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2009年2月

2009年2月28日 (土)

コーラスが心地よい

Title:おとし玉~ベリー・ベスト・オブ音速ライン
Musician:音速ライン

おとし玉~ベリー ベスト オブ 音速ライン (通常盤)

音速ラインに関しては、以前はとりあえずアルバムはチェックしていたのですが、アルバムの印象はあんまり良いものではなく、最近は少々遠ざかっていました。最新のアルバムは未チェックですしね。

このアルバムに関しても、最初は聴こうかどうか迷っていたのですが・・・いざ聴いてみると、これが意外とよくて、彼らに関して、見直してしまいました。

どこか和風なテイストを感じさせるメロディアスなパワーポップが特徴的。特に印象に残るのはボーカルのコーラスラインで、彼らの曲全体に貫かれている特長となっていて、彼らのこだわりであることがわかります。

中盤までは、似たようなナンバーが多く、正直飽きてくるような印象もあるのですが、ここ最近の曲になるとバラエティーが増してきています。

ラップを取り入れて、独自の方向性に挑戦している「半分花」など、聴かせるナンバーも増えてきていますし、特に「ポラリスの涙」など、胸に響くようなメロディーは非常に魅力的。彼らの成長を感じます。

予想以上におもしろかったです。これからが、まだ楽しみなバンドですね。次のアルバムはまた聴いてみようっと。

評価:★★★★

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2009年2月27日 (金)

現状では「ハイプ」だよなぁ。

Title:RAINBOW
Musician:福原美穂

RAINBOW

デビュー当初から、その歌唱力で、随所で絶賛を集めた彼女。

Yahoo!Musicの彼女の紹介によると・・・

「2008年2月、日本人として初めて、米・LAの黒人教会にて"奇跡の子”と称される伝説のパフォーマンスを披露、黒人教会220年の歴史を変えたと、賞賛を受ける。」

・・・・・・ホントかよ(苦笑)。

厳しいことをいってしまうと、このアルバムを聴く限り、とてもそこまでの歌唱力があるとは思えません。

確かに声量はあります。しかし、歌い方は平坦だし、表現力も気迫。特に先行シングルの「LOVE~winter song~」など、かなり平凡な歌い方に感じます。

楽曲にしても、いかにもその「声量」を聴かせようとするバラードや、しんみりと聴かせるタイプの曲が並んでいるのですが、それらの曲は、いずれもここ最近ではありふれたR&B風ポップスにすぎません。

はっきりいってしまうと、ドリカムやMISIAあたりの二番煎じ。ドリカムとかMISIAが出てきた時は、ああいうスタイルが非常に新鮮味があってユニークだったけど、今出てきても、ねぇ。

はっきりいって、現段階では、完全にハイプですね(苦笑)。

・・・・・・

って、完全に彼女のことを貶してきたのですが、実は言うと、このアルバム、前半に関しては、「かなりおもしろいのでは?」と思っていたんです。

特にファンキーなナンバーである「CHANGE」「Lost Control」がかなり良かったと思います。というのも彼女、確かに表現力という面ではまだまだ課題を残しているのですが、リズム感がいいんですよね。表現力というものは、今後、成長するにつれ、いくらでも身についていくと思うのですが、彼女が持っている声量とリズム感は天性のもの。そういう意味では、かなりのポテンシャルをひめたシンガーなのは間違いないと思います。

こういうファンク色の強い女性シンガーって、ヒットシーンではあまり少なく、女性シンガーでR&Bで、というと、どうしてもバラードか、HIP HOP系を歌わされる傾向にあるだけに、これだけファンキーな曲を歌えるというのは、彼女にとってもかなりの強みだと思うんですけどね。

しかし、後半にいくにつれ「いかにも売れ筋のR&B風ポップス」を歌わされている彼女の姿は、レコード会社によって無理やりに売り出されようとしている感が否めません。

実力があるのは間違いないと思います。ただ、まだまだ成長の途上という感じがするし、歌っている曲も平凡すぎる・・・。今後の成長、売り方次第ではかなりおもしろいシンガーだと思うのですが、ちょっと目先の売上を狙いすぎているんじゃないのかな??

今後に期待したいところだけど、小柳ゆきみたいに成長してきたと思ったら消えてしまうような事態にならなければいいんですけどね・・・ちょっと心配です(^^;;

評価:★★★★

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2009年2月26日 (木)

ミュージシャン名はユニークだけども。

Title:WONDER WHEEL
Musician:サイプレス上野とロベルト吉野

WONDER WHEEL

「サイプレス上野とロベルト吉野」という列記としたミュージシャン名・・・パッと名前だけ見た時は、正直、いわゆるムード歌謡風のポップスを歌っているかと思いました(^^;;・・・彼ら、いま話題の実力派ラッパーたちです。

個人的に、いまだに今の日本のミュージックシーンで、一番勢いがあるのはHIP HOPだと思っていて、ここ最近、アルバムを聴いて衝撃を受ける、なんて経験をするのが一番多いジャンルがHIP HOPだったりします。

以前から、「サイプレス上野とロベルト吉野」という名前と、その高い評判は聞いていただけに、そういう「衝撃」をこのアルバムから期待していたのですが、その点に関しては、期待はずれでした(笑)。

しかし、サイプレス上野とロベルト吉野、彼らが実力のあるラッパーだということは、このアルバムから、実によく理解が出来ました。

彼らの作品は、バラエティーあふれるHIP HOPを、ポップな曲調でまとめあげています。

例えば、女性ボーカルがかわいらしい、ポップな「WONDER WHEEL」、ミニマルなシンセのピアノが印象的な「START LINE」、ロック色の強い「IT'S MY TURN」、テクノテイストの「FEEL LIKE DANCE」に、母親への愛情を歌ったメロウな「Dear MaMa」、そしてラストはアゲアゲなパーティーチューン「ZZ CAMP FIRE」と実にバラエティー豊か。

一方では、様々なナレーションなどの音をサンプリングした「契り外伝 pt.II」など、ユーモラスも、アルバムの随所にちりばめられています。

これだけポピュラーテイストにあふれていながら、基本的なフォーマットはしっかりとHIP HOPというジャンルに足をつけています。単調なポップではなく、様々なサウンドを取り込んだトラックは、楽曲をしっかりと支えており、最後までリスナーを飽きさせません。

結構、ポップテイストのラッパーなので、もっと知名度もあがってもいいと思うんですけどね。やはりHIP HOPというジャンルは、まだまだ私が知らない実力派がたくさんひしめきあっているみたいですね。このシーンからは今後も目が離せなさそうです。

評価:★★★★★

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2009年2月25日 (水)

11年目にして初&14年ぶり

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

タイトルは今週のシングルとアルバムの1位について。今週はシングルもアルバムも、長い間人気を確保しつづけたミュージシャンたちの快挙が相次ぎました。

まずはシングル。今週1位を獲得したのがaiko「milk」。なんと、彼女、デビュー11年目にして初の1位獲得だそうです。

ちょっと意外といえば意外だけど、彼女はどちらかというとアルバム型のシンガーで、シングルではあまり爆発的に売れた曲がないだけに、そんなものか、といわれればそんなものか、といった感じで・・・。

また、初の1位とはいえ、初動で7万1千枚という数字は、前作「KissHug」の初動7万5千枚という数字よりはランクダウン。そういう意味では、チャートの谷間に入った偶然の結果といえるかもしれません。ただaikoは初動の数値が、ここ数年、6万~7万という安定感を保っていて、変わらぬ人気を続けているという意味では、やはりすごい、といえるのかも。

以下、今週はまだaikoを含め、ベスト10のうち8曲が初登場というすさまじいチャートとなっています。

ベスト3はいずれも初登場で、2位Acid Black Cherry「眠り姫」、3位モーニング娘。「泣いちゃうかも」がそれぞれランクインしています。モーニング娘。は、前作の初動3万8千枚を上回る初動4万4千枚を記録。すっかり一部のファン層だけの人気になったとはいえ、ようやく下げ止まった感があるのかな?

残りの初登場曲は6位以下にずらりと4曲並んでいます。

6位 GRAND FINAL/BREAKERZ
7位 桜/FUNKY MONKEY BABYS
8位 永遠/BoA
9位 孤高のプライド/雲雀恭弥
10位 Crazy For You/谷村奈南

そろそろBREAKERZの名前でも人気があがってきたDAIGO率いるバンドの新曲が6位初登場。ただ、自己最高位ながらも、初動では前作の1万9千枚を下回る1万7千枚。ちょっと苦戦気味です。

BoAも、ここ最近はすっかり人気が落ち込み気味。前作「Vivid」はドラマ主題歌ということもあり、初動2万枚を記録したものの、本作は初動1万5千枚と、こちらも苦戦しています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは、ユニコーンの再結成後初となる実に16年ぶりとなるニューアルバム「シャンブル」が1位を獲得しました。

ユニコーンの1位獲得は、解散後リリースされた「THE VERY RUST OF UNICORN」より14年10ヶ月ぶり。また、再結成バンドの1位獲得は、かぐや姫以来2組目だそうで、その変わらぬ・・・というよりも、奥田民生人気などにより、さらに高まった人気のほどを実感させられます。

つーか、解散前最後のオリジナルアルバム「SPRINGMAN」は、初動で11万枚だったんで、今回、初動15万枚と、往年の人気を超える勢いなんですよね。確かに、解散後に、はじめてユニコーンにはまったって人も多いんですよね。しかし、すごいなぁ・・・。

以下今週はアルバムチャートも、ベスト10のうち5枚が初登場というチャートとなりました。そして、その5枚がいずれもロック系のアルバムというのが特徴的。最近はHIP HOPやR&Bにおされぎみながらも、いまだにかわらないロックの人気を感じさせます。

その中で目立つのが、5位「GUITARHYTHM V」布袋寅泰も、7位「memento mori」BUCK-TICKといった80年代の生き残り勢。いまだに変わらぬ人気を誇る点もすごいところ。

もちろん一方では、ここ最近人気を集めてきた新顔も。2位「AwakEVE」UVERworld、3位「VERY BEST CRUSADERS」BEAT CRUSADERSあたりは新顔・・・といいたいけど、ビークルはもう結成からそろそろ10年以上たつベテランかぁ。UVERworldは、前作「PROGLUTION」の初動10万1千枚から11万枚にわずかに上昇。人気のほどを感じさせます。

最後にもう1枚。8位にイギリスのテクノ・ロックユニット(←って言い方でいいのか?)The Prodigy「Invader Must Die」がランクインしてきました。かにのジャケットで有名な、「The Fat of The Land」以来、高い人気を誇るユニット。ただ、前作「Always Outnumbered, Never Outgunned」の初動3万2千枚を下回る1万5千枚という結果に・・・ちょっと残念です。

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2009年2月24日 (火)

昔のJAPANESE?

Title:SERIOUS JAPANESE
Musician:TERIYAKI BOYZ

SERIOUS JAPANESE

ここ最近は、「牧瀬里穂の旦那」といった方が、お茶の間レベルでは有名となったNIGO率いるHIP HOPユニットの第2弾。

前作も、かなり豪華なプロデューサー勢で話題となった彼らでしたが、今回もかなり豪華。「Work That」「Tokyo Drift」ではThe Neptunes、「Teriyaki King」「I Still Love H.E.R.」ではKanye West、さらにはBeastie BoysのADROCKや、日本からもcorneliusにTEI TOWA・・・・・・。

これだけ豪華な面子だけあって、楽曲の作りこみ方は、とんでもない内容になっています。どこかエスニックテイストを感じられるThe Neptunesのアレンジや、corneliusの作品は、様々な音をサンプリングしていてユニーク。基本的にハード志向ながらも、様々な作風の曲も楽しめます。

それだけ豪華な内容なだけに、聴きごたえはある内容なんですが・・・なんか聴いた後、豪華なプロデューサーによるアレンジばかりが目について、肝心の中身にほとんど印象が残らないんですよね。

メンバーはもちろん、RIP SLYMEのILMARIにRYO-Z、m-floのverbalと、それぞれの活動では個性的なキャラ・・・のはずなんですが、そういったメンバーの個性をほとんど感じられません。

こういっちゃなんだけど、中身にいまひとつ自身がないから、世界中から豪華なゲストを呼んで、なんとか外見を取り繕いました・・・みたいな印象を受けてしまいました。

「SERIOUS JAPANESE」というタイトルだけど、なんか、お金にモノを言わせて世界中の「宝」を買いまくっていた、バブル期の日本人を思い出しちゃうんだうね、なんだか。

評価:★★★

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2009年2月23日 (月)

喰い散らかしっぱなし

Title:JTK
Musician:Jazztronik

JTK

ああ、そうっか。こういうタイプの音楽をクロス・オーバーって言うんですね。

なんて言い方をすると、すごく皮肉めいて聞こえるかもしれませんね。でも、このアルバムを聴いてまず感じたのは

いろいろなジャンルの音を喰い散らかしているなぁ

という印象。

テンポのよい、王道ともいえるハウスチューンの「Oneness」からスタートし、小泉今日子がボーカルに参加し話題となった「Click Clock」はどこか童謡風。

その後も、ジャズの要素を強く加えた「Peche Mignon」「情熱」、フュージョンのテイストが強い「Real Clothes」、ジャズボーカルをしんみりと聴かせる「For You」に、今風のエレクトロサウンドに影響を受けたような「ユメノツヅキ」など、実に雑多な展開が続いていきます。

それをどれもポップで耳ざわりがよくて、いわゆる「クラブ系」と呼ばれる音が続いているのですが、決してマニアックにならず、広いリスナー層を取り込めるような音作りが続いています。

そうだよなぁ、Jazztronikって、まさにこういうタイプのミュージシャンなんだよなぁ。

はっきりいって、アルバム全体として、ひとつの軸みたいなものは感じられません。ただ、「喰い散らかしっぱなし」という、この一体感のなさこそ、逆にJazztronikらしさなのかもしれません。

1曲1曲はしっかり作りこまれているので、気軽にハウス系の音楽を聴いてみたいというリスナー層にはピッタリの1枚。ただ、あきらかにポップ狙いの作風は、少々あざとさも感じられてしまうのも事実なのですが・・・。

評価:★★★★

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2009年2月22日 (日)

ここから、いろいろはじまりそう。

Title:NOTEBOOK II~冒険ノート中~
Musician:榎本くるみ

NOTEBOOK2~冒険ノート中~

BUMP OF CHICKENの藤原基央が楽曲を提供して話題となった「冒険彗星」がヒットし、いきなりブレイクした榎本くるみの2枚目のアルバム。

鬼束ちひろを思いおこさせるような、力強くも癖のあるボーカルが魅力的。その芯の通ったボーカルは、聴いていてひきつけられるものがあります。

ただ、このアルバムを聴いて、後半までは、聴いていて、厳しいなぁ・・・と感じるものがありました。

それは、彼女の楽曲に、あまりにもそのまんま90年代のガールズポップの路線を感じたからです。

ポップで、元気のある楽曲は、さながら全盛期の永井真理子・・・というにはボーイッシュさが少々足りないので、雰囲気としては、近藤名奈とか相馬裕子あたりを思い出しました(・・・ってこれまた懐かしい名前を・・・(^^;;)

例えば「エメラルド」「みんな元気」など、まさに王道ともいえる90年代のガールズポップ。上にあげた名前に、懐かしいと感じられる方なら、これらの曲には、ノスタルジックすら感じられて、かなりはまってしまうのではないでしょうか。

確かに私も、こういう路線は決して嫌いではありません。むしろ好きな方です。ただ、あまりにも90年代そのまんまの路線に、あまり新鮮味は感じられず、高い評価も出来ずにいました。

特に「夕陽が丘」みたいにまんま昔のハードロックに、過剰ともいえるアレンジを加えるのは、90年代の売れ線そのまんま。今さら・・・とも思ってしまいました。

ただ、その認識に大きな変化がおきたのが、このアルバムの終盤。「雨ふり小僧」の、アコースティックギターとアコーディオンで、しっかり彼女の声を聴かせるポップスに「おおっ」と思い、「ぼくのうた」では、ファンタジックながらも、どこか歪んだアレンジが続き、最後はピアノの不協和音で突然に終る展開には、前半に見受けられたような、「きれいごとの応援歌」路線とは違う世界の展開に、少々ビックリもしました。

また、ラストの「CURE」も、メロディーこそ普通のポップだったのですが

「きれいなものが嫌いだよ だってそれはいつか醜く汚れるから」
「あなたのことを憎んでみたよ
まだどれくらい愛が残ってるか知りたかった
そんな苦しみに夢を重ねた 夢の孤独と重さを初めて知った」

(「CURE」より 作詞 榎本くるみ・MOR)

などといった、単純な前向きソングとは違う歌詞の世界に、彼女の大きな可能性を感じました。

17曲中8曲がシングル曲で、全体として、いかにも「売り」を狙ったような曲も多く、曲調もバラバラで統一感にも欠けて、決して「傑作」というアルバムではありません。

ただ、随所随所に、榎本くるみの可能性を感じる曲が見受けられます。いろいろなタイプの楽曲も、これからの彼女の路線を模索している過程だから、という印象を受けました。

これからがおもしろそうなシンガーなのは間違いないでしょう。まさにこのアルバムから、なにかがはじまりそう・・・そう感じさせてくれる1枚でした。

評価:★★★★

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2009年2月21日 (土)

期待の新人3組

ここ最近聴いてみた、最近勢いのある期待の新人3組のアルバムを紹介します。

まず1組目。

Title:しらないあいずしらせる子
Musician:OGRE YOU ASSHOLE

しらないあいずしらせる子

ジャケットもタイトルも、どことなく不思議・・・というよりも不気味な雰囲気が漂っているのですが、これがなにげにおもしろい音を聴かせる、要注目のバンドでした。

タイプ的には、USインディーロックの系統を引き継ぐバンド。日本でいえば、bloodthirty butchersやfOULに近い音といった感じでしょうか?ただ、抜けたようなポップなメロディーはかなり聴きやすく、タイプ的一番近く感じたのは、初期のSPARTA LOCALSでした。

もっとも、「近いタイプ」というだけで、彼らの音は、現段階で既にそれらのバンドとは異なるオリジナリティーを感じさせます。甲高いボーカルは、むしろ中村一義あたりを彷彿とさせ、メロディーはメロディアスで決してマニアックではないため、パッと聴いた感じは、かなりポップに聴こえるのではないでしょうか?

しかし、歌詞の世界がまた独特。寓話的な世界観なのですが、どこか不気味な雰囲気が漂い、さらっと聴けそうで、なにか後にひっかかるような、不思議な雰囲気を味わうことができます。

現段階で、強烈な個性もはなつ、かなりおもしろいバンドだと思います。是非とも注目したいバンドです。

評価:★★★★★

2組目はこちら・・・

Title:Dowsing For The Future
Musician:BIGMAMA

Dowsing For The Future

いわゆるメロディアスパンクバンドなのですが、メンバーにバイオリニストが入っているところがユニーク。パンキッシュなサウンドにバイオリンが加わることによって、個性のある音を作り出しています。

「『それはきっと天使が長く勤まらない理由』」みたいな、バイオリンとノイジーなバンドサウンドを上手く重ねてきている曲があるかと思えば、「My Greatest Tresure」みたいな、ポップテイストの強い曲もあり、その実力のほどは感じられます。

ただ一方、メロディーは少々全体的に単調な部分もあって、後半は聴いてきてだれてきました。そんな中、後半の「Cinderella~計算高いシンデレラ~」で突如あらわれた「カノン」の旋律の陳腐さに少々ゲンナリ・・・(まあ、タイトル通り、陳腐さを狙ったのかもしれませんが)。

もっとも、バンドの実力は随所に感じられ、今後が楽しみなのは間違いありません。これからの活躍と成長に期待したいところでしょう。

評価:★★★★

そして最後は・・・

Title:Quartette Parade
Musician:lego big morl

Quartette Parade

エッジの効いたギターに、ちょっと和風も感じるサウンド、そしてポップなメロディー。最初聴いた時は、なかなかおもしろいバンドだな、と思ったのですが、聴き終わると、いまひとつ楽しめなかったなぁ、と感じてしまいました。

最初は、the band apartと似たような路線だからか?と思ったのですが、聴いていくうちに感じたのが・・・ACIDMANのフォロワーじゃん・・・つーか、どこかで聴いたことがあるサウンドで、個性がいまひとつ感じられないなぁ、と思ったのですが、どうも、聴いていて既存のバンドの影がちらついてしまいます。

悪くはないと思うんだけど・・・いまひとつ個性を感じられないなぁ。もっと突き抜けたメロディーを聴かせてくれるとか、サウンドに凝るとか、プラスアルファが欲しいバンドだなぁ、と感じました。

評価:★★★

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2009年2月20日 (金)

あまりに美しい・・・

Title:The Crying Light
Musician:ANTONY AND THE JOHNSONS

The Crying Light

一度見たら忘れられないような、前衛舞踏家大野一雄氏のポートレイトを使用したジャケット写真が、あまりにも印象的なANTONY AND THE JOHNSONSの新作。前作は、イギリスの権威ある音楽賞であるマーキュリー・プライズを獲得するなど大きな話題を集めたバンドです。

実は、彼らの作品を聴くのは、このアルバムがはじめて。レコード店のディスプレイで気になっていて、ついに購入し、そしてこの作品の世界に触れてみました。

そしてこのアルバムを聴いてみて、完全に聴き惚れてしまいました。

ピアノとストリングスをベースとした、シンプルで美しいサウンドにのるのは、ボーカル、アントニー・ハガティの美しい歌声。

「男性の体に女性の性を宿す」とか「トランスジェンダー」とか、雑誌等ではあいまいな表現で紹介されているのですが、いわゆる「性同一性障害」ということでしょうか?

しかし、力強い歌唱力を持ちながらも、澄み切った美しいボーカルがのったボーカルはあまりにみずみずしく、ピュアで、心に訴えかけるようなパワーを感じさせます。

おそらくアントニー・ハガティーの心は、あまりにも純粋なのではないでしょうか。そのボーカルは、リスナーの心の底をみすかされているように響いてくるため、思わず身じろぎできず、その歌声に聴き入ってしまいます。

楽曲自体は決してバリエーション豊富ではありません。それにもかかわらず、最後まで、アンプの前から身じろぎできなく聴きいってしまうのは、唯一無二のアントニーのボーカル、そしてそのボーカルにマッチした世界観が繰り広げられ、私たちの心を捉えて離さないからではないでしょうか。

今年を代表する傑作が、早くもあらわれました。まずは聴いて欲しい、そして聴きほれてほしい、そんな作品です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

The Bedlam In Goliath(ゴリアテの混乱)/The Mars Volta

鳴り響くバンドサウンドに、メタルの影響を顕著に感じるようなアレンジの、早弾きギターの音がとても印象的。ただ、アレンジは、一癖も二癖もあって、聴けば聴くほどはまりそう。それにも関わらずアルバム全体はポップにまとめあげていて聴きやすい内容になっていました。

評価:★★★★★

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2009年2月19日 (木)

久々のおとなしいチャート?

すいません。多忙のため、1日おくれのヒットチャートですm(_ _)m

今週のシングルチャート
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新譜ラッシュもひと段落。久しぶりに新譜も少なめのおとなしいチャートとなりました。とはいえ、シングルでは4曲の新曲がランクインしているのですが・・・。

もちろん1位も初登場。KAT-TUN「ONE DROP」がデビューから9作連続の1位獲得となりました。

ただ、圧倒的な強さを誇っていた彼らも、ここ最近、徐々に人気が下降気味。前作「white x'mas」は、デビュー以来はじめて、初動30万枚を割り込みましたが、本作は、前作よりは上回ったものの、ドラマ「神の雫」タイアップという大型タイアップを獲得しながらも、初動28万枚と、30万枚を下回ってしまいました。

そしていきなり2位に見知らぬ名前が・・・。ステレオポニーというガールズバンドの「泪のムコウ」が突然ベスト3に入ってきました。「機動戦士ガンダム00」のオープニングテーマというタイアップに恵まれてのランクイン。つーか、前作もアニメ「BLEACH」のエンディングテーマだったりして、露骨に「売り」に走っています。曲調も、いかにも売れ線狙いのガールズポップで、それがあっさり2位になってしまうところがなんとも・・・。

5位にはゴスペラーズ「1,2,3 for 5」がランクイン。これだけ高い順位でゴスペラーズの名前を見るのは久しぶりな気がします。ただ、初動売上的には、前作1万4千枚に比べて、本作は1万5千枚とほぼ横ばい。彼らも固定ファンで売れるタイプになってきたのかなぁ。

初登場最後は10位Salyu「コルテオ~行列~」でした。ちょっと意外なことに、これがはじめてのベスト10ヒット。昨年発売されたアルバム「Merkmal」も最高13位と、決して好調という訳じゃないのですが・・・タイアップも映画主題歌という程度だし・・・なんで急に売れたんでしょうか??

 


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは、先週と同じく、10枚中5枚が初登場となりました。

そんな中、1位2位は着うた主導のヒットで世に出たミュージシャンのアルバムが並んでいます。1位に青山テルマ「LOVE!~THELMA LOVESONG COLLECTION~」が、2位にLil'B「今、キミに・・・」がそれぞれランクインです。

両者とも、着うたで話題になった曲がヒットした後、全くシングルヒットがつづかなかった典型的な一発屋にしまって、「着うたヒットは、ファンが曲につくから、後がつづかない」ということを図らずも証明してしまう結果になりました。それだけに、1位2位というのはちょっと意外なのですが。

もっとも、今週は、1位の青山テルマでも初動4万5千枚という、初登場こそ多いものの、事実上、谷間の週。青山テルマも、デビューアルバムの初動11万枚から大きく初動売上枚数を落としているだけに、今後がかなり厳しそうな予感はかわりません。

4位AAA「depArture」は、ミニアルバムである前作「CHOICE IS YOURS」の初動1万5千枚を上回る1万9千枚でランクイン。ここに来ての初動売上アップはちょっとビックリ。

ストレイテナー「Nexus」も3作連続ベスト10入りで5位にランクインです。こちらも前作の初動1万5千枚から1万9千枚にアップ・・・って、AAAとストレイテナーのファンの数がほぼ同じっていうのがなんとも・・・(苦笑)。

最後、7位にはBuono!「Buono!2」がランクイン。ハロープロジェクト系のアイドルユニットですね。2作目にして、アルバムとしては初のベスト10ヒットとなりました。

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2009年2月18日 (水)

坂本真綾らしさ

Title:かぜよみ
Musician:坂本真綾

坂本真綾の、フルアルバムとしては3年半ぶりとなる新作。

今回の特徴は、「夕凪LOOP」以来、袂を分けてきた菅野よう子と久しぶりに手を組んだという点。

彼女は、菅野よう子の手を離れ、様々なミュージシャンとコラボレートすることによって、独りだちとさらなる成長を目指したのですが、ここに来て、再び菅野よう子とコラボレートした、というのは、ちょっと意外にも感じました。

というのも、菅野よう子というミュージシャンは、職業的作家の要素が強いため、個人的に、菅野よう子と坂本真綾のコラボは、坂本真綾の個性が、フルに発揮できていないように感じていたからなんですよね。

ただ、おそらく坂本真綾自身、菅野よう子と離れて作品をリリースしていく段階で、坂本真綾らしさの核となる部分を見つけたのではないでしょうか。このアルバムでも、鈴木祥子や、かの香織、ACO、ROUND TABLEの北川勝利らに楽曲の提供を受けていますが、アルバム全体として、坂本真綾らしさというのが貫かれた作品になっていました。

ストリングスの音色を積極的に取り入れた、アコースティックなサウンドと、透明感あふれる坂本真綾のボーカル。そして、シンプルで、優しい時間が流れるようなメロディーライン・・・非常に良質なポップアルバムに仕上がっていました。

ただ、その反面、「らしさ」を追及するあまり、バリエーション-特にアレンジ面に関して-が、少々単調になってしまった印象も受けました。そこらへん、逆に「トライアングラー」での菅野よう子のアレンジなどが、逆に際立った印象を受けました(メロディーラインに関しては、いかにも売れ線のアニソンのイメージが強かったのが、アルバムの中ではマイナスポイントだったのですが・・・)。

まだまだ課題は残すものの、ミュージシャン坂本真綾の大きな成長を感じさせるアルバムでした。次回作あたり、かなりの傑作が期待できるかもしれないですね。

評価:★★★★★

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2009年2月17日 (火)

ネットを有効に活用

Title:Strange Attractor
Musician:Mercury Rev

Strange_attractor_3

先日、紹介した「Snowflake Midnight」の姉妹盤となる作品。

先日の紹介記事はこちら

このアルバム、公式サイトからの無料ダウンロードという形態で発表されました。(公式サイトからダウンロードの仕方は「Snowflake Midnight」の紹介記事を参照にしてみてください)

本作を無料ダウンロードという形態で発表した意図は、かなり明確。「Snowflake Midnight」を制作するにあたって産まれたような、挑戦的な作風の楽曲が並んでいます。

すべてインストのナンバーから構成されたアルバムで、エレクトロニカやポストロック風のインストソングが並んでいます。どの曲も幻想的ながら、ダイナミックなアレンジもほどこされ、タイプ的にはMOGWAIだとかSigur Rosだとか、そこらへんのミュージシャンの雰囲気をつまみぐいしながらも、Mercury Revとしての作品を作り上げた、といった感じでしょうか?

正直、この手の音は既にシーンに出尽くしている感はあり、斬新さみたいなものは薄く、そういう意味では、普通にMercury Revとしての新作としてリリースさせると、インストであるという事実も含め、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

しかし逆にインターネットというメディアを実に有効に活用した作品と言えるでしょう。

ネットを通じてのダイレクトに、しかも無料でリスナーに音楽と届けるという手法を使うことにより、「売れること」だの「目新しいもの」だの考える前に、自分たちのやりたい音楽を、リスナーに届けることに成功しています。

・・・・・・って書いても、こういう手法は、例えばNINE INCH NAILSが既に行っていたりするし、手法自体も、今はもう、目新しいわけではないんですけどね(^^;;

ただ、「Snowflake Midnight」とあわせて聴くと、彼らの今の興味を感じることができ、Mercury Revというバンドの今が、よりよくわかる作品となっているのは間違いないでしょう。

「無料」ということを差し引いても、ダウンロードして聴く価値のあるアルバムだと思います。正直、Mercury Revらしさ、という意味では、むしろ「らしくない」作品なだけに、初心者にはあまりお勧めできないのですが・・・ファンの方、Mercury Revというミュージシャンを一度でも聴いたことある方は、今すぐ公式サイトから入手して、聴いてみてください。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

WE STARTED NOTHING/THE TING TINGS

陽気でアップテンポな「That's Not My Name」のヒット以来気になっていたイギリスの2人組ユニット。その「That's Not My Name」さながらの、ポップでアップテンポな楽しいナンバーが並んでいました。リズミカルなポップスを素直に楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★

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2009年2月16日 (月)

ブリットポップの正統な後継者??

Title:Off With Their Heads
Musician:KAISER CHIEFS

Off With Their Heads

ブリット・ポップ・・・うーん、その言葉を聞くだけで懐かしくなってしまいますね。90年代、イギリスのミュージックシーンを席巻したムーブメント。ここ最近では、どちらかというと否定的な文脈の中で語られることも多くなってしまってますが・・・。

KAISER CHIEFSの音楽からは、なんとなく、そのブリット・ポップ期のイギリスのバンドの匂いを感じることが出来ます。

決して革新的だったり、斬新だったりする訳ではないのですが、とことんポップで踊りたくなるメロディーとリズム。単なるパンクでもハードロックでもない、ニューウェーヴからの影響を受けたような、ちょっとひねくれたバンドサウンド。

このアルバムでも、例えば1曲目「Spanish Metal」なんて、初期blurそのまんま。その後もダンスミュージックの影響を感じるテンポのよいリズムとポップなメロディーライン。ちょっとひねったサウンドがまた楽しい・・・ブリット・ポップと一言で言っても、初期blurの雰囲気を強く感じました。

90年代のブリット・ポップに一度でもはまった人は是非。そうでなくても、難しいこと抜きで楽しめるようなポップソングを探している人にはうってつけのアルバムだと思います。ポップスの楽しさを心から感じることの出来る作品でした。

評価:★★★★★

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2009年2月15日 (日)

夢の世界

Title:Snowflake Midnight
Musician:Mercury Rev

Snowflake Midnight

かわいらしくも、どこか不気味さも感じられる、ジャケットが印象的なMercury Revの新作。

Mercury Revといえば、リスナーをそのまま夢の世界につれていってくれるような、幻想的なポップソングが魅力的。新作は、電子音を多く取り入れ、あらたな夢の世界にリスナーを連れて行ってくれるような作品でした。

特に、前半はドラムスのヘヴィーなリズムを奏でながらも、後半は、ピアノの美しい音色で幻想的な雰囲気を作り出した「People Are So Unpredictable(There's No Bliss Like Home)」や、それとは逆に、前半は女性のコーラスラインが不思議な雰囲気をかもし出しながらも、後半はビートの強い打ち込みのリズムが印象的だった「Dream Of A Young Girl As A Flower」など、緩急のあるサウンドメイキングが特徴的。ドリーミーながらも、それがふとした瞬間に裏切られるような、ある種の緊張感のある不思議な世界を作り出しています。

でも、基本的には聴いていてとても心地よい世界を作り出しているんですよね。最後まで、不思議な世界をさまよい歩くことの出来る、素敵な作品でした。

ちなみに、このアルバムの感想を書くにあたって、いろいろ調べていたら、このアルバムの姉妹盤ともいえる「strange attractor」という作品が、公式サイトで無料でダウンロードできるらしいです。

公式サイトトップの"Two New Album!And One Is Absolutely Free."と書かれた文中から、"Click Here"と書かれた部分をクリック。メイリングリストの登録ページにアクセスされるので、フォームをつかってアドレスをおくるとメイリングリストに登録されるのと同時に、フリーダウンロードのアドレスが記載されたメールが送付されてきます。

そんな訳で、さっそく「strange attractor」をダウンロード。これから聴いてみます~♪感想は後日。

評価:★★★★★

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2009年2月14日 (土)

メロディーメイカーその2

Title:CROSSROAD
Musician:OCEANLANE

CROSSROAD

昨日に引き続き、本日もメロディーメイカーによる作品。こちらは邦楽バンドです。

ただ、邦楽といっても、彼らは、日本のバンドによくありがちな、憂いや影を感じるようなメロディーはほとんどありません。このジャケット写真のような、カラっと晴れたようなメロディーが、アルバム全編にわたって繰り広げられています。

「美メロ」、そう称するのがふさわしいメロディーラインが並んでいる作品います。冒頭は、疾走感のあるテンポのよい作品が続きますが、中盤からは、しっかりと聴かせるナンバーが続きます。

今回は、「Enemy」「When Did I Say I Had Enough?」のような、マイナーコードでしんみり聴かせる作品もあるのですが、それでも、どこかカラっとした部分があるのが彼ららしいところ。

そんなこんなで、美しいメロディーラインをたたみかけるように、最後まで突っ走るアルバムになっているのですが・・・ただ、一方ではメロディーはきれいなのですが、いまひとつ核となるようなインパクトに欠けるのが少々欠点かも。どれもメロディーがいい作品である一方、意外と後に残らないような。これだけ美メロを書きながらも、彼らが、いまひとつブレイクしきれていないのは、そういう点にあるのかも。

評価:★★★★

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2009年2月13日 (金)

メロディーメイカー

Title:Which Bitch?
Musician:the view

Which Bitch

1stアルバムが全英チャートで1位を獲得。日本でも大きな話題となったイギリスの4人組ロックバンドによる2作目。

こういう注目を集めたバンドの2作目というのは、ある意味、プレッシャーがかかるもの。そんな中、彼らがとった路線は・・・前半こそ、1作目を踏襲したような、勢いのあるパンキッシュで、かつポップな作風が並んでいました。

ただ、その路線が大きく変化するのが後半。管弦楽を取り入れて、どこかバロック音楽調にすら感じる「Distant Doubloon」をはじめ、ピアノやトランペット、さらにストリングスを導入し、静かにメロディーを聴かせる「Covers」など、あくまでも「勢い」に頼らずメロディーを聴かせる楽曲が、後半には多く収録しています。

ある意味、みずみずしさや勢いがなくなり、前作と比べると物足りなさも感じてしまう部分があったのも事実。しかし、一方で、自分たちの売りはあくまでもメロディーとばかり、美しいメロディーラインを次々と組み立て、いろいろな雰囲気の曲に挑戦する彼らに、今後の可能性を感じることが出来ました。

賛否はわかれそうだし、the viewを紹介する時に、1枚目2枚目どちらを紹介するか、と言われれば、間違いなく1枚目をお勧めしたいところでしょう。しかし、今後の彼らの活動を考えると、この2作目というのは、重要な作品になる、そんな予感もします。

メロディーメイカーとしての彼らをしっかり示せたという意味では意義のある2作目。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Never Seen The Light Of Day/MANDI DIAO

なんというか、歌謡曲的ともいうべき、ネッチリとした雰囲気のメロディーラインが、どうにも日本人の壺をつきそうな感じ。この手のメロディーラインは北欧系に共通しているけど、おなじお魚を食べている人たちは、感覚も似てくるのかなぁ、なんてことを思ったり思わなかったり。メロディーがとても心地よく楽しめました。

評価:★★★★★

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2009年2月12日 (木)

安定感のある新作

Title:アンテナ
Musician:GO!GO!7188

アンテナ

カバーアルバムやライブアルバムをはさんで、約1年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム。

良くも悪くも安定感のあるアルバムだなぁ、ということを感じました。GO!GO!7188らしさ、というものを、本人たちもきちんと把握した上で、「らしい」作品が並んでいるような、そんな作品、といっていいでしょうか。

例えば、和風な作品に仕上げた「ちんとんしゃん」や、疾走感がありポップな「片思いファイター」、ハードコア風のアレンジと、ユニークな歌詞の対比がおもしろい「on the まゆ毛~切りすぎて~」など、いかにもGO!GO!7188らしい作品といえるでしょうか。

もちろん、こういう「期待されている楽曲」をきちんとつくってこれるあたり、彼らの実力でしょう。また、勢いで走り続けていた初期と比べると、大きな成長といえるかもしれません。

ただ、無邪気さと少々暴走気味ともいえるような勢いを感じさせた初期の作品と比べると、やはり物足りなさは感じてしまいます。特にこの作品は、ポップで、GO!GO!らしさを前に出してまとめあげられているだけに、その初期との差を感じてしまいました。

もっとも一方で、「満天の星 春の庭」では、勢いや、ベタに叙情的な雰囲気に頼るのではない、聴かせるメロディーが彼らの次の可能性を感じさせますし、また、ターキーやアッコもボーカルをとった「雨の日だけの恋」もまた、GO!GO!の音楽の広がりを感じさせるなど、さらなる一歩も感じることが出来る作品だったと思います。

ある種の無難さも含めて、ファンにはまあ楽しめた作品だったのではないでしょうか。もっとも、その「ある種の無難さ」が物足りなさを感じてしまうのですが・・・。そういう意味で、良くも悪くも彼ららしい作品であると同時に、次の一歩の可能性も垣間見れる作品でした。次回作のさらなる成長を期待したいところです。

評価:★★★★

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2009年2月11日 (水)

1位2位は和風なナンバー

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も新譜ラッシュが続きます。今週も、10曲中7曲が初登場。ちょうど1月開始のドラマやCMのタイアップ曲のリリースが続くんですよね、この時期。しかし、それにしてもほとんど初動売上のみが頼りという、最近のシングルヒットの状況を、よくあらわしていると思います。

そんな中、今週、特異だったのが、1位2位が、歌謡曲(風)のナンバーだったということ。1位は氷川きよし「浪曲一代」。これが4年ぶりの1位だそうです。ここ最近、人気が下降気味で、そのため、紅白で大トリをつとめさせたり、必至に話題づくりをしているような印象が強かったのですが、そのおかげか、前作の初動5万枚から一気に初動7万3千枚にアップ。2作目の1位獲得となりました。

そして2位がThe SHIGOTONIN「鏡花名月」。ミュージシャン名とおり、テレビドラマ「必殺仕事人2009」のテーマソングで、少年隊の東山紀之、TOKIOの松岡昌宏、関ジャニ∞の大倉忠義による企画モノユニット。初動6万6千枚。ビミョーに3人のファン層は重ならないような感じもするし、「仕事人」の視聴者層も、そんなに買わなさそうだし、この売上は健闘といった感じでしょうか?

そんな歌謡曲2曲に食い込んできたのが、3位UNICORN「WAO!」!15年ぶりの再結成が話題となった彼らの新作ですが、見事なヒットを記録しました。この曲、UNICORNらしい遊び心そのままに、音楽にグッと深みも増した、「大人の余裕」も感じさせる傑作。アルバムも、かなり楽しみになってきます。

で、上位3枚に初登場が重なって、以下初登場曲は7位から10位に重なっている、サンドイッチ状態。7位から10位の初登場は以下のとおり。

7位 Last Love Lette/チャットモンチー
8位 音のない世界/My Little Lover
9位 はぴ☆はぴサンデー!/月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)
10位 さよなら/かりゆし58

チャットモンチーはベスト10の常連になってきましたが、そろそろお茶の間レベルの大ヒットチューンがほしいところか?

マイラバは、「DESTINY」以来、シングルでは10年ぶりのベスト10ヒットだそうです。作曲は小林武史・・・じゃなくて、Tomoya Matsuura・・・やはり、結局は小林武史はakkoを音楽面でも見捨てるんでしょうか??ちなみに、Tomoya Matsuura、誰なのか調べたのですが、monocismというシューゲイザー系ギターロックバンドのボーカル松浦友也ということで正しいのかな?

10位にランクインしてきたのは、日本テレビ系ドラマ「銭ゲバ」のテーマ曲。ドラマも話題になっているようなのですが、その影響もあってでしょうか、見事ベスト10ヒットとなりました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートもシングルチャート同様、先週に続いての新譜ラッシュ。10枚中5枚が初登場となっています。

その中で1位は、倖田來未「TRICK」が2週連続1位。なんだかんだいっても、まだまだその強さを見せ付けています。

逆に2位CHAGE and ASKA「CHAGE and ASKA VERY BEST NOTHING BUT C&A」は、一時期の人気を考えると、ベストでこの位置というのは少々寂しい結果かも。予想通り無期限の活動休止となりましたが、復活は・・・あるかなぁ?

以下、初登場は・・・

4位 White~Lovers on canvas/COLOR
7位 PARADISE BLUE/東京スカパラダイスオーケストラ
8位 木漏れ日の花冠/田村ゆかり
9位 ザ・ベスト・オブ・ネリー/ネリー
10位 アンテナ/GO!GO!7188

9位ネリーは、日本独自の企画盤らしいです。日本でのファン拡大を目指しているのでしょうか?9位はそこそこの健闘でしょうか。

GO!GO!7188は、前作も15位だし、ベスト盤もベスト10入りできなかったし・・・と思っていたら、本作は久しぶりのベスト10ヒット。もっとも、前作「569」は初動1万5千枚だったのに対して、本作はわずか1万枚と大幅に初動売上を下げています。そろそろ、もうひとふんばりがんばってほしいところなのですが・・・。

あと今週は、映画「マンマ・ミーア!」のサントラ盤が、先週の16位から順位をあげて、見事5位に初登場!ABBAのヒット曲がちりばめられた映画みたいで、ABBAの方も、ベスト盤などが順位を伸ばしているみたいです。ちなみに、こちらは映画のキャストが歌っているのでお間違いなく。

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2009年2月10日 (火)

「バンドB」がよくわかる入門盤

Title:完全版「バンドBについて」
Musician:Base Ball Bear

完全版「バンドBについて」

最近は、シングル、アルバムともにヒットチャート上位に顔をのぞかせるようになり、本格的にブレイクした4人組バンドのインディーズ時代の曲をまとめた初期ベスト。以前、同じくインディーズベストとして「バンドBについて」という曲をリリースしましたが、本作は、その「バンドBについて」に新たに曲を加えて2枚組とした、「完全版」。初期Base Ball Bearの全てがわかる内容になっています。

しっかし初期の彼らの作品を聴いてまず感じるのは、彼らが敬愛するナンバーガールやら、スーパーカーやらからの影響が露骨だ、という点です。

これって以前にも書いたような記憶があるんですが、アジカンなんかもそうなんですが、2000年代のバンドって、こういう10年程度前の邦楽バンドからの影響を、隠さずにそのまま出しちゃうバンドが増えたような印象を受けるんですよ。

いや、確かにナンバガも、初期はまんまPixiesだったり、Televisionからの影響も感じたり、スパカも初期はストレートにジザメリだったりと、そこらへんの影響が露骨なのは否定できないのですが、

やはり洋楽をパクるのと、邦楽を、それもほんの10年程度前のバンドをパクるのって、全然意味が違ってきちゃうと思うんですよ。そんなわかりやすいネタ元でいいの、ってこと。

でも、そこらへんを臆面なくやっちゃうところが、現代っ子というか、スパカ、ナンバガ、くるりあたりの世代のバンドと、確固たる差を感じちゃうんです。

ただ、それが一辺倒に悪いことだ、と言い切れるかと言われるとそういう訳でもなくて、特にBase Ball Bearについては、初期ナンバガやスパカの、ポップでキラキラとした部分のみ上手く掬い取って、とても印象に残るメロディアスな楽曲に仕上げているなぁ、という印象を受けます。

ここ最近の作品に比べると、特にナンバガあたりからの影響が露骨で、まだBase Ball Bearらしさを模索している最中なのかなぁ、という印象を受けるのですが、影響云々抜きに、ギターポップとして耳に残るメロディーラインと、ほどほどノイジーなバンドサウンドを、理屈抜きで楽しめるような楽曲が揃っていました。

よくも悪くも、ダイヤの原石的な位置付けのアルバムかな?Base Ball Bearというバンドが気になっている方、最近はまった方には、彼らの原点を知るという意味ではうってつけの作品でしょう。

評価:★★★★

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2009年2月 9日 (月)

アカペラでカバー

Title:ALWAYS
Musician:スターダストレビュー

ALWAYS

スタレビの新譜は、邦楽の名曲をカバーした、カバーアルバム。「尊敬するアーティストの曲をカバー」したそうなのですが、その選曲が、なかなかどうして通好みしそうな曲たちばかり。

荒井由美にムーンライダーズ、鈴木茂、山下達郎・・・etcと名曲ばかり。それを今回は、アカペラメインで見事にカバーしています。

アカペラがメインで、まじりっけなしのポップスに仕上げているため、曲本来のメロディー、歌詞の良さが前に出てきて、より魅力的なカバーに仕上がっていると思いました。

・・・と書いていて、カバーアルバムの名盤にはかわりないんだけども、あまり書くことが少ないのは、良くも悪くもストレートでひねりのないカバーアルバムだからなんだろうなぁ。

良くも悪くも期待通り。もちろん、コーラスワークは美しいし、曲の良さもよく出ているのですが、期待通りであって、楽曲の持つ意外な魅力を引き出していたか、といわれると微妙で、優等生的な、ある種の意外性の低いカバーアルバムだったかな、とも思います。

そういう意味で、評価は微妙なところ。聴いて損がないのは間違いないのですが・・・単純に絶賛するには、少々煮え切らない部分もあるアルバムだったように感じました。

評価:★★★★

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2009年2月 8日 (日)

憂いのあるダンスチューン

Title:TONIGHT
Musician:FRANZ FERDINAND

Tonight

3枚目のアルバムにして、新たなる方向性を模索した作品。

このアルバムを簡単にいってしまうとそんなところでしょうか?

前作までの、とにかくポップではじけたダンスチューンは姿を消します。かわりにあらわれたのは、ポップでダンサナブルだけど、マイナーコードメインの憂いをおびたメロディーラインで綴られた楽曲の数々。

前半は、リズミカルなのですが、そのどこか聴く手をしんみりとさせるようなメロディーの対比が特徴的なナンバーが続きました。

確かにいままでの彼らの作品も、メロディーは決してカラッとしたさわやかなメロディーというよりは、どこか湿り気のあったメロディーが魅力だったのですが、この作品は、そんな彼らのメロディーの特徴を、さらに前に押し出してきた、といえると思います。

そして、冒頭でも書いたとおり、この作品で彼らは新たな方向性を模索しているように感じました。それが鮮明になるのは後半の楽曲たち。

最近はやりのフレンチテクノテイストの「LUCID DREAMS」をはじめ、シンセを全面に押し出した「LIVE ALONE」「CAN'T STOP FEELING」など、ダンスミュージックという側面をさらに押し出した曲が並んでいました。

インパクトがあって、一度聴いただけで忘れられないような曲が並んでいた前作と比べて、キラーチューンもなく、少々地味目。また、憂いの帯びたメロディー+ダンサナブルなリズムという構成の前半の曲は、似たタイプの曲が並んでいて、まだまだ成長の余地は大きいな、ということを感じます。

そういう意味では、この作品は決して傑作とはいえません。少なくとも、彼らを知るための最初の1枚としては不適切ですし、私自身も、そう繰り返し聴くのか、といわれると疑問です。

ただ一方、次のステップに進むための重要な1枚という印象を受けました。このアルバムを土台として、次の一歩に進んでいくための意味のある作品なのではないでしょうか。

彼らの本当の勝負は次の作品ではないでしょうか。大傑作が出てくるのか、駄作に終るのか・・・これからの彼らの行く末が楽しみです。

評価:★★★★


他に聴いたアルバム

The Bells!The Bells!/underworld

リミックスアルバム+PV集という企画盤。良くも悪くも彼ららしいかな。リミックスの方は、素直に踊れるような作風の曲が並んでいて、目新しさこそないけど、安心して聴いていられるような作品に仕上がっていました。

評価:★★★★

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2009年2月 7日 (土)

徹底した記号化

Title:ハイファイ新書
Musician:相対性理論

ハイファイ新書

前作「シフォン主義」が大きな話題を呼び起こしたバンド、相対性理論の新譜。ヒットチャートで、いきなりベスト10入りするなど、本作も、その話題と期待の大きさをうかがえます。

前作に比べて、本作で一番かわったのは、ギターロック路線から一変。とことんサウンドがシンプルになった点。ニューウェーヴ路線、といえないこともないのですが、徹底的にノイズなどをそぎおとし、ただただサウンドをシンプルにすることを意図しています。

その結果、彼らの最大の特徴である、ユニークな言葉遊びのような歌詞が、くっきりと浮かび上がってきています。この言葉遊びのような歌詞という特徴が、前作ではギターサウンドに埋没されてしまっている部分もあっただけに、サウンドを思い切ってシンプルにするという決断は、ある意味、見事の一言です。

そしてそのシンプルになったサウンドといい、言葉遊びのような歌詞といい、このアルバムから感じられるのは、音楽の徹底した記号化、ということでした。彼らの音楽でただ鳴り響くのは、強烈に耳に残るけど、どれだけ意味を持つのか不明な、ユニークな歌詞。それをのせる女性ボーカルも、かわいらしいけれどもどこか無機質に感じられます。

この徹底した記号化は、普段の彼らの活動にもあらわれているようで、メディアには一切露出せず、メンバーの写真も公表されていません。彼らは、音楽の後ろにある「物語性」を一切排除し、徹底的に音楽を無機質化、記号化することにより、メロディーや歌詞それ自体が持つ魅力を、最大限に引き出そうとしているように感じます。その徹底さゆえ、このアルバムはポップで耳を惹きつける一方、どこか狂気すらも垣間見れます。

彼らの音楽に関して、もうひとつ感じるのは、その歌詞に描かれている「女性観」。どーも、妙に純情無垢に描かれていて、ぶっちゃけていうと、もてない野郎の妄想みたいな描き方をしているんですよね。

そんな歌詞を、ボーカルやくしまるえつこの、かわいらしいけど、癖のないボーカルで歌われると、リアリティーがなく、お人形さんの女の子が歌っているようにすら感じてしまいます。そういうリアリティーのなさもまた、彼らの音楽の記号化の一貫をになっているように感じます。

ただ、この音楽の記号化が、妙に癖になるおもしろさをひめているんですよね。記号化したゆえに、歌詞のもつ言葉遊びのユニークなリズムが、雑音なしに耳に響いてくるんです。前作は、どうも中途半端さを絶賛できない部分があったのですが、その中途半端さを、ある意味過剰なほど排除した、傑作アルバムが誕生しました。

もっとも、一方で、あまりにも狙いが明確で、彼らの計算高さも同時に感じました。相当頭のいいバンドだと思うよ、彼らは。

評価:★★★★★

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2009年2月 6日 (金)

意外とポップで聴きやすい。だけども・・・

Title:VANDALIZE
Musician:アリス九號.

VANDALIZE

最近、話題になることの多い「ヴィジュアル系」というジャンル。その中でも、コンスタントにシングル、アルバムともにチャート上位にランクインさせてくるアリス九號.。ボーカル+2ギター+ベース+ドラムスの5人組のバンドだそうです。このたび発売されたニューアルバムをはじめて聴いてみました。

個人的には、もっとベタなJ-POPチューンを想像していたのですが、思ったよりも、ロック色は強かったかな?

いい意味でも悪い意味でも、王道の売れ線路線。BOOWY以来、日本のヒットシーンに脈々と続く「ポップスロック」路線を忠実に引き継いだメロディーとバンドサウンド。ただ、バンドサウンドの方は、明確に昔ながらのヘヴィーメタルの影響を全面に出していました。

ほどほどハードに鳴っているバンドサウンドと、耳を惹きつけるポップなメロディーライン。あいかわらず鼻にかかったような、少々ナルシスティックなビジュアル系バンド特有の歌い方は相変わらずなのですが、同じくビジュアル系風の耽美的な歌詞をあわせても、それほど癖の強いものではありません。

個人的には、思ったよりもすんなりと、そのポップなメロディーを楽しむことができました。そういう意味では、ビジュアル系という枠組みを超えて、もっと広い層に受け入れられてもいいタイプなのになぁ、と思ってしまうのですが、その点は、ここ最近、受け入れられつつあるといっても、このタイプのバンドに抵抗感を覚える人も多いのでしょう。

ただ、一方で、80年代後半あたりから、何一つとして変わらないスタイルには少々閉口気味。例えばDir en greyやムックといったバンドあたりが、きちんと「今」の音を鳴らしているのとは対照的といえるかもしれません。オリジナリティーという観点においては、難を感じてしまいました。

結論。思ったよりはよかったけど、絶賛するほど良くもないという微妙なところ・・・。売れ筋なのは間違いないので、もうちょっと売れてもいい感じもするけど、積極的にお勧めできるかといわれると、うーん・・・(^^;;なんともいえない歯切れの悪い結論ですいません・・・m(_ _)m

評価:★★★

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2009年2月 5日 (木)

かなりポップ寄りに・・・

Title:BACK AGAIN
Musician:NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

BACK AGAIN

なんか、かなりポップにまとめちゃっているなぁ・・・NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの、このミニアルバムを聴いてまず思った感想がそれ。

最初の方は、「ポップにまとめている」といっても、決して悪い印象を受けなかったんですよ。「JanJaJan」「カマゲン」は、とてもテンポがよくてダンサナブル。DELIのハイトーンボイスも曲にマッチしていて、NITRO流のダンスチューンとしてはなかなかよく出来た作品だと思います。

ただ・・・その後の例えば「王朝」のようなハードコア風の作品がどうもいまひとつなんですよね・・・。

一応ハードな作風なのですが、どうも全体的に「軽い」。リリックにしても、真新しいものは感じられず、トラックの方も、いままでの楽曲の拡大再生産的な作風にしかすぎず、新しいものも出していなければ、以前の彼らの作品で感じられた「やばさ」みたいなものも感じられません。

先日紹介したベスト盤でも、HIP HOPのアルバムをいくつか取り上げたとおり、今の日本のHIP HOPシーンは、まだまだ勢いを感じられます。そんな中、以前はシーンをひっぱっていく立場にあったNITROですが、ここ最近、新しいシーンの中で埋没してしまっているような印象を受けます。

ポップ路線を狙ったのかもしれないけども、それにしても新しいスタイルを主張できていない印象は否めません。ハードとしてもポップとしてもいまひとつな、とても中途半端な作品といわざるを得ません。

活動再開後初のフルアルバム「SPECIAL FORCE」もいまひとつだったし、彼らはこの程度で終ってしまうのか?それとも・・・??

評価:★★★

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2009年2月 4日 (水)

新譜ラッシュは続く・・・

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週に引き続き、今週も新譜ラッシュ。今週は、10曲中、3位秋元順子以外すべてが新譜(!)というチャートになっています。

ただ、固定ファン向けの新譜メインだった先週に比べると、今週は、広く知られた名前がずらり。今回の新譜からロングヒットも生まれるか?

初登場曲9曲は以下のとおり。

1位 約束/Kinki Kids
2位 歩み/GReeeeN
4位 ビルマニア/吉井和哉
5位 どこ/木村カエラ
6位 GHOST/Gackt
7位 20-CRY-/加藤ミリヤ
8位 空と糸/ムック
9位 silky heart/堀江由衣
10位 初恋ダッシュ/渡り廊下走り隊

Kinki Kidsは、これで28作連続1位という、自己記録を更新しています。もっとも、初動売上は17万枚と、前作の18万7千枚から減少傾向。それでも、GReeeeNにぶつけてくるあたり、自信のあらわれか?実際、GReeeeNとは、10万枚の差をつけていますが・・・。

2位のGReeeeNは、前作初動4万2千枚から7万1千枚にアップ。CMタイアップがきいたのでしょうか?ただ、着実に固定ファンをつけ、まだまだ勢いを感じさせます。

吉井和哉が4位というのは健闘なのかな?ただ、前作「バッカ」も初動2万1千枚で、本作も初動2万3千枚。その前の「シュレッダー」も初動2万枚なので、見事横ばい。知名度はそこそこ一般レベルながらも、彼もまた、固定ファンに支えられている傾向が強いみたいですね。

Gacktは、前作1万8千枚から1万6千枚へとまたまたダウン傾向。知名度の割りにはCDの売上の方は頭打ちかな?大きなタイアップをとってこれば、まだまだ伸びそうな感じもするのですが・・・。

そして最後に聞きなれない名前が・・・渡り廊下走り隊は、AKB48からのユニットで、プロデュースはもちろん秋元康。80年代のおにゃん子クラブそのままのネーミングセンスにはビックリしちゃいますが、何度も書いているみたいに、この80年代90年代的なセンスを持った人たちが、いまだにチャートを席巻しているといて、今風の新たな価値観を打ち出していないという点が、音楽業界がいまひとつ売上的に頭打ちな大きな理由だと思うんですけどね。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、シングルチャート同様、アルバムチャートもチャートラッシュ。10枚中6枚が新譜というチャートとなりました。

ちなみに新譜6枚は・・・

1位 TRICK/倖田來未
2位 RAINBOW/福原美穂
3位 SERIOUS JAPANESE/TERIYAKI BOYZ
5位 MEDLEY PREMIUM BOX"S"/清春
6位 For(n)ever/Hoobastank
7位 #5/FLOW

の6枚。ある意味、シングルチャート以上にバラエティーに富んでいます。

倖田來未は見事1位獲得ながらも、前作「Kingdom」の初動42万枚から、初動25万枚へと大幅減。ポスト浜崎あゆみの座も奪えず、完全にピークを過ぎちゃいましたね。

福原美穂は、シングルであれだけプッシュされていたにも関わらず、なかなか芽が出ず、このまま消えていくのか、と思われた矢先、見事アルバムでブレイク・・・という感じでしょうか?ただ、勝負はまだまだこれからといったところかなぁ?

TERIYAKI BOYZは、m-floとRIP SLYMEの・・・というよりも、牧瀬里穂の旦那が率いる、といった方が知名度は高いかな?(笑)初登場3位で健闘じゃん、と思ったのですが、前作は初動5万4千枚なので、本作2万6千枚は大幅ダウン。ただ、今後もコンスタントに活動を続けてくれたらうれしいんですけどね。

5位清春は、先日1月29日のライブをもって、正式に解散した黒夢の楽曲のセルフカバーアルバム。これで、彼自身の音楽活動にもひとつの区切りをつけたってことでしょうか?

6位に入ってきたHoobastankは、アメリカのロックバンド。ハードロックの影響が強いバンドサウンドとポップなメロディーが魅力的なバンドで、前作「欲望」に続く2作目のベスト10ヒットとなりました。ただし、初動売上は前作2万3千枚に対して本作は1万6千枚と少々減少。これを固定ファンとしていけるか、これからが勝負でしょう。

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2009年2月 3日 (火)

特撮の新譜がこんなことに・・・(笑)

Title:かくれんぼか鬼ごっこよ
Musician:大槻ケンヂと絶望少女達

かくれんぼか鬼ごっこよ

オーケンの新作は、彼が楽曲を提供したアニメ「絶望先生」とのコラボレート作品。

収録曲は、声優とのコラボレートとなっていて、そういう意味ではアニメテイストの強い作品となっています。ただ、プロデュースをNARASAKIが行っており、ピアノで三柴理が参加しているなど、事実上、特撮の新譜といってもいい作品になっています。

アニメテイストが強いだけに、少々抵抗感を持つ人も少なくないかも。もっとも、オーケンの世界観は、以前からおたく的だし、筋肉少女帯でも「221B戦記」で声優陣とコラボをしていたりするなどの経験もありますし、おそらく、特撮や筋少のファンも問題なく受け入れられる作品だと思います。

しかし、特撮名義じゃないためか、曲の内容如何を問わず、ある一定層からの売上が確保できるから、と見込んでいるのか、特撮名義の作品よりもある種、狂いまくっています。

序盤からいきなりタイトルが「ニート釣り」だし、アニメ主題歌にもなった曲も「人として軸がぶれている」・・・ってすごいな、これ。また「ヒキツリピカソ・ギリギリピエロ」では

「この世はほぼまやかしだって
生かされているピエロだって
宙ぶらりギリギリ保って
綱綱綱渡り」

(「ヒキツリピカソ・ギリギリピエロ」より 作詞 ノマアキコ)

と、かなり達観しながらも、どこか狂った世界観が・・・って、これ作詞、オーケンじゃないのかよ。

ってか、GO!GO!7188のアッコじゃねーかよ(^^;;

アッコが、こんな風に参加しているという事実もかなりビックリなのですが。そんな狂った世界に、NARASAKIのディストーションギターや、三柴理のピアノがのることによって、狂気を増幅させています。

そして、なによりもおもしろいのが、そんなサウンドや歌詞の世界に対比的な、声優さんたちの「アニメボイス」。

ある意味、かわいらしくて、きれいな声なだけに、そのミスマッチが、逆にこの世界観を、さらなる狂ったものにしています。

アニメの企画モノといえば企画モノなのですが、それが逆に、大槻ケンヂというミュージシャンの世界を、さらに引き出すことに成功したアルバムでした。

ある意味、好き嫌いが相当わかれそうな作品ですが、筋少や特撮が好きなら、聴くべき作品だと思います。

評価:★★★★★

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2009年2月 2日 (月)

2008年ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日は、10位から6位まで紹介した2008年ベストアルバム。続いては、5位から1位までを紹介したいと思います!

5位 HEART STATION/宇多田ヒカル

HEART STATION

聴いた当時の感想はこちら

上半期ベスト5の時も書いたのですが、売上的のピークはずっと前にすぎてしまった彼女ですが、音楽的なピークは、むしろ今なのではないか、とすら感じさせる傑作。変な期待もはずれて、いい意味で肩の力が抜け、また、ポップの壺というものも、以前以上にうまくついてきています。文句なしの最高傑作ですが、今後のさらなる活躍も期待できる作品でした。

4位 歪曲/Shing02

歪曲

聴いた当時の感想はこちら

6年ぶりとなる新作。あきらかに「日本におけるHIP HOPとは」というのを意識した作品で、和風な音を数多くいれながら、いわば「雅楽調」みたいな安直な和風になることを拒否。日本におけるHIP HOPのひとつの形を示した作品だと思います。日本におけるHIP HOPが、次のステップにむかっていることを、強烈に感じさせてくれた作品でした。

3位 Dream and Drama/Anarchy

Dream and Drama

聴いた当時の感想はこちら

トラックの側面で、日本のHIP HOPが次の段階に進んでいるなぁ、と感じられるのがShing02だとしたら、リリックの側面で、日本のHIP HOPが彼の作品。いわゆる下流社会からの成り上がりをテーマにしているのですが、単純な貧乏自慢だったり、ワル自慢だったりというわけではなく、その中に生きる若者の心境をきっちりと歌いこんでいるあたりに(陳腐な言い方ではあるけども)リアルを感じさてくれました。

2位 akiko/矢野顕子

akiko

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キャリアや年齢を、いい意味で感じさせないアグレッシヴな活躍が魅力的な彼女。いや、しかしここに来てもこんな傑作が聴けるとは思わなかったは。ロックテイストが強く、それもツェッペリンのカバーなど、オールドスタイルなロック路線をとりながらも、彼女のボーカルとポップセンスをあわせると、今の時代にもきちんとマッチする傑作になるんですよね。タイトルからして自信作だったのでしょうか。そして、それも納得の傑作です。

そして1位は・・・

1位 ZAZEN BOYS 4/ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS4

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文句なしの1位。聴いていて、スピーカーの前から身動きできなくなってしまいました。音からつたわってくる緊張感は、類をみません。ニューウェーヴテイストのロックナンバーは、決してエレクトロニカ路線に走っているわけでもなし、かといって、テクノポップ路線でもなし、確固たる向井秀徳の音を作り上げています。ここまでやってしまったら、次の作品はどうなっちゃうんだろう・・・そんなことすら感じてしまう傑作でした。

以上、今年のベスト10でした。いかがでしたか?あらためて1位から10位をふりかえると・・・

1 ZAZEN BOYS 4/ZAZEN BOYS
2 akiko/矢野顕子
3 Dream and Drama/Anarchy
4 歪曲/Shing02
5 HEAT STATION/宇多田ヒカル
6 J-POP/電気グルーヴ
7 magic hour/キセル
8 メロディ/空気公団
9 クロニクル/安藤裕子
10 RETURNS/SBK

ざっとベスト10を振り返ると、今年は結構傑作が多かった印象を受けます。他にもSBKの欄でふれたSPARTA LOCALSの「Leecher」や、クレイジーケンバンドの「ZERO」、ソウルフラワーユニオンの「カンデ・ディアスボラ」など、いずれもベスト10に勝るとも劣らない傑作に多く出会うことが出来ました。

また、「純粋なポップソング」が多かったのも特徴でしょうか?洋楽編でも書いたのですが、ここ最近、音楽シーンを揺るがすような大きなシーンの動きというのがないような感じがします。そんな中、やはり強いのは、メロディーということになるのでしょうか。

一方で相変わらず目立つのが、HIP HOPの強さ。今回もAnarchy、Shing02、また純然たるHIP HOPではないのかもしれませんが、SBKなどの傑作が並んでいます。なんだかんだいっても、まだまだ一番勢いのあるジャンルなんだよなぁ。

というわけで、3日連続のベストアルバム紹介は以上。今年もみなさんがたくさんの傑作アルバムに出会えますように・・・。

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2009年2月 1日 (日)

2008年ベストアルバム(邦楽編)その1

昨日に引き続き、遅ればせながらの2008年マイベスト。今日明日は邦楽編です。

10位 RETURNS/SBK

RETURNS

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残り9枚については、何の迷いもなくあっさりと決められたのですが、あと1枚、SPALTA LOCALSの「Leecher」と迷いました・・・。ただ、新たなスタイルを模索して、今後の可能性を感じられるという点でこちらを。活動再開前には中途半端だったエレクトロ路線への志向が、活動再開後のこの作品では、SBK持ち味のポピュラリティーと見事にマッチして、傑作を産み出してくれました。今後の活動がとても楽しみになってきます。

9位 クロニクル/安藤裕子

chronicle.

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ここ最近、アルバムを出すたびに「最高傑作」をリリースしてくれる彼女ですが、この作品はそんな流れもあって、文句なしの最高傑作!ファンタジックながらも、アルバムに潜んだ強烈な毒の要素がたまらないアルバムです。ここ最近、「ファンタジックなアルバム」に出会う機会が多いような印象を受けるのですが、その中でも彼女は、圧倒的な個性を発揮していました。

8位 メロディ/空気公団

メ ロ デ ィ

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傑作アルバム「融」以降は、あまりメジャー進出が成功しなかった反動なのか、万人向けを拒否したような内向きな作品が続いていましたが、これは久々、空気公団の地味ながらも暖かく、心に響くメロディーを感じることが出来た快心作でした。もっともっと幅広い支持を得るべきミュージシャンだと思うんですけどね、彼女たちは。

7位 magic hour/キセル

magic hour

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デビュー作からコンスタントに傑作をリリースし続けた彼らですが、ある意味、このアルバムは彼らにとっての到達点のひとつではないでしょうか。彼らのサウンドの大きな特徴である「浮遊感」が、ポップなメロディーラインと見事マッチしています。彼らの大きな成長を感じさせる作品でした。

6位 J-POP/電気グルーヴ

J-POP

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祝!復活!!今年、8年ぶりの新作をリリースした電気グルーヴ。その新作は、ジャケット写真こそ彼ららしいものの、内容は、至ってストイックなテクノ。「実力派」としての彼らを感じることが出来ました。一方で、タイトル通り、ポップな作品も多数収録された本作。文句なしの傑作です。

以上、とりあえず6位から10位はこんな感じで・・・明日は、1位から5位までを紹介します。

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