安定感のある新作
Title:アンテナ
Musician:GO!GO!7188
カバーアルバムやライブアルバムをはさんで、約1年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム。
良くも悪くも安定感のあるアルバムだなぁ、ということを感じました。GO!GO!7188らしさ、というものを、本人たちもきちんと把握した上で、「らしい」作品が並んでいるような、そんな作品、といっていいでしょうか。
例えば、和風な作品に仕上げた「ちんとんしゃん」や、疾走感がありポップな「片思いファイター」、ハードコア風のアレンジと、ユニークな歌詞の対比がおもしろい「on the まゆ毛~切りすぎて~」など、いかにもGO!GO!7188らしい作品といえるでしょうか。
もちろん、こういう「期待されている楽曲」をきちんとつくってこれるあたり、彼らの実力でしょう。また、勢いで走り続けていた初期と比べると、大きな成長といえるかもしれません。
ただ、無邪気さと少々暴走気味ともいえるような勢いを感じさせた初期の作品と比べると、やはり物足りなさは感じてしまいます。特にこの作品は、ポップで、GO!GO!らしさを前に出してまとめあげられているだけに、その初期との差を感じてしまいました。
もっとも一方で、「満天の星 春の庭」では、勢いや、ベタに叙情的な雰囲気に頼るのではない、聴かせるメロディーが彼らの次の可能性を感じさせますし、また、ターキーやアッコもボーカルをとった「雨の日だけの恋」もまた、GO!GO!の音楽の広がりを感じさせるなど、さらなる一歩も感じることが出来る作品だったと思います。
ある種の無難さも含めて、ファンにはまあ楽しめた作品だったのではないでしょうか。もっとも、その「ある種の無難さ」が物足りなさを感じてしまうのですが・・・。そういう意味で、良くも悪くも彼ららしい作品であると同時に、次の一歩の可能性も垣間見れる作品でした。次回作のさらなる成長を期待したいところです。
評価:★★★★
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