喰い散らかしっぱなし
Title:JTK
Musician:Jazztronik
ああ、そうっか。こういうタイプの音楽をクロス・オーバーって言うんですね。
なんて言い方をすると、すごく皮肉めいて聞こえるかもしれませんね。でも、このアルバムを聴いてまず感じたのは
いろいろなジャンルの音を喰い散らかしているなぁ
という印象。
テンポのよい、王道ともいえるハウスチューンの「Oneness」からスタートし、小泉今日子がボーカルに参加し話題となった「Click Clock」はどこか童謡風。
その後も、ジャズの要素を強く加えた「Peche Mignon」「情熱」、フュージョンのテイストが強い「Real Clothes」、ジャズボーカルをしんみりと聴かせる「For You」に、今風のエレクトロサウンドに影響を受けたような「ユメノツヅキ」など、実に雑多な展開が続いていきます。
それをどれもポップで耳ざわりがよくて、いわゆる「クラブ系」と呼ばれる音が続いているのですが、決してマニアックにならず、広いリスナー層を取り込めるような音作りが続いています。
そうだよなぁ、Jazztronikって、まさにこういうタイプのミュージシャンなんだよなぁ。
はっきりいって、アルバム全体として、ひとつの軸みたいなものは感じられません。ただ、「喰い散らかしっぱなし」という、この一体感のなさこそ、逆にJazztronikらしさなのかもしれません。
1曲1曲はしっかり作りこまれているので、気軽にハウス系の音楽を聴いてみたいというリスナー層にはピッタリの1枚。ただ、あきらかにポップ狙いの作風は、少々あざとさも感じられてしまうのも事実なのですが・・・。
評価:★★★★
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