現状では「ハイプ」だよなぁ。
Title:RAINBOW
Musician:福原美穂
デビュー当初から、その歌唱力で、随所で絶賛を集めた彼女。
Yahoo!Musicの彼女の紹介によると・・・
「2008年2月、日本人として初めて、米・LAの黒人教会にて"奇跡の子”と称される伝説のパフォーマンスを披露、黒人教会220年の歴史を変えたと、賞賛を受ける。」
・・・・・・ホントかよ(苦笑)。
厳しいことをいってしまうと、このアルバムを聴く限り、とてもそこまでの歌唱力があるとは思えません。
確かに声量はあります。しかし、歌い方は平坦だし、表現力も気迫。特に先行シングルの「LOVE~winter song~」など、かなり平凡な歌い方に感じます。
楽曲にしても、いかにもその「声量」を聴かせようとするバラードや、しんみりと聴かせるタイプの曲が並んでいるのですが、それらの曲は、いずれもここ最近ではありふれたR&B風ポップスにすぎません。
はっきりいってしまうと、ドリカムやMISIAあたりの二番煎じ。ドリカムとかMISIAが出てきた時は、ああいうスタイルが非常に新鮮味があってユニークだったけど、今出てきても、ねぇ。
はっきりいって、現段階では、完全にハイプですね(苦笑)。
・・・・・・
って、完全に彼女のことを貶してきたのですが、実は言うと、このアルバム、前半に関しては、「かなりおもしろいのでは?」と思っていたんです。
特にファンキーなナンバーである「CHANGE」や「Lost Control」がかなり良かったと思います。というのも彼女、確かに表現力という面ではまだまだ課題を残しているのですが、リズム感がいいんですよね。表現力というものは、今後、成長するにつれ、いくらでも身についていくと思うのですが、彼女が持っている声量とリズム感は天性のもの。そういう意味では、かなりのポテンシャルをひめたシンガーなのは間違いないと思います。
こういうファンク色の強い女性シンガーって、ヒットシーンではあまり少なく、女性シンガーでR&Bで、というと、どうしてもバラードか、HIP HOP系を歌わされる傾向にあるだけに、これだけファンキーな曲を歌えるというのは、彼女にとってもかなりの強みだと思うんですけどね。
しかし、後半にいくにつれ「いかにも売れ筋のR&B風ポップス」を歌わされている彼女の姿は、レコード会社によって無理やりに売り出されようとしている感が否めません。
実力があるのは間違いないと思います。ただ、まだまだ成長の途上という感じがするし、歌っている曲も平凡すぎる・・・。今後の成長、売り方次第ではかなりおもしろいシンガーだと思うのですが、ちょっと目先の売上を狙いすぎているんじゃないのかな??
今後に期待したいところだけど、小柳ゆきみたいに成長してきたと思ったら消えてしまうような事態にならなければいいんですけどね・・・ちょっと心配です(^^;;
評価:★★★★
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