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2009年2月10日 (火)

「バンドB」がよくわかる入門盤

Title:完全版「バンドBについて」
Musician:Base Ball Bear

完全版「バンドBについて」

最近は、シングル、アルバムともにヒットチャート上位に顔をのぞかせるようになり、本格的にブレイクした4人組バンドのインディーズ時代の曲をまとめた初期ベスト。以前、同じくインディーズベストとして「バンドBについて」という曲をリリースしましたが、本作は、その「バンドBについて」に新たに曲を加えて2枚組とした、「完全版」。初期Base Ball Bearの全てがわかる内容になっています。

しっかし初期の彼らの作品を聴いてまず感じるのは、彼らが敬愛するナンバーガールやら、スーパーカーやらからの影響が露骨だ、という点です。

これって以前にも書いたような記憶があるんですが、アジカンなんかもそうなんですが、2000年代のバンドって、こういう10年程度前の邦楽バンドからの影響を、隠さずにそのまま出しちゃうバンドが増えたような印象を受けるんですよ。

いや、確かにナンバガも、初期はまんまPixiesだったり、Televisionからの影響も感じたり、スパカも初期はストレートにジザメリだったりと、そこらへんの影響が露骨なのは否定できないのですが、

やはり洋楽をパクるのと、邦楽を、それもほんの10年程度前のバンドをパクるのって、全然意味が違ってきちゃうと思うんですよ。そんなわかりやすいネタ元でいいの、ってこと。

でも、そこらへんを臆面なくやっちゃうところが、現代っ子というか、スパカ、ナンバガ、くるりあたりの世代のバンドと、確固たる差を感じちゃうんです。

ただ、それが一辺倒に悪いことだ、と言い切れるかと言われるとそういう訳でもなくて、特にBase Ball Bearについては、初期ナンバガやスパカの、ポップでキラキラとした部分のみ上手く掬い取って、とても印象に残るメロディアスな楽曲に仕上げているなぁ、という印象を受けます。

ここ最近の作品に比べると、特にナンバガあたりからの影響が露骨で、まだBase Ball Bearらしさを模索している最中なのかなぁ、という印象を受けるのですが、影響云々抜きに、ギターポップとして耳に残るメロディーラインと、ほどほどノイジーなバンドサウンドを、理屈抜きで楽しめるような楽曲が揃っていました。

よくも悪くも、ダイヤの原石的な位置付けのアルバムかな?Base Ball Bearというバンドが気になっている方、最近はまった方には、彼らの原点を知るという意味ではうってつけの作品でしょう。

評価:★★★★

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