUEEN」も収録されているのですが、ここらへん、彼らのポップスに対する愛情も感じられます。

安心して聴ける、という表現はロックバンドにとって決してほめ言葉ではありません。でも、安心して聴けちゃうんですよね、彼らの曲は。

それは、ポップスに対する愛情ゆえに、ロックバンドとしての刺激以上に、ポップであることを追い求めている結果なのかもしれません。

でも、そのおかげで、ともすれば金太郎飴的なベスト盤でも、最後まで飽きることなく聴けてしまうんでしょうね。BEAT CRUSADERSのポップスバンドとしての魅力が、より感じることが出来たベスト盤でした。

評価:★★★★★

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2009年3月22日 (日)

いったい、いつの時代のバンドだ??

Title:50回転ズのビックリ!!
Musician:ザ50回転ズ

50回転ズのビックリ!!

相変わらずのインパクト十分なジャケ写に、ミュージシャン名、さらにはそのタイトル・・・。もう、ここらへんからして、60年代あたりのグループサウンズテイストが満載で、いったいいつの時代のバンドなんだ、といいたくなってしまいます。

しかし、「いつの時代のバンドなんだ」といいたくなるのは、むしろ、その中身の方(笑)。

基本的に、ガレージパンク路線がメインなのですが

「SURFIN' GIRL」は、ビーチボーイズmeetsガレージパンクといった雰囲気ですし

「無実の男」は、クレイジーキャッツあたりを彷彿とさせる、60年代風のコミックソング。

また、「故郷の海よ」は、フォークソングを思い出させるようなメロウなナンバーとなっています。

まあ、こんな感じで、ベースとしては、古きよき60年代の邦楽・洋楽の要素を今によみがえらせました、といった感じの曲が目立つのですが

かと思えば「ぶちこわせ!」あたりは、Oiパンクあたりの影響が強く、むしろ80年代風ですし、「NO NO NO」に至っては、ブルーハーツからの影響も強く感じます。

このように、いつの時代であろうが、気に入ったものはとにかく全部取り込んでしまえ、という姿勢は、とてもアグレッシブで、かつユーモアさも感じさせます。

前作同様、まだまだ荒削りな部分も目立つ1枚なのですが、最後まで楽しめる、とてもユーモアたくさんでポップなアルバムでした。これからに期待したいバンドです。

評価:★★★★

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2009年3月21日 (土)

やはりブランキーは素晴らしかった。

2000年のフジロックを最後に、その活動に幕を下ろした、90年代の日本のロックシーンを代表するバンド、BLANKEY JET CITY。昨年から今年にかけて、そのアルバムをSHM-CDでリイシューするプロジェクトが続いていますが、その第2弾としてリリースされたのが、2枚のアルバムでした。

まず1枚目が、アルバム未収録曲を収録した、レアトラック集。

Title:RARE TRACKS
Musician:BLANKEY JET CITY

【CD】RARE TRACKS/BLANKEY JET CITY

基本的に、シングルのカップリング曲中心のラインナップとなっていて、本当の意味での「レア」なトラックはほとんど収録されていないため、ファンからはかなり非難の声もあがっているみたいですね。

ただ、いまからシングルを入手するのはかなり困難。そういう意味では、こういった形でも、アルバム形式でリリースされるというのは、別にさほど非難すべきリリースだとは思いません。

しかし、このアルバムに収録されている作品は、後期ユニバーサル時代のシングルカップリング曲がメインなだけに、打ち込みを使用した「シェリル」など、実験的といえば実験的ながら、次の一歩を模索しようとする、少々、迷走気味な部分も垣間見れる作品になっています。

いろいろな作風も挑戦しつつ、結局上手くいかなかったため、解散という決断をした・・・というのは、後付的な邪推かもしれません。ただ、ブランキーの最初の1枚としては、お勧めしがたい作品かもしれません。(もっとも、かといってファンには物足りない作品だし・・・位置付け的には難しい作品かもしれないですね。)

そしてもう1枚が、1994年6月に、川崎クラブチッタで行われたライブの模様を収録したライブアルバムです。

Title:MONKEY STRIP ACT 2
Musician:BLANKEY JET CITY

Monkey Strip Act2

こちらについては、ある意味、一番脂がのっていた時期のライブ盤で、もともとこのライブ自体の評価も非常に高かったそうなのですが、文句なしのライブ盤になっています。

こういうライブ盤を聴くと、あらためて、彼らが最高のバンドだったということを痛感させられます。

なんというか、3人が見事ガッチリとかみ合っているんですよね。ちょっと危うげで、暴走しそうなベンジーを、照井と中村達也がしっかり後ろから支えていて、ギリギリの部分の緊張感が、このライブアルバムからもしっかりと伝わってきます。

BLANKEY JET CITYというバンドがどんなバンドだったかを、今から知るためには、最適ともいえるライブ盤じゃないでしょうか。

やはり、ブランキーのあのとんでもない楽曲の数々は、3人の絶妙なケミストリーから産み出されたものなんだなぁ、ということをあらためて実感できたライブアルバムでした。

評価:
RARE TRACKS ★★★★
MONKEY STRIP ACT 2 ★★★★★

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2009年3月20日 (金)

とっちらかし

Title:I Think We're Gonna Need A Bigger Boat
Musician:THE BPA

I THINK WE'RE GONNA NEED A BIGGER BOAT

「THE BPAとはブライトン・ポート・オーソリティーの略。 25年前から断続的にレコーディングを続けながらも、これまで決して完成することなく、いつしかマスターテープが紛失。 関係者の記憶からも消え去っていた幻のセッションが、2007年9月、世紀の大発見と称賛された伝説のマスターテープ発見に伴い復活! 現代のマスタリング技術の進化により、奇跡的にTHE BPAの楽曲が聴けるようになったのである。 THE BPAにノーマン・クックが関わっていることは間違いないが、本人はその関係性について多くを語ろうとしていない。」

公式サイトより)

だそうです(^^;;

ご存知、Fatboy Slimことノーマン・クックのソロプロジェクト。男女が全裸で踊りまくる、インパクトのあるPVをごらんになった方も多いのではないでしょうか?

ま、ノーマン・クックが自分のやりたいように、やりたい音楽をやりまくったアルバム。

それだけに、アルバム全編にわたって、クラブ系のダンスミュージックをベースにしながらも、実に様々な作風の曲が展開されています。

1曲目から、Iggy Popが参加して話題となった「He's Frank(Slight Return)」は、イギーの渋い歌声が響く、メロディアスなナンバー。その後も、ちょっとラテンの要素を入れた「Should I Stay Or Should I Brow」「Electric Love」はその名の通り、エレクトロの、特にエレクトロニカの要素も感じますし、「Seattle」はかわいらしいガールズポップチューン。「Spade」は、Duffyやエイミー・ワインハウスあたりの路線を狙ったようなソウルで、しかし一転「Superman」はいまどきの丹精な男性ボーカルが印象的な、クラブ系R&Bチューン・・・と実に様々。

そしてそのどれも、本格的に何かのジャンルに挑戦したわけではなく、いわばつまみ食い(笑)。様々な音楽を食い散らかして、とっちらかしにしたまま去っていったような、そんなアルバムかもしれません。

そういう訳で、全体的に統一感もないし、アルバムの出来としても傑作・・・といえるほどの内容ではありません。ただ、素直に音楽を楽しんでいるなぁ、という楽しさを感じられるアルバムだったと思います。

これが2作3作続くとなると・・・と思ってしまうのですが、まあ、これはこれで、とても楽しい1枚でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Detours/SHERYL CROW

なんというか、安定感があるよね、本当に。爽快なロック+カントリー+ポップなナンバーの連続。カントリーって、日本だとどうも受けが悪いんですが、彼女の場合、それ以上にポップな要素が強くて、すんなりと受け入れられます。素直に楽しめるポップスロックな1枚です。

評価:★★★★

SLEEP THROUGH THE STATIC/JACK JOHNSON

素直に楽しめる、といったらこっちもだよなぁ。相変わらずのサーフソングはいままでと同様。とても爽やかなメロディーが、アルバム全編にあふれています。

評価:★★★★

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2009年3月19日 (木)

タイトルの含蓄がまたおもしろい

Title:まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。
Musician:te'

まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。

最近、徐々に話題となっているインストロックバンドの最新作。

楽曲は、重いドラムスと、激しいギターのカッティングがメインとなっており、エモやグランジロック、シューゲイザーあたりの影響を強く感じます。

まあ、いわゆる「オルタナティヴ・ロック」と大きく括られそうなロックの要素をまとめて飲み込んだ感じのロックサウンドを奏でるバンド。そういう意味では、独自の世界観を展開する、というよりも、むしろ王道のロック路線を感じるようなバンドでした。

それだけに、この手のロックが好きな人には、すんなりと腑に落ちるサウンドだったと思います。

それでも、ギターのアルペジオが印象的な9曲目や、フィードバックノイズを全面に押し出し、特にシューゲイザー色を強く感じた10曲目、そして、激しいドラムスやギターを奏でて、一気にアルバムを終息させる12曲目など、それなりに色彩豊か。最後まで飽きることなくリスナーを楽しませてくれます。

また、やはりおもしろいのは、そのタイトルなんですよね。

えっと・・・正直、そこで奏でる「音」と、どうダイレクトに結びつくのかは、不明な曲も多いです(^^;;

でも、そのタイトルは、非常におもしろく、ウィットにとんでいて、皮肉まじりなのがとてもおもしろいんです。

例えば

「いつも好転する未来を望み、しかし時節の変化は『恐』れている。」

たしかに、この手の人は多いですよね(笑)。って自分もそうかもしれないですが(^^;;

また、

「人は他人の不幸には十分耐えられるだけの強さを『持』っている。」

なんかもすごい皮肉的(苦笑)。そして、特に

「理は公平な判断を望み、怒りは判断が公平に見える事を『望』む。」

なんかは、「ああ、そうだよなぁ、確かに」と思ってしまいました。

このタイトルは、ベースのmasaが考えているらしいのですが、彼の書く「歌詞」なんかもおもしろいかもしれないなぁ(ただ、これだけ短いフレーズだから、おもしろいのかもしれませんが)

ともかく。

インストロックバンドということで、ちょっとなじみにくい印象を受ける方も多いかもしれませんが、オルタナ系ロックバンドが好きな方なら、すんなりと楽しめる1枚だと思います。まあ、新鮮味という意味では「インストである」以外に、その要素が薄いのが、少々マイナスポイントではあるんですけどね・・・。

評価:★★★★

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2009年3月18日 (水)

ここ最近、毎週だな・・・。

と思わずぼやいてしまう、今週も新譜ラッシュ。今週もシングルが10曲中7曲、アルバムが10枚中6枚、新譜となりました。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

まずシングル。今週1位はKAT-TUN「RESCUE」。初動32万枚と、堂々の1位です。

前作から、わずか1ヶ月のリリース。前作に続き本作もドラマ主題歌。ここ最近、少々売上が落ち込み気味だったのですが、本作は、前作の初動28万枚からなんとか持ち直し、再び初動30万枚にのせました。

そして、それに続いたのが、2位遊助「ひまわり」でした。ご存知、羞恥心などでおなじみのタレント上地雄輔のソロシングル。2位におわったものの、初動21万枚は、通常なら十分1位を狙えた枚数。ちなみに、ソロで初動で20万枚を突破したシングルは、宇多田ヒカルの「Flaver Of Life」以来だそうで・・・ってまたどーでもいいニッチな記録だなぁ(苦笑)。ただ、やはり初動で20万枚を超える結果は正直ビックリ。この人気ってやはり羞恥心の影響??ちょっとここまで人気があるのは意外でした。

以下

3位 Survivor/東方神起
4位 刹那/GReeeeN
6位 I GOTTA KICK START NOW/VAMPS
8位 抱きしめて抱きしめて/Berryz工房
9位 Cafe Wonderland/リ・シウォン

3位9位は韓国系アイドル。ここらへんは、アイドル系、ビジュアル系、アニメ系と並んで、がっちり固定ファンを確保していて、確実にベスト10に入ってくるジャンルとなりましたね。固定ファン以外に全くリスナーが浸透していかないのも同様・・・。東方神起は4作連続1位だったのですが、さすがに日本のアイドルには勝てませんでした・・・。

GReeeNは、初動6万3千枚と、前作の初動7万1千枚からダウン。ドラマ主題歌だったのですが、出足は前作に及びませんでした。彼らも、いまひとつ、固定ファンを確保しているのかどうなのか、わかりにくいよなぁ。

ラルクのHydeのユニット、VAMPSは、6位とちょっと不調なのですが、これは、金曜日発売の影響もあるのでしょう。なんでも、わざと13日の金曜日を狙って発売したのだとか。まあ、固定ファン層をしっかり持っているユニットなんで、初登場順位は無意味なのかな?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートも新譜ラッシュなのですが、1位2位は見事、ギターロック系バンドが並んでいます。

1位はレミオロメンのベストアルバム「レミオベスト」。前作のオリジナルアルバム「風のクロマ」が、初動わずか5万だったのに対して、ベスト盤は見事初動28万枚。まだまだ、その強さを見せつけました。

それに続いたのが、RADWIMPS「アルトコロニーの定理」。先行シングル「オーダーメイド」がチャート1位を獲得し、一躍その名を知らしめたのですが、このアルバムも、初動21万枚という立派な成績で2位。本来なら、十分1位を狙える売上です。この勢いはまだまだ止まらないのか??

そして、これらのギターロック系バンドに続く3位にランクインしたのが、Utada「This Is The One」。うーん、わずか初動7万枚・・・というのも、このアルバム、14日の土曜日発売だからなんですよね。ホワイトデーのお返し、ということを意識したのかな?ただ、それを差し引いても、ちょっと初動が低い印象も受けてしまうのですが。

4位にはAqua Timez「うたい去りし花」がランクインしています。初動6万8千枚。前作「ダレカの地上絵」が初動5万7千枚なので、一応、人気は上向き、ということになるのでしょうが、先日発売されたシングルは、最高位11位と伸び悩んだり、いまひとつ人気が停滞気味。もっと売れるタイプのバンドだと思ったんだけどなぁ。

新譜はあと2枚。7位にゴスペラーズ「Hurray!」、10位にCHEMISTRY「the CHEMISTRY joint album」と、どちらも男性R&B勢がランクイン。どちらも一世を風靡したユニットだけに、ブームが去った後といった感じで寂しい印象。特にCHEMISTRYの凋落ぶりはちょっと悲惨だなぁ。ただ、ここがふんばりどころといったところでしょうか?

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2009年3月17日 (火)

次の一歩を探る問題作

Title:告白
Musician:チャットモンチー

告白

メジャーとして3作目となるフルアルバム。ここまで順調に人気を伸ばしてきた彼女たち。ただ、3枚目になって、そろそろしのびよってくるのが、「マンネリ」というロックバンドにとっては、もっとも恐れるべき影でしょうか。

自分たちのスタイルをとことん追及し、大いなるマンネリを目指す、という手もあるのですが、彼女たちが選択したのは、あらたなるチャットモンチーとしての音楽性の確立でした。

この作品は、そんな彼女たちにとって、次の一歩を模索する、いわば「問題作」ともいえる作品になっています。

一番具体的に彼女たちの行方を指し示しているのは、やはりシングル曲でしょうか。「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」「風吹けば恋」は、テンポのよいリズムにポップなメロディーと耳障りはいいのですが、ひねくれたメロディー展開や、次から次へと違った展開をみせる楽曲の構成が実に魅力的。チャットモンチーの売りであるポピュラリティーセンスに着地しながら、次の一歩を模索している、彼女たちの実力とバランス感覚の良さを感じさせる名曲になっています。

その他にも、ちょっと幻想的な雰囲気を感じる「あいまいな感情」や、リズムが次々と変化していき、うねるような雰囲気を作り出している「ハイビスカスは冬に咲く」、地元徳島の阿波踊りのリズムを取り入れて話題の「LOVE is SOUP」、同じく、どこか和風のテイストを感じる「やさしさ」など、多彩なタイプの楽曲で、新たなる方向性を模索しています。

これだけ、いろいろな作風に挑戦していながらも、しっかりとチャットモンチーらしさがアルバム全体を貫いているのは見事。そして、おそらく、その最大の理由は、歌詞にあるのではないでしょうか。

彼女たちの描く歌詞は、女の子の本音の恋愛感情を、かわいらしく、時にはちょっとドキッとするような表現で描き出しています。

例えば、「長い目で見て」と訴える、ちょっと甘えんぼでかわいらしい女の子を描いた「長い目で見て」や、

「はっきり言って努力は嫌いさ
はっきり言って人は人だね」

とちょっとニヒリズムを貫きながらも

「走り出した足が止まらない
行け!行け!あの人の隣まで」

(以上斜字2パラグラフ 「風吹けば恋」より 作詞 高橋久美子)

と、元気いっぱいに恋をがんばる女の子を描く「風吹けば恋」など、こちらの方は、デビュー当初より全くぶれがありません。

こういうぶれのない歌詞の世界観を描いているからこそ、逆に音楽の方では「遊び」を入れることが出来るのではないでしょうか。

アルバム全体としては、ミディアムテンポの曲が多く、インパクトも少なめ。出来としては、いままでの彼女の作品の中では一番いまひとつかもしれません。

ただ、今の彼女たちにとっては、どうしても産み出さなければならない1枚だったことは間違いないでしょう。これを大きな一歩として、次にさらなる傑作を産み出してほしい、そう感じ、そして、来るべき傑作の到来を期待させる作品でした。

評価:★★★★★

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2009年3月16日 (月)

振り向かず、前へ前へ?

Title:DON'T LOOK BACK
Musician:FIREBALL

Don’t Look Back

ベスト盤のリリースをはさみ、約2年ぶりとなるニューアルバム。

ベスト盤の後の新譜というと、「ベスト盤でいままでの活動に一区切りをつけたあとの、最初の一歩」ということになるのでしょう。そのアルバムのタイトルが「DON'T LOOK BACK」。まさに後ろを振り向かず、次のステップへと進もうとする、彼らの意気込みを感じられるタイトルといるでしょう。

その第一歩となるアルバムなのですが・・・どうも、全体的にポップで聴きやすくなった印象を受けます。ま、それ自体は、彼らにとってプラスかマイナスが一概に決められない部分ではあると思いますが、以前の彼らに感じられた、グイグイとリスナーに攻め込むような勢いが、薄くなったなぁ、という感じがしてしまいました。

例えば、「More Than Word」のようなメロウなナンバー、聴かせるチューンも多く、全体的に軽く、ポップな印象を受けます。

また、「In Da Club」のように、打ち込みを全面に押し出し、レゲエの要素というよりも、むしろテクノの要素を強く感じられる作品も多く、ここらへんも、少々打ち込みのリズムの気持ちよさに、頼り気味なのかなぁ、なんてことも感じてしまいました。

・・・というか、まあね、1曲1曲はそんなに悪いわけじゃないし、前にあげた曲も、ポップながらも気持ちよいナンバーを素直に楽しめたのは事実なんですよね。

ただ、全体的にどうも軽さが目立っちゃうんですよね。以前のFIREBALLって、もっとゴリゴリのハードで、リスナーの耳を圧倒するようなサウンドが目立っていたのですが、こういっちゃなんですが、丸く収まってしまっているなぁ・・・なんてことを感じてしまいました。

「DON'T LOOK BACK」、そのタイトルの通り、彼らは後ろは振り向いていないのかもしれません。ただ、その目は前を向いているのか、というと、それも微妙な感じがします。次の一歩に進みだして欲しいのですが。ここで踏みとどまってはほしくないなぁ。

評価:★★★

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2009年3月15日 (日)

バンドとしてのEGO-WRAPPIN'

Title:EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
Musician:EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX

EGO-WRAPPIN’AND THE GOSSIP OF JAXX

ベスト盤のリリースはあったものの、実に2年9ヶ月ぶりとなるEGO-WRAPPIN'のニューアルバム。

ベスト盤のレビューの時、彼女たちに関して、「隙のなさを感じる」という感想を述べました。

実際、彼女たちの音楽が、初期の段階から完成されているからこそ、その後、「merry merry」や「OH THE ROCKS」などのアルバムでは、様々な音楽にも挑戦してきたりして、その音楽が最初から完成されているがゆえ、早い段階からマンネリ化することを避けようとしているように感じます。

その後のEGO-WRAPPIN'として新作をリリースしてこなかったのも、彼女たちにとって、やりつくした感があったのかもしれません。

そして、2年9ヶ月の日々を経てようやくリリースされたニューアルバム。今回は、アルバム名義を「EGO WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX」とバックバンドの名称も加えることによって、新たな活路を見出そうとしているように感じます。

そのため、楽曲の雰囲気としては、ジャズ、ブルース、昭和歌謡曲を交えた、王道のEGO-WRAPPIN'路線になっています。ただ、その一方、バンドサウンドを今まで以上に前に押し出し、あくまでもバンドを含めたみんなが主役、という面を強調していました。

EGO-WRAPPIN'としての活動に、バンドの側面を多く取り入れることにより、もう一度、その世界観の再構築をはかろう、としているのではないでしょうか?テンポのよい、ヘヴィーで、しかしジャジーな雰囲気を持つバンドサウンドに、中納良恵の、色っぽさのある特徴的な声がのる・・・ま、スタイルとしては以前のEGO-WRAPPIN'と大きく変化するものではないものの、バンドとして、新たな一歩を歩き出そうという、彼女たちの意気込みは感じられる作品でした。

評価:★★★★

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2009年3月14日 (土)

2000年代バンドの集大成??

Title:シンシロ
Musician:サカナクション

シンシロ(通常盤)

なんか、ここ最近の新人バンドを聴いていて感じるのは、ほんの5~6年前のバンドの影響を、そのままもろに出してくるバンドが多い、ということなんですよね。

くるり、スーパーカー、ナンバーガール・・・(まだ活動しているバンドもいるけど)ちょっと違うタイプだとハイスタンダードとか。ここらへんのバンドの影響を、隠さずに楽曲に反映させちゃっているバンドが多いんです。

例えば、人気があるところだと、最近は違ってきたけどアジカンとか、先日も紹介した音速ラインだとか・・・。

楽曲がよければ、という話もあるし、どんな最近のバンドでも、好きならば隠さずに自分の曲に取り込むという姿勢は、決してマイナスの面ばかりではないんですが、個人的にはどーにもひっかかる部分があります。

サカナクションも正直、そんな2000年代初頭のバンドの影響を、その楽曲から強く感じます。

1曲目「Ame(B)」が、Perfumeの影響がダイレクトな、フレンチテクノチューンなのはまあご愛嬌としても、その後のエレクトロ路線は、どうも2000年代初頭に、くるりやらpre-schoolやらが目指したものからの影響を感じてしまいます。

実際、「セントレイ」や、「黄色い車」「Human」あたりは、露骨にくるりっぽい雰囲気がでていたりして(「黄色い車」なんて、タイトルからしてくるりっぽいし)。

基本的に、彼らのエレクトロやテクノポップの路線は、ダンサナブルでポップ、とても印象に残る曲が多く、それなりにサカナクションとしての個性は出しているとは思います。

ただどうも、2000年代初頭に、くるりやスーパーカー、pre-schoolあたりが通ってきた道から、一歩踏み出していないのではないのかなぁ、という印象が否めません。

悪いアルバムじゃないし、2000年代半ばに、ここらへんの路線をまねて、次々と出てきた「なんちゃってエレクトロ」なアルバムに比べると、遥かにいい出来なのは間違いないと思うのですが、もう一歩がんばってほしいような印象を受けてしまいました。

評価:★★★★

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2009年3月13日 (金)

YMCK26分クッキング

Title:ファミリークッキング
Musician:YMCK

ファミリークッキング

8bitのチップチューンにのせて、かわいらしいポップソングを届けるYMCKのニューアルバム。

今回は、タイトル通り、「クッキング」をテーマとしたコンセプトアルバム。冒頭から、例の「キューピー3分クッキング」のテーマ曲からスタートするなど、ユニークで、志向を凝らした作風になっています。

YMCKというと、そのチップチューンはとてもかわいらしいものの、やはり単調な音色であるため、最初は耳障りもよくひかれるものの、長く聴いていると飽きてくるのが難点でした。

その点、今回は、アルバムの長さがわずか26分とちょうどいい長さに。最後まで飽きずに、8bitのいい意味でチープな音色を楽しむことが出来ます。

また、楽曲も、ハードロック風を目指した「グルメなあいつ」や、フォーク風を目指した「帰り道、晩ご飯」など、なんとかその曲の幅を広げようとする努力が感じてとれます。

そういう彼らの努力が成功したか、というと微妙な面もあるのですが、バリエーションが増えたおかげで、最後まで楽しむことの出来るアルバムに仕上がっていたと思います。

個人的には、いままで聴いてきたYMCKのアルバムの中で一番の出来だったかなぁ。ポップでキュートでとてもかわいらしいチップチューン。ほとんどの楽曲が、まるで童謡のような楽しさを持っています。幅広く愛聴される1枚だと思います。

評価:★★★★

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2009年3月12日 (木)

ガールズバンドの期待株

Title:ワールドイズユアーズ
Musician:MASS OF THE FERMETING DREGS

ワールドイズユアーズ

女性2人組ロックバンド、通称「マスドレ」の2作目となるミニアルバム。

轟音ギターにヘヴィーなバンドサウンド。基本的にストレートなギターロックながらも、どこかひねりがくわわっている点、ナンバガを思い起こさせる・・・・・・・ってのは、この作品の共同プロデューサーが、元ナンバーガールの中尾憲太郎だからでしょうか?

メロディーラインは基本的にポップで聴きやすく、そのヘヴィーなバンドサウンドと対照的に、かなり幅広いファン層を獲得できそう。また、ボーカル宮本菜津子の声も透明感があって、こちらも幅広い支持を得られそうです。

ただ、オルタナ系ギターロック+ポップなメロディーのガールズロックバンドということで、どうしてもチャットモンチーとかぶっちゃうんだよなぁ。ここらへん、正直、マスドレとしての個性が、まだまだ十分に発揮されておらず、パッと聴いた感じだとどうしても、チャットモンチータイプのオルタナ系ガールズロックバンドというイメージがぬぐえません。

個人的に、間違いなくガールズバンドの期待株一番手であると思うし、前述のチャットモンチーや、あるいはGO!GO!7188あたりが好きならはまりそうなタイプではあると思います。

でも、現状ではあと一歩の成長を期待したいところ。この作品でも、お祭りの太鼓のような、どこか和風を感じるリズムが印象的な「かくいうもの」のようなおもしろい作品も散見され、彼女たちのポテンシャルを感じさせます。

そろそろフルアルバムで本領を発揮してほしいかな?今後に期待。

評価:★★★★

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2009年3月11日 (水)

またもや新譜ラッシュ・・・。

今週のシングルチャート
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今週は、シングルチャート、アルバムチャートともに新譜ラッシュ。シングルチャート、アルバムチャートともに、10位中8位までが新譜という結果になりました。

まずはシングルチャート。こちらは1位から8位まで新譜が並ぶ結果に。ロングヒットを続けた秋元順子「愛のままで・・・」は、ついにというかようやくというか、9位にランクダウンしてしまいました。

で、1位は「Believe」が初動50万枚という記録で達成。前作「Beautful days」が初動35万枚なので、大幅アップ。この手のアイドルが、初動を大きくあげてくるというのは少々驚き。初回限定盤を2種類出すなどの手法は相変わらずだけど・・・(苦笑)。

ちなみにオリコンによると、1週で今年の売上No.1に躍り出たとか・・・・・・ってまだ3月なんですが(苦笑)。オリコンのジャニーズ系へのコビの売り方は、少々度が過ぎているよなぁ・・・。

以下、2位から8位の初登場組は・・・

2位 SAY YOUR DREAM/GLAY
3位 10年桜/AKB48
4位 卒業/長渕剛
5位 trust you/伊藤由奈
6位 ランデブー/YUKI
7位 Deeper/KEN
8位 My SunShine/ROCK'A'TRENCH

と並びました。

一時期の人気と比べると、最近は、多少「忘れられかけている」感のあるGLAYですが、それでも2位ランクインは立派。初動売上も7万8千枚と、前作の初動6万8千万から上昇し、ようやく人気が下げ止まった感があります。

いつの間にか(?)人気が出てきたAKB48も、初動が前作4万8千枚を上回る6万6千枚を売上ました。こちらは、まだまだ人気が伸びるのか??

4位長渕剛は・・・わぁ、ベタなタイトルだなぁ(笑)。ただ、この曲、NHKで放送した「課外授業」という番組で、長渕剛が訪れた母校鹿児島県立鹿児島南高校で、生徒と共に書き上げた歌詞らしく、高校生のダイレクトな思いがつまった歌詞にも注目したいところでしょう。

7位KENって、あまりにシンプルな名前で誰かと思った・・・(^^;;L'Arc~en~Cielのギタリスト、Kenの新譜なんですね。

そして最後に見知らぬ名前が1組・・・

ROCK'A'TRENCHって、まだポッと出のバンドが・・・と思ったら、元SKA SKA CLUBのメンバーが組んだバンドなんですね。失礼しました。同じSKA SKA CLUB出身といえば、クローバー義和のJackson Vibeは結構好きなバンドなのですが、こちらの方が早く売れちゃったなぁ。ちなみに、Wikipediaを見て驚いたのですが、ボーカルの山森大輔って、司法試験受かったんですか!まじですか??すごい!


今週のアルバムチャート
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今週は、アルバムも新譜ラッシュ。その中で1位を獲得したのが、意外といったら失礼かな?FUNKEY MONKEY BABYS「ファンキーモンキーベイビーズ3」が見事1位を獲得しました。

初動売上も前作の5万9千枚を大きく上回る8万枚を突破。いまだ人気上昇中といった感じで、今後の伸びも期待できそうです。

そのアルバムに僅差で2位となったのがチャットモンチー「告白」。こちらも人気上昇中のガールズバンド。ただし、こちらは前作「生命力」が初動7万枚だったのに対して、7万8千枚と、売上は上回ったものの、いまひとつ伸び悩み気味。もうちょっと売れてもいいと思うんだけどなぁ・・・。

以下、新譜は・・・

3位 What's Love?/JUJU
4位 supercell/supercell feat.初音ミク
5位 NO MORE RULES./中島美嘉
6位 FREEDOM/Dragon Ash
8位 Seventh Heaven/Kalafina
10位 Viva A.I./AI

3位JUJUは、Spontaniaと組んだ「君のすべてに」が着うた主導でヒットし、一躍話題となったシンガー。初動6万枚で3位というのは、着うた系のヒットは、ミュージシャンに対して、なかなか固定ファンがつかないことを考えれば、まあ、健闘といったところでしょうか?

supercellは、また出てきた同人系音楽のミュージシャンで、これもまた、人工合成ボーカルソフトの初音ミクをつかった作品。この手のミュージシャンは、今後、まだまだ増えてきそうな予感がします・・・が、現状、一定層以上の浸透は、まだ厳しいだろうなぁ。

8位に入ってきたKalafinaは、劇場版アニメ「空の境界」のために結成された音楽プロジェクトだそうです。

一方、残り3枚は、中堅組みのミュージシャン。中島美嘉は、前作「VOICE」が初動15万枚で1位を獲得したのに対して、こちらは初動4万6千枚で大苦戦・・・といいたいところなのですが、こちらは、カネボウ「KATE」のCM曲集という企画盤で、5万枚限定生産らしく、ほぼ売り切れたといった感じでしょうか?店頭で、万が一残っていた場合、ファンは急いで入手を。

本当に大苦戦なのはDragon Ash。2年ぶりの新譜なのですが、前作が初動6万9千枚だったのに対して、本作は、初動3万2千枚で半分以下(苦笑)。かなり後がない状況にきてしまいました。でも、ここ最近のDragon Ashって、いまひとつ覇気を感じられないんだよなぁ。

大苦戦なのは、今週ギリギリ10位だったA.I.も同様。前々作10万枚→前作4万5千枚→本作1万8千枚と、昨年来の株価並みの暴落ぶり(^^;;今、話題となっている「おくりびと」のイメージソングを歌っていて、その曲も収録されているのですが、全くといっていいほど、彼女の曲の方は話題になっていません。ただ、Dragon Ashは、人気の落ち込んだ理由がよくわかる(本人たちに、ほとんど「売る気」が感じられない)のですが、彼女の場合、なぜ、ここまで落ち込んだんでしょうか?

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2009年3月10日 (火)

しっかりと軸足をつけて

Title:Nexus
Musician:ストレイテナー

Nexus

4人組となってはじめてとなるニューアルバム。

前作「Immortal」はミニアルバムということもあり、いまひとつ、インパクトの薄さを感じる作品でしたが、この作品は、ストレイテナーとしての本領発揮ともいえる、パワフルでポップな作品に仕上がっていました。

基本的に、ハードでノイジーなギターサウンドに、テンポのよいリズム、そしてポップなメロディーラインというのが彼らの持ち味なのですが、この作品で特に感じたのは、そのうち、メロディーラインの良さでした。

「リニア」では打ち込みを導入し、あらたな音楽性の幅を広げた彼ら。本作でも、先行シングル「Little Miss Weekend」では、リズミカルなダンスロックチューンになっているなど、様々な作風の曲が展開されています。

その後も、ピアノのシンプルなアルペジオの音に、ノイズギターがからんで不協音を奏でる「蝶の夢」、同じくピアノの音が印象的なバラードナンバー「イノセンス」など、パワーポップメインながらも、様々な作風の楽曲がこの作品には収録されています。

ただ、それでもストレイテナーとしての軸足がぶれないのは、彼らの持ち味であるメロディーラインの良さが、このアルバムでは、実によく生かされていたからではないでしょうか。

「Ark」「Lightning」など、ポップなメロディーラインが印象的な楽曲も多く、この、楽曲をしっかりと支えているメロディーラインが、このアルバムにおける一本の柱となって、アルバム全体のまとまりを作り上げ、楽曲のインパクトを与えています。

アルバムごとに成長を続ける彼らが、また一歩成長した作品でした。ストレイテナー、まだまだこのバンドの持つ容量ははかりしれません・・・。

評価:★★★★★

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2009年3月 9日 (月)

うれしいシングル集

Title:shit
Musician:the band apart

shits [DVD]

DVD+CDの2枚組となる、the band apartのシングル集・・・といっても、PVが収録されたDVDがメインのようで、彼らの過去のシングルを収録したシングル集のCDは、「おまけ」扱いらしいです。

ただ、このシングル集が、ファンにとってはなんともうれしい作品になっています。

このアルバムに収録されているシングルの多くが限定盤。そのため、現状では中古を探す以外、入手することは出来ません。

そんな作品がまとめて聴けるというのは、特にここ最近ファンになった方にはうれしい作品と言えるでしょう。

そして、このシングル集を聴いてみると、あらためて彼らの音楽に対するセンスの良さを感じます。

どの曲も、パンクやロック、アシッドジャズなどをベースとした、ちょっとおしゃれな雰囲気のロックナンバーになっていて、パッと聴いた感じ、楽曲のバリエーションが多いわけではありません。

しかし、不協和音が楽曲にからみ、不思議な音感を味わえる「shine on me」、ヘヴィーなギターサウンドがからむロック色の強い「amplified my sign」、ギターのアルペジオが美しい、静かなナンバー「moonlight stepper」など、聴けば聴くほど、彼らの音楽性の幅を感じさせます。

また、シンプルながらも味わいがあり、後に残るメロディーラインのセンスも見事。決して派手な曲があるわけではないのに、楽曲を聴いていて全く飽きがこない理由は、ここらへんにあるといえるでしょう。

メインとなるDVDの方も、この作品のための撮りおろしがあったりする点、うれしい話。もっとも、彼らのPVについては、シンプルな作風が多く、PVだけでおもしろい・・・という作品はありません。ただ、ファンとしては、じっくりと演奏している彼らの姿を見られるのもうれしいところでしょう。

DVD、CDともにファンにとってはとてもうれしいアイテムになったと思います。なにげに、こういうファンサービスはうれしいですね~。あらためて、the band apartの魅力に触れられる作品でした。

評価:★★★★★

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2009年3月 8日 (日)

プロディジー、完全復活!!

Title:INVADERS MUST DIE
Musician:THE PRODIGY

Invaders Must Die

THE PRODIGY、完全復活!!

そう高らかに宣言しちゃっていい作品じゃないかなぁ?前作「Always Outnumbered,Never Outgunned」は、リアム1人の手によって作成されたのに対して、本作は、メンバー3人による作品、という意味でも「復活」と言えるかもしれませんが・・・

それ以上に、名盤の誉れ高い「The Fat of the Land」、通称「カニ盤」に勝るとも劣らない傑作をリリースしてきた、という意味でも、「完全復活」と言ってしまえるのではないでしょうか。

前作は、その「カニ盤」を超えようとするあまり、駄作・・・ではないものの、新たに挑戦しようとする試みが、マイナスになってしまい、どこか印象が希薄な作品でした。

しかし、新作に関しては、完全にいい意味で、完全に開き直っていました。

彼らの楽曲の魅力といえば、ロックのもつダイナミズムと、クラブ系ミュージックのもつ、踊らせる機能性や、先駆性、そして耳に残るメロディーラインというのが、高い次元で融合し、彼らにしかつくれない、ダイナミックなダンスチューンを作り上げている点といえるでしょう。

そして、このアルバムは、そんな彼らの楽曲の魅力を、思う存分強調し、より全面に押し出している作品になっています。

ギターやドラムスの音をバリバリと押し出したダイナミックなロックサウンド。

とことん踊らせる心地よいリズム。

そして耳に残るポップなメロディーライン。

冒頭の「INVADERS MUST DIE」そして「OMEN」から、そんな彼らの魅力が全開されたナンバーからスタート。一気にリスナーの耳に爆音を叩き込みます。

その後、ラストまでの展開は、まさしくあっという間。わずか40分程度の長さということもあり、最後まで耳を離せず、さらに知らず知らずのうちに身体が動き出してしまっている、そんなアルバムでした。

ラスト「STAND UP」は、アルバムの締めを飾るにふさわしい、祝祭色を感じるナンバーで、このアルバムを産み出せた、メンバーの歓喜にも感じられるナンバー。最後の最後まで文句なしの作品です。

個人的には、現段階での今年No.1アルバム!これぞプロディジーと大声で叫びたくなるような傑作です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Duet/Chick&Hiromi

ジャズピアニストチック・コリアと上原ひろみによるデゥエットアルバム。2人のピアノのからみつくような展開がとてもおもしろく、最後まで耳が離せない展開。ピアノ2台だけの演奏にも関わらず、様々な世界が広がるような作品でした。

評価:★★★★★

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2009年3月 7日 (土)

このアルバムもグラミー賞か?

Title:No Line on the Horizon
Musician:U2

No Line on the Horizon

2000年代に入ってから、「All That You Can't Leave Behind」「How to Dismantle an Atomic Bomb」と、原点回帰的な傑作をつづけてリリースしてきた彼ら。この2作品はともにグラミー賞で数多くの賞を獲得するなど、非常に高い評価を受けています。

それに続くアルバムなので、凡百のミュージシャンなら、大きなプレッシャーのかかるところなのですが、彼らほどのバンドになると、そんなプレッシャーは全く関係ないみたいですね。あくまでも簡単に、あっさりと、またもや傑作アルバムを仕立て上げました。

1990年代のテクノポップ路線から一転、原点回帰を思わせた「All That~」や、さらにハードなロック路線を印象づけた「How to~」に続くこのアルバムは、この2作をふまえつつ、新たな路線も感じさせる作風に仕上がっています。

タイトルチューンでもある1曲目「No Line on the Horizon」は、ロック色の強い作風で、前作からの踏襲を思わせます。ただ、その中でもシンセのサウンドが印象的。前2作とは異なる、新たな作風が垣間見れます。

その前2作を踏まえた新たな作風、という意味で印象的だったのが「Get On Your Boots」でしょうか。ハードロック風のギターリフを取り入れるなど、ロック路線を強く印象付けながらも、その後ろでは打ち込みのテンポのよいリズムが鳴っていて、前2作を踏まえつつも、それとは異なる方向性も感じられます。

また、アルバムの後半を飾る「White As Snow」「Cedars Of Lebanon」のような、どこか悲しみを抱えたようなメロディーを、しんみりと聴かせる楽曲も印象的。特に「Cedars Of Lebanon」では、ポエトリーリーディングすら思い起こさせるような、一言一言語るように歌うボノのボーカルも印象的。ラストを締めくくるにふさわしい作品となっています。

全体的に、スケール感ある作風の中に、シンセをつかった、少々ひねくれた音も印象に残る作風になっています。前2作のような派手さはありません。また、以前の作品とガラリと雰囲気がかわった・・・という感じではありません。しかし、U2の次を確かに感じられる傑作でした。いまだにその歩みをやめない彼ら・・・さすがです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

EDIT/MARK STEWART

元THE POP GROUPのボーカリスト。彼に関する作品は、THE POP GROUPの「Y」以外は聴いていないのですが、その「Y」の雰囲気そのまんま。あの独特の暴走したような作風は本作でも健在どころか全く衰えていません。にも関わらず、決してマンネリになっていないのは、似たようなタイプの作風ながらも、その中で、徐々に音の作り方を変化させているからでしょう。正直、「Y」に比べると、音はかなり落ち着いて、聴きやすくなった印象も受けます。しかし、「Y」からもう30年(!)たつのに、これだけのアルバムをいまなおリリースしちゃうところがすごいなぁ・・・。

評価:★★★★★

MELODIA/THE VINES

とことんポップなメロディーと、ハードなバンドサウンドが融合。まさにTHE VINESの理想系ともいうべき傑作です。メロディーといい、ノイジーなバンドサウンドといい、とことんポップで、難しいこと抜きに音楽を楽しむことが出来るアルバム。いい意味で、肩の力がかなり抜けて、素直な楽曲づくりにはげんでいる・・・そんな印象を受けました。

評価:★★★★★

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2009年3月 6日 (金)

ハードなサウンドの中にユーモアあり

Title:ドクタートーキョー
Musician:般若

ドクタートーキョー

般若といえば、どうもマッチョイズムは保守志向というイメージがあり、少々敬遠している部分がありました。

ただ、この新作は、随所で評判も良かったので、聴かず嫌いはどうも・・・ということでこの作品を聴いてみたのですが

これが、当初のイメージに反して、かなりポップテイストが強く、聴きやすいアルバムになっていました。

いや、ポップテイストが強い、と言うと、セルアウトしているように誤解する方も多いかもしれません。

でも、彼の作品は決して「セルアウト」したポップスさじゃないんですよね。しっかりとハードコアなHIP HOPに足をつけつつ、エンタテイメント性も発揮している。ハードであることばかりを志向し、リスナーを楽しませることを忘れてしまったようなラッパー(特にハードコアと言われる人たち)が多い中、彼のユーモア性を含ませたエンタテイメントセンスは、特筆すべきものだと思います。

例えば、「夢の痕」は、80年代のロックテイストを感じる、ポップで聴きやすいナンバーですし、「Ah Yeah」はとにかく楽しいパーティーチューン。一方では「月が散りそう」では、しっとりとしたラブソングを聴かせてくれます。

そしてもうひとつ大きな特徴だったのが、そのハードな社会派の歌詞。それもリアリティーを含ませつつ、決して教条主義に走らず、淡々と現実を描写する手法は印象的。下流社会を淡々と描いた「路上の唄」や、児童虐待を描いた「プランA」など、とても心に響いてくる作品になっています。

また、このアルバム、当初あまりにも過激な内容に、すべて内容をとり直したらしい(参照:wikipediaのですが、それでも過激な内容がチラホラ。一番過激だったのが、某信徒団体と芸能界の関係をおちょくった「関係あんの?」なんて、直接的に言ってはいないとはいえ、よくリリースできたな、なんて心配になるほどの内容(笑)。ただ、それをユーモアをもって描いているあたりが、彼のあくまでもエンタテイメント性を重視する姿勢を感じさせます。

長渕剛をプロデューサーに迎えて話題となった「チャレンジャー」なども収録。これに関しては、少々アルバムの中で浮いていた印象も(^^;;

最近は、本当に次から次へと新しいラッパーが傑作をリリースしているHIP HOP界。その中でこのアルバムは、例えばはじめてTHA BLUE HERBやShing02、MSCなどを聴いた時のような、全く新しいスタイルがはじまったというような衝撃は受けませんでした。

しかし、このアルバムは、既存の日本におけるHIP HOPのスタイルを、一歩前に推し進めるアルバムだったと思います。ハードな社会派の歌詞やディスソングなども加えつつも、全体としてはしっかりとエンタテイメントとしてまとめあげ、かつHIP HOPの持つ先駆性、一種の「やばさ」を失わないバランス感覚は見事だと思います。文句なしの傑作です。

評価:★★★★★

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2009年3月 5日 (木)

これぞスカパラ

Title:PARADISE BLUE
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ

PARADISE BLUE

ベスト盤発売後、初のオリジナルとなった前作「Perfect Future」では、原点回帰をはかった彼ら。そしてそれに続くのが本作。やはり前作と同様、原点回帰を志向した作品となっており、「これぞ、スカパラ」というべき、彼ららしい王道を歩む1枚になっていました。

1曲目「Routine Melodies」は、ゆっくりのんびりした横ノリのスカチューンは、まるで準備運動のよう。その後は一気にスパーク。「Paradise Blue」「疾風の剣-Lightning Sword-」はいずれも疾走感あふれるナンバーながら、渋さを感じさせるメロディーラインに、どこか怪しげな香りが・・・。スカパラらしい、大人のダンスチューンとなっています。

その後も、彼らのサウンドが入り乱れて、狂乱ともいえる騒ぎを作り出している「Like Jazz On Fire-灼熱のジャズの如く-」に、西部劇の舞台を思い起こさせるような、しぶーいナンバー「さよならワルツ-Farewell Waltz-」、そしてジャズの要素を取り入れた「Already Stead-すでにステディ-」など、キャッチーなポップソングはありませんが、ダンサナブルで、しかし大人の渋みをあわせもったナンバーが続きます。

ラストはスティールパンの音色が美しい、のんびりテンポの「Sugar Fountain-楽園の泉にて-」で締めくくり。ラストを締めくくるチルアウトナンバーって感じでしょうか?アルバム1枚を通じて、ライブを意識しているのでしょうか、そのままライブで踊りまくりたいような曲が並んでいました。

スカパラのスタンダードともいえるスカのダンスチューンの連続に、心躍る作品でした。

しかし、王道とはいっても決してマンネリじゃないんですよね。それって、上にも書いたように、同じスカといっても、その多彩なバリエーションや、楽曲の中に確かに感じるポップなメロディーラインが、楽曲を決してマンネリにさせない大きな要因でしょうか。加えて、結成から既に20年以上が経っているにも関わらず、いまだに新人バンドのような勢いを、彼らの楽曲からは感じられるのが、決してマンネリに陥らない大きな要因でしょう。

スカパラの確かな実力と、そしてその勢いを感じられる名盤です。

評価:★★★★★

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2009年3月 4日 (水)

根強い人気

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、またもやシングルチャートは新譜ラッシュ。10曲中8曲が初登場という結果となりました。

その中で1位を獲得したのは、浜崎あゆみ「Rule」で、これで20作連続1位だそうです。

なんだかんだいっても根強い人気ですね・・・。ちなみにこの曲はハリウッド映画の「DRAGONBALL EVOLUTION」、あのドラゴンボールの実写映画のテーマソングだそうで、よくある「日本のみの」ではなく、全世界でこの曲がテーマ曲として使われるそうです。

以下、2位以下初登場は・・・

2位 星に願いを/flumpool
4位 STRENGTH./abingdon boys school
5位 さよならは言わない/小田和正
6位 GOOD BYE MY SCHOOL DAYS/Dreams Come True
7位 piece/新垣結衣
8位 バイバイ/大塚愛
10位 親友よ/湘南乃風

flumpoolはアルバムに続き、シングルでも大ヒット。名実ともにヒットシンガーの仲間入りといったところでしょうか?

abingdon boys schoolは、ご存知T.M.Revolution西川貴教のバンド。本作は、初動2万7千枚なのですが、この数字は前作、前々作と全く同じ・・・完全に固定ファン型のバンドになっていますね。

5位6位はベテラン勢が並んでいます。小田和正も根強いですね。6位ドリは、カップリングに、オレスカバンド、多部未華子、FUZZY CONTROLによる同曲のカバーが収録されている点がとてもユニーク。特にオレスカバンドは、最近注目のバンドなだけに、気になるところ。

新垣結衣は、デビューから3枚目ながら、初動5万3千枚→3万4千枚ときて本作は初動1万8千枚。ちょっと後がなくなってきた感じが。ただ、歌手が本業じゃないだけに、CDの売上が落ちたら、歌手としてはフェイドアウトしそうだな。

大塚愛は、アルバムからのリカットなので、ベスト10入りは健闘といったところでしょう。

湘南乃風は・・・わぁ、「らしい」タイトルだなぁ。品川祐の小説「ドロップ」の映画版のテーマ曲、ってこれもまんまヤンキー系という発想からの抜擢だよな。ただ、初動売上の方は、前々作3万3千枚、前作3万枚から、一気に1万4千枚まで急落。後がなくなってきましたね。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートでは、アンジェラ・アキ「ANSWER」が見事1位にランクイン。前作の「TODAY」に続く1位獲得となりました。ただ、初動は前作の8万9千枚から7万4千枚にダウン。「手紙~拝啓、十五の君へ~」が話題となりロングヒットを記録したのですが、残念ながら、曲への人気に留まり、ミュージシャンへの人気波及には至らなかった模様です。

2位は、今、なにかと話題のJ Soul Brothers「J Soul Brothers」がランクイン。EXILEと「合併」することになったグループですね(^^;;外野から見ていて、この「合併」劇は、話題性だけで、いまひとつメリットもわからないのですが・・・なんなんでしょうか??

4位には、ご存知アイルランド出身の人気ロックバンドU2のニューアルバム「No Line on the Horizon」がランクイン!前作はグラミー賞7部門に輝くなど、大きな評価を受けましたが、さてさて本作は??

そして5位6位には、Tommy february6と、Tommy heavenly6のベスト盤が仲良くランクイン。ただし、トミフェブが初動3万1千枚、トミヘヴが初動2万8千枚と、微妙にトミフェブの勝利となりました。

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2009年3月 3日 (火)

今のヒットシーンの状況がわかるオムニバス

Title:モバうた

モバうた

いわゆる「着うた」でヒットした曲を集めたオムニバスアルバム。

青山テルマの「そばにいるね」や、Spontania feat.JUJUの「君のすべて」といった、「着うた」からヒットして話題になった曲がズラリと並んでいます。

いかにもなジャケットから、手にとるのはためらわれるアルバムなのですが、ザッと今時のヒットシーンの状況を知るためには、手っ取り早い1枚と言えるでしょう。「今どきのヒット曲はよくわからない」なんて言い出したおじさんおばさんにはピッタリのアルバムかも(笑)。

まあ、いまさらかもしれないのですが、この「着うた」主導のヒット曲を聴いて感じるのは、露骨にリスナーを泣かせようとする曲が多いという点でした。「そばにいるね」「君のすべて」をはじめといい、「愛しい人へ」「1/6000000000」、さらにはラストの「旅立つ日~完全版~」といった曲まで、「泣き」を目的に機能化したような曲が並んでいます。

この「泣かせる曲」というのは、「着うた」に限らずここ最近の傾向みたいで、こんなそのまんまな番組が放送されていたり、こんなアルバムまでリリースされていたりします。

なぜ、こういう「泣ける曲」がヒットしているのでしょうか?「昨今の不況の影響で・・・」といいたいところなのですが、少なくとも青山テルマがヒットした頃は、まだ世の中は、(格差社会など暗い話題もあったものの)好況にわいていました。

個人的に思うのは、ここ最近、多様化社会、情報化社会となり、ありとあらゆる価値観の人たちがあらわれ、ありとあらゆる情報が入ってくるようになった結果、世の中が、簡単に善悪で割り切れない複雑な状況になった影響があるんじゃないかなぁ、と思います。

その結果として、単純な感情の発露である「泣く」という行為を求められるようになったのではないでしょうか。しんみりとする曲、悲しい曲を聴いて泣くという行為に、難しい背景は不要です。世の中のしくみが複雑で、様々な人の立場を考えなくてはいけなくなった今の世の中だからこそ、難しいこと抜きに感情を発揮できる「泣ける曲」を人たちが求めるようになったのではないでしょうか。

もちろん、「泣く」ことに機能化してしまった曲は、全く深みがなくて曲としての面白みはありません。このアルバムに収録している曲も「ここにいるよ」「そばにいるね」くらいまではまだしも、その後は女性ボーカル+ラップというスタイルの縮小再生産の薄っぺらい曲ばかり。もうひとつの軸である「泣けるレゲエ」路線も、結局似たような曲ばかりが並んでいます。

でも、ひとつの機能に特化した曲がヒットシーンを席巻するという現象って、今にはじまった話じゃないですよね。80年代はディスコブームの中、「踊る」という機能に特化した、軽薄なディスコソングが、90年代はカラオケブームの中、「歌える」という機能に特化した曲が次々とヒットを飛ばしました。そう考えると、今の「泣ける曲」ブームも、繰り返されるヒットシーンの流れのひとつに過ぎません。

おそらく、ここに収録されている曲の大半が、5年後、いや2,3年後には嘲笑と共に思い起こされるような曲になるでしょう。ただ、それは80年代のディスコブームや90年代のカラオケブームの時と同じこと。ここらへんの軽薄な「着うた」系ヒット曲を取り上げて、「今のヒットシーンはつまらん」なんて言うつもりは全くありません。むしろ、これらの曲がチャートを占拠することなく、アイドル系、アニメソング、ビジュアル系、バンド系、HIP HOP系が割拠する今のヒットチャートは、ビーイング系、小室系がベスト10を占拠していた90年代のヒットチャートよりもよっぽどおもしろいのではないだろうか、とすら思います。

曲の良し悪しはともかく、今という時代を実によく反映した、今の時代のヒット曲がずらりと並んだ、ある意味「よく出来たオムニバス」だと思います。今、この瞬間だからこそ聴く価値のあるアルバム。多分、1年後・・・いや半年後だと、もう聴けなくなっているかも(^^;;

以下、何曲か個別に思ったことを・・・

にんげんっていいな/ガガガDX・・・実はこのアルバムを聴こうと思った理由の半分以上はこの曲を聴きたかったから(^^;;ご存知、ガガガSPの拡大版企画モノバンドで、この曲はあの「まんが日本昔ばなし」のエンディングのカバー。曲自体は原曲を単純にOiパンク風にアレンジしただけでおもしろ味もなにもないのですが、ノスタルジーを感じて、私はこの曲で泣けてきました(笑)。この曲が流れていた土曜日の夜って、「まんが日本昔ばなし」→「クイズダービー」→「全員集合orひょうきん族」の黄金編成だったんだよなぁ。当時はまだ土曜日が休みじゃなかったから、休みの前日ということで、すごく楽しい気分になりながら、テレビに食いついていたんだよなぁ・・・・・・すいません、おやじモードで(笑)。

六本木~GIROPPON~/鼠先輩・・・あれだけプッシュされながらほとんど売れず、売れなかったにも関わらず「売れた」ことにされてしまっている不思議な曲(笑)。すごいチープな曲なんだけど、こういうチープな笑いって嫌いじゃないんだけどなぁ。ただ、「ぽっぽ」繰り返すだけの単調な笑いが狙いすぎていてつまんなかったのと、鼠先輩というキャラクターが受けなかったのと・・・まあ、後付の考察ですね。何がヒットするかって、本当にわかんないです。

旅立ちの日~完全版/JULEPS・・・ある意味、もっとも露骨な「泣ける歌」(苦笑)。「人の死」という普遍的なテーマをモチーフにして、歌詞から徹底的に具体性をなくすことによって誰もが「自分にもあてはまる」と錯覚させる手法は、ヒット曲の王道(笑)。簡単に書いていてけど、そう簡単に出来るものじゃなくて、それをさらりと書けてしまうのはさすが秋元康といった感じかなぁ。ただ、最高位11位でお世辞にも「大ヒット」とは言い難いところは微妙なのですが。狙いが露骨すぎたのかな?

評価:★★★

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2009年3月 2日 (月)

ちょっと物足りない

Title:SUPER ROOTS 10
Musician:BOREDOMS

SUPER ROOTS 10

ボアダムスのSUPER ROOTSシリーズの第10弾。

今回は、46分尺のアルバム・・・なのですが、全6曲入りで、3曲目から6曲目がリミックス。1曲目「SUPER ROOY」が、音なしの内容になっているので、事実上、2曲目「ANT10」のみの内容となっています。

正直、前作「77 BOADRUM」も、内容は素晴らしいながらも、ビミョーに高めの値段設定をしていたり、本作も、新曲1曲のみ(まあ、彼らの場合は、その1曲でアルバム1枚分というスケールの曲も多いのですが、今回の「ANT10」は9分と、彼らにとっては短め(?))。ちょっとこういう商法ってどうよ、と思わざるを得ない部分もあったりして・・・このアルバムに関しては、物足りなさも感じました。

ただし、その唯一(?)の新曲「ANT10」については、文句なしの内容になっているところがさすが、といった感じ。

彼ららしいトランシーなドラムのリズムに、今回はシンセの打ち込みのリズムがのる形。ドラムの大音量とすさまじい勢いで、リスナーを圧巻する、という作風ではなく、スペーシーに音に空間の広がりを感じる楽曲。心地よいリズムを聴いているうちに、いつのまにかトラップしてしまっている、といった印象でしょうか?

音の雰囲気が軽いので、ポップにも感じられるのですが、それだけに、間口が広くて奥行きが深い楽曲だといえるでしょう。過度にマニアックにならず、比較的多くのリスナー層が楽しめる作風になっています。

リミックス作品に関しては、いずれもテクノ色が強い作品で、元曲のイメージをそのままリミキサーの解釈で拡大している感じを受けます。

楽曲の出来自体は悪くないとは思うんですけどね。ただ、やはりアルバムの内容的には物足りなさも感じてしまいました。次はフルアルバムを聴きたいなぁ。

評価:★★★★

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2009年3月 1日 (日)

大人たちの遊び場

Title:シャンブル
Musician:ユニコーン

《送料無料》ユニコーン/シャンブル(通常盤)(CD)

今年、正月早々飛び込んできたビックニュース。ユニコーン再結成!!80年代から90年代初頭にかけて活躍したバンド。あの奥田民生がかつて所属していたバンドですね・・・・・・(という言い方で語られるのがなんとも時の移り変わりを感じてしまいます)

ただ、以前にも書いたとおり、バンドの再結成は、素直に喜べない部分があります。ましてやここ最近の再結成ブームは、あきらかに、CDが売れなくなってきたから、昔のバンドを引っ張り出して、CDを買わなくなった30代40代の世代に売りつけようという魂胆がミエミエ。再結成ブームに関しては、いくつも疑問符がついてしまいます。

しかし、そこらへんを差し引いてもなお、新曲「WAO!」のPVには思わず見入ってしまって、どこかうれしく感じてしまいました。

昔のユニコーン、そのまんまだったから。

その上、音楽的には、どこか大人の余裕というか、ひとまわりふたまわりの成長を感じられ、単純なノスタルジックとは違う期待をもてる部分も感じられたから。

そして届いたユニコーンの新作。メンバーが作詞作曲やボーカルも分担しているのは以前同様なのですが、その作風が見事バラバラになっていました(笑)。

奥田民生の楽曲は、「スカイハイ」といい「パープルピープル」といい、ダラダラした雰囲気がたまらないし、阿部義晴は「WAO!」といい、「R&R IS NO DEAD」といい、60年代のオールドスタイルロック風。また、EBIちゃんの楽曲は、どこかおしゃれな雰囲気をかもし出していたり、「AUTUMN LEAVES」みたいなエレクトロニカ風の実験的な作風を取り入れていたり・・・。

他にも電子音を大々的に入れてきた「キミトデカケタ」や、歌謡曲風の「ザギンデビュー」、DEEP PURPLEあたりを彷彿とさせる「オッサンマーチ」など、作風は最後の最後まで見事バラバラ。メンバーそれぞれが(いい意味で)好き勝手につくってきた感がありありと感じられます。

普通、このタイプの、メンバーそれぞれがバラバラな作風のアルバム・・・といえば、しばしば解散直前のアルバムだったりするんですよね。THE BEATLESのホワイト・アルバムしかり、THE BLUE HEARTSの「PAN」しかり。

しかし、このアルバムからは、そんな雰囲気は微塵も感じられません。むしろメンバーそれぞれが大人としての関係を保って、ほどよい距離を保ちながら、好き勝手に楽しんでいる、そういう印象を強く受けます。

いわば「大人の遊び場」。このアルバムは、そんな印象を受ける作品でした。

それだけに傑作であったのは間違いないのですが、もろ手をあげて最高傑作というには少々物足りない点が・・・。

なんだろうなぁ、と思ったのですが、奥田民生がちょっと後ろに下がっているんですよね。

初回限定特典のDVDの中では、「ソロとバンドは変わらない」と語っていて、実際、彼の楽曲は、ソロとしてリリースしてもおかしくない曲ばかりなのですが、全体としてかなり地味。やはり既にソロで成功している彼が前に出てしまうと、目立ちすぎてしまう部分もありため、あえてバンドとしては後ろに引いたのでしょうか。

それなので、アルバム全体として核になるような曲が、「WAO!」以外になくて、ちょっと物足りなさを感じてしまう部分もありました。

もっとも、今なお圧倒的な個性とその実力を感じられる傑作であることは間違いありません。

これ1枚で終わり・・・じゃなくて、本格的に再結成して、これからも活動を続けて欲しいなぁ。中途半端な形では終って欲しくないんですよね。これからにも期待しています!!

評価:★★★★★

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