2008年ベストアルバム(邦楽編)その2
昨日は、10位から6位まで紹介した2008年ベストアルバム。続いては、5位から1位までを紹介したいと思います!
5位 HEART STATION/宇多田ヒカル
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上半期ベスト5の時も書いたのですが、売上的のピークはずっと前にすぎてしまった彼女ですが、音楽的なピークは、むしろ今なのではないか、とすら感じさせる傑作。変な期待もはずれて、いい意味で肩の力が抜け、また、ポップの壺というものも、以前以上にうまくついてきています。文句なしの最高傑作ですが、今後のさらなる活躍も期待できる作品でした。
4位 歪曲/Shing02
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6年ぶりとなる新作。あきらかに「日本におけるHIP HOPとは」というのを意識した作品で、和風な音を数多くいれながら、いわば「雅楽調」みたいな安直な和風になることを拒否。日本におけるHIP HOPのひとつの形を示した作品だと思います。日本におけるHIP HOPが、次のステップにむかっていることを、強烈に感じさせてくれた作品でした。
3位 Dream and Drama/Anarchy
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トラックの側面で、日本のHIP HOPが次の段階に進んでいるなぁ、と感じられるのがShing02だとしたら、リリックの側面で、日本のHIP HOPが彼の作品。いわゆる下流社会からの成り上がりをテーマにしているのですが、単純な貧乏自慢だったり、ワル自慢だったりというわけではなく、その中に生きる若者の心境をきっちりと歌いこんでいるあたりに(陳腐な言い方ではあるけども)リアルを感じさてくれました。
2位 akiko/矢野顕子
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キャリアや年齢を、いい意味で感じさせないアグレッシヴな活躍が魅力的な彼女。いや、しかしここに来てもこんな傑作が聴けるとは思わなかったは。ロックテイストが強く、それもツェッペリンのカバーなど、オールドスタイルなロック路線をとりながらも、彼女のボーカルとポップセンスをあわせると、今の時代にもきちんとマッチする傑作になるんですよね。タイトルからして自信作だったのでしょうか。そして、それも納得の傑作です。
そして1位は・・・
1位 ZAZEN BOYS 4/ZAZEN BOYS
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文句なしの1位。聴いていて、スピーカーの前から身動きできなくなってしまいました。音からつたわってくる緊張感は、類をみません。ニューウェーヴテイストのロックナンバーは、決してエレクトロニカ路線に走っているわけでもなし、かといって、テクノポップ路線でもなし、確固たる向井秀徳の音を作り上げています。ここまでやってしまったら、次の作品はどうなっちゃうんだろう・・・そんなことすら感じてしまう傑作でした。
以上、今年のベスト10でした。いかがでしたか?あらためて1位から10位をふりかえると・・・
1 ZAZEN BOYS 4/ZAZEN BOYS
2 akiko/矢野顕子
3 Dream and Drama/Anarchy
4 歪曲/Shing02
5 HEAT STATION/宇多田ヒカル
6 J-POP/電気グルーヴ
7 magic hour/キセル
8 メロディ/空気公団
9 クロニクル/安藤裕子
10 RETURNS/SBK
ざっとベスト10を振り返ると、今年は結構傑作が多かった印象を受けます。他にもSBKの欄でふれたSPARTA LOCALSの「Leecher」や、クレイジーケンバンドの「ZERO」、ソウルフラワーユニオンの「カンデ・ディアスボラ」など、いずれもベスト10に勝るとも劣らない傑作に多く出会うことが出来ました。
また、「純粋なポップソング」が多かったのも特徴でしょうか?洋楽編でも書いたのですが、ここ最近、音楽シーンを揺るがすような大きなシーンの動きというのがないような感じがします。そんな中、やはり強いのは、メロディーということになるのでしょうか。
一方で相変わらず目立つのが、HIP HOPの強さ。今回もAnarchy、Shing02、また純然たるHIP HOPではないのかもしれませんが、SBKなどの傑作が並んでいます。なんだかんだいっても、まだまだ一番勢いのあるジャンルなんだよなぁ。
というわけで、3日連続のベストアルバム紹介は以上。今年もみなさんがたくさんの傑作アルバムに出会えますように・・・。
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