バンドとしてのEGO-WRAPPIN'
Title:EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
Musician:EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
ベスト盤のリリースはあったものの、実に2年9ヶ月ぶりとなるEGO-WRAPPIN'のニューアルバム。
ベスト盤のレビューの時、彼女たちに関して、「隙のなさを感じる」という感想を述べました。
実際、彼女たちの音楽が、初期の段階から完成されているからこそ、その後、「merry merry」や「OH THE ROCKS」などのアルバムでは、様々な音楽にも挑戦してきたりして、その音楽が最初から完成されているがゆえ、早い段階からマンネリ化することを避けようとしているように感じます。
その後のEGO-WRAPPIN'として新作をリリースしてこなかったのも、彼女たちにとって、やりつくした感があったのかもしれません。
そして、2年9ヶ月の日々を経てようやくリリースされたニューアルバム。今回は、アルバム名義を「EGO WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX」とバックバンドの名称も加えることによって、新たな活路を見出そうとしているように感じます。
そのため、楽曲の雰囲気としては、ジャズ、ブルース、昭和歌謡曲を交えた、王道のEGO-WRAPPIN'路線になっています。ただ、その一方、バンドサウンドを今まで以上に前に押し出し、あくまでもバンドを含めたみんなが主役、という面を強調していました。
EGO-WRAPPIN'としての活動に、バンドの側面を多く取り入れることにより、もう一度、その世界観の再構築をはかろう、としているのではないでしょうか?テンポのよい、ヘヴィーで、しかしジャジーな雰囲気を持つバンドサウンドに、中納良恵の、色っぽさのある特徴的な声がのる・・・ま、スタイルとしては以前のEGO-WRAPPIN'と大きく変化するものではないものの、バンドとして、新たな一歩を歩き出そうという、彼女たちの意気込みは感じられる作品でした。
評価:★★★★
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